岐阜県の関市に「モネの池」と呼ばれる有名な池がある。なんでも印象派のクロード・モネの代表作『睡蓮(スイレン)』シリーズにそっくりの幻想的な景色が楽しめるらしい。水の透明度がとても高く、錦鯉がスイスイ泳ぐ姿が最高にフォトジェニックなのだとか。

そんなモネの池が栃木にもあった。佐野ラーメンで有名な栃木県佐野市の「出流原弁天池(いずるはらべんてんいけ)」が “関東版モネの池” と呼ばれているという。実際に足を運んでみたところ、関東版・清水の舞台まで楽しめたので報告しておきたい。

・地元で有名な弁天池

栃木のモネの池は、JR佐野駅や佐野プレミアムアウトレットから車で20分ほどの静かな場所にある。言われてみると、周辺はたしかに透明度の高い湧水が出ていそうな雰囲気。しかし池よりも先に目が行ったのは……山から顔を出す真っ赤なお堂だ。

地図によると「磯山弁財天」だという。地元民曰く、出流原弁天池とともに佐野市の隠れた名所らしい。まるで京都の清水寺。「懸造(かけづくり)」という日本古来の伝統工法で建てられている。格子状に木材を組むことで、傾斜が急な岩山などの上に建築できる技法だ。

しかも石灰岩の岩肌をそのまま利用している磯山弁財天の懸造はかなり珍しいという。モネの池を後回しにして階段をのぼっていくと……


社殿から佐野の街が一望できた。


とても気持ちの良い景色である。


後から調べたところ、磯山弁財天は開設から1000年以上も続く名所で、平安時代に藤原秀郷が創建したと言われている。あの平将門を討ったことで知られる武将だ。ちなみに現在建っているのは鎌倉時代に再建されたものなのだとか。

そのすぐそばにあるのが “栃木のモネの池” こと出流原弁天池である。国の名水百選に選ばれた弁天池はどれほどキレイなのだろうか……

ヤバかった。


まさに絵画のような美しさ。水の透明度が高すぎて、鯉が宙を泳いでいるように見える。スイスイ気持ちよさそうだ。鯉に生まれるならこの池で泳ぎたい……と本当に思った。

看板の説明によると、地下水が古生層石灰岩の亀裂から湧き出してできた池だという。あまりにもキレイなので地域の農業用水としても活用されているそうだ。

とくにオススメなのは紅葉シーズンとのこと。とはいえ、四季折々に美しい景色が楽しめると思うので機会があればぜひ行ってみてほしい。栃木のモネの池はこれからさらに人気が出るだろう。栃木の清水の舞台もね。


・今回ご紹介したスポットの詳細データ

名称:出流原弁天池
住所:栃木県佐野市出流原町1117

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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▼気持ち良いスポットでした

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