数カ月前に「奇跡のせんべろ店を見つけたので一緒に行きませんか?」と、前職の先輩から連絡がきた。ウマくて安い店を探すのが得意な先輩なので「行きましょう!」と返事をすると、今度は2秒も待たずに「攻めます」というメッセージ。かなり気合いが入っている。

詳しく話を聞くと、1カ月以上先まで予約が埋まっている超人気プランらしく、わずかに空いている時間帯を見つけて、一瞬で予約をする必要があるのだとか。予約日時が決定したのが約2カ月前……そしてとうとう “奇跡のせんべろ” を体験する日がやってきたのである!

集合場所は『肉汁水餃子 餃包 六本木交差点』。餃包は「ギョウパオ」と読む。お店があるのは六本木駅徒歩1分の六本木交差点前。いや待ってくれ……勝手なイメージだが、せんべろとは無縁のエリア・六本木のど真ん中に来てしまったようだ。

言うまでもなく、せんべろとは「1000円でべろべろに酔える」こと。騙されていないか心配になってくる。震えながらお店の前まで行くと、今回予約をしてくれた先輩・内田さんが笑顔で待っていた。え、もしかして本当にせんべろができちゃうのだろうか。

内田さんが予約をしたのは……「せんべろテラス」という名の立ち飲み席。入口横にあるカウンター席(2人まで)が舞台となるらしい。店員さんにコースの説明を聞くと……

料理は全メニュー食べ放題で「神泡の生ビール」「超品質ハイボール」「季節の生搾りサワー」の3種類が飲み放題とのこと。2時間制で1人1100円(税込)だという……マジだった。いや、想像以上だった。

六本木のど真ん中で立ち飲みできる時点でかなり贅沢なのに1100円はヤバい。まさに奇跡のせんべろである!

さっそく生ビールとハイボールで乾杯。お酒は注ぎ方を教わってからセルフで注ぐ。 黄金比7対3になるように丁寧に。ちょい泡が多い気もするけどOK。もう楽しいぞ。

1回の注文で料理も2品頼めるってことなので、すぐに出てくる「三種盛り(麻辣ピーナッツ・蒸鶏のねぎソース・青菜の塩ナムル)」と、看板メニューの「餃包」を注文した。それにしても全メニュー食べ放題はお得すぎ。

ちなみに内田さんは約1年前から同店のせんべろテラスを狙っていたらしい。ただ外になるので「真夏や真冬は大変かもしれませんね」とのこと。確かに。たまたま天気にも恵まれ最高である。スタッフの方に話を聞いたところ、お店の宣伝として始めたそうだ。

熱々のグツグツでやってきた「餃包」はめちゃめちゃうまかった。皮はもっちりしていて、生姜の効いたスープと肉汁が最高に合う。

もっちりじゅわっとした肉汁水餃子は絶対に頼んだ方が良い。普通に頼んだら4個1089円。これだけで1人分の元が取れる計算だ。マジかよ。

「ひとくち揚げ餃子」もちょうどいいサイズ感。塩とレモンでさっぱり食べるのがオススメ。

定番を味わった後は、2人で気になるメニューを1品ずつ頼むスタイルに。私は「豚の角煮」、内田さんは「大根餅」を頼んだ。渋い。

てか、どれも美味しいから勢いでどんどん頼みたくなってしまう。一応言っておくと「料理を残したら1皿500円の追加料金を支払う」というルールがあるので頼みすぎないこと。テーブルの広さを考えても2品ずつというルールはナイスだと思った。

追加レモンサワーを注いで、さらに「小籠包」と「汁なし坦々麺」も注文。六本木交差点を行き交う人々を眺めながら、優雅にせんべろを楽しむ。なんて贅沢な時間なのだろう。

こんなにお得感のあるコースは経験したことがない。いわゆる食べ飲み放題のクオリティではなく、何を頼んでも本当に美味しいのだ。予約が取れないのも納得。内田さんに感謝である。

1時間半でラストオーダー。あっという間だった。デコポンのジェラートも濃厚で激ウマ。しっかり2時間過ごして、お会計は本当に2200円(2人分)だからビビる。予約が取れるならマジで通いまくりたい。

というわけで、六本木のせんべろテラスは早い者勝ちの「神席」だった。とはいえ、餃包は普通に利用しても美味しい料理ばかり。機会があればぜひ行ってみてほしい。


・今回ご紹介したスポットの詳細データ

名称肉汁水餃子 餃包 六本木交差点
住所:東京都港区六本木4丁目9-8
時間:平日16:30〜23:45 / 土日祝12:00〜23:45

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.