昨今の飲食事情について、もしかして和食ブームが来ているのでは? と感じている。というのは、近年のヘルシー志向の高まりや物価高の影響で、デカ盛りや高カロリーを売りにする店が少なくなったからだ。さらには、高級のり弁やおにぎり専門店が台頭していることから、「和食ブーム来てる?」と考えるに至ったのだ。
今回紹介する「しんぱち食堂」も炭火焼き干物定食を売りにするお店。そう、和食だ。実際に利用してみたところ、定食の良さもさることながら、会計の仕組みがとても良いと感じた。
・じわりと各地に拡大
しんぱち食堂は、「株式会社越後屋」が運営する外食チェーンだ。「立ち喰い焼肉 治郎丸」も同社の系列である。
今から約10年前の2014年当時、治郎丸は急速に店舗を拡大していた。一方のしんぱち食堂は話題になることもほとんどなかったが、現在はしんぱちの方がはるかに店舗数が多く、都内に約20店舗、大阪・神戸・名古屋・福岡にも出店している。
訪ねたのは、東京・中野のお店である。ここも2022年9月にオープンしてまだ半年しか経っていない新しいお店だ。
余談だが関西方面の店舗は、定食屋「宮本むなし」を運営する「M & Sフードサービス株式会社が担当している。
・全部いい!
さて、店頭のショーケースを見るとトラディショナル(伝統的)というか、オーセンティック(正統)というか、コテコテの定食屋のラインナップである。
注文は卓上のiPad miniで行う。あまりにも定番のメニュー構成なので、何を食っていいのか迷ってしまう。人気ランキングを参考に本日の昼食を決めようと思ったのだが……。
全部いいやんけ! サーモンハラスも良さそうだし、銀鮭も塩焼きも捨てがたい。さば味噌もいきたいところ。う~ん……、決められん!
ちなみに肉料理もあって、豚バラ目玉焼き定食にしようかと思ったら品切れだった。これも深刻な玉子不足の影響か……。
・焼き魚は心のふるさと
迷った末に今日は「さば開き定食」(ご飯並 税込1078円)に決定!
炭火で焼いたさばの美しいこと。ここの炭火焼き機は同社が独自開発しており、一般的な焼き機の半分の時間で焼き上がるのだとか。とはいえ、多少時間はかかります。
では頂きましょう。まずはみそ汁を軽くすすって漬物をひと口かじる。口の中の状態を整えて、箸で身をつまむとかすかに炭の香りが立ち上る。ホックリと焼き上がった身は脂をまとっていて、見るからに美味そうだな。
口に入れるとほんのり甘い。和食の王道、安定の美味しさ。和むわ~。
それからしばらく、さばにかかりっきり。ご飯に手をつけずに、箸を駆使して身をさばくのに必死になってしまった。ひと通りさばいたところで、ご飯の上に投下。大根おろしに醤油を一滴たらして、さばご飯にして頂く。
焼き魚は心のふるさと、食卓の原風景である。そこそこ歳を重ねた今、肉をそれほど食えなくなると、魚の有難みをひしひしと感じる。俺も大人になったんだなあ(遠い目)。
・QRコードであと会計
食事に満足して席を立つ。ここは「あと会計」で、卓上に置かれた紙のQRコードをセルフレジに読み込ませる仕組みだ。これがとてもよかった。
いわゆる回転寿司チェーンでおなじみの方式なのだが、ここのような飲食店でセルフレジを導入しているお店では、だいたい「先会計」だ。メニュー一体型のセルフレジを導入しているのだが、端末自体が使いにくいことが多い。メニュー選びに時間がかかるせいか、入店待ちの行列ができている場面にしばしば出くわす。
ここのように「QRコードであと会計」できる店が増えてくれると助かる。とにかく、私は和食ブームが来ていると確信している。今後ますます美味い和食屋が増えるかもね!
・今回訪問した店舗の情報
店名 しんぱち食堂 中野店
住所 東京都中野区中野5-66-7
時間 7:00~23:00
定休日 無休