番狂わせが続くカタールW杯。サウジアラビアがアルゼンチンを破り、日本がドイツに逆転勝利……さらにモロッコは優勝候補のベルギーを撃破した。ちなみにモロッコは1998年のフランス大会以来、24年ぶりのW杯勝利だという。おかげで街はお祭り騒ぎなのだとか。

そんなモロッコで「今、1番流行っている髪型」をオーダーしたらどうなるのだろうか。ってことで今回は、モロッコ最大の都市・カサブランカで見つけたローカルな床屋に突撃。最もイケてるモロッカンヘアスタイルにしてもらいましたァァアアアア!

・カサブランカの理髪店

私が訪れたのは、世界最大級のモスクとして知られる「ハッサン2世モスク」から徒歩15分ほどの場所にある理髪店。迷路のように入り組んでいる裏路地でたまたま見つけたのだが、ローカル感が漂いつつもイケてる雰囲気がにじみ出ていたため入店を決意した。

店主は一言でいうと “モロッコ版・佐藤記者” である。見た目も仕草も佐藤記者そのもの。きっと職人気質でとことん技術にこだわるタイプだろう。カットの価格は50モロッコ・ディルハム(約650円)とのこと。チップを弾むからベストヘアにしてくれとお願いした。

「まかせてくれ!」


頼もしい。さっそく「こんな髪型はどうだ?」とスマホを差し出す店主。カット前に完成形を見せてくれるようだ。スマホを確認すると……


ダンディな4人の男性が写っていた。それぞれ特徴的なヘアスタイルだが、共通しているのはメチャメチャ刈り上げていること。少し勇気が必要だけど……オッケー、店主の腕を信じよう。カットスタートである。



ヘアピン等は使わずにドライヤーで髪を流しながら、バリカンでサイドを勢いよく刈っていく店主。1ミリも迷いなく刈り上げていく……すごいスピードだ。アクセルの踏み方がハンパではない。


というのも、次の客もその次の客も待っているからだ。彼らの話題はやはりW杯で、店内で試合観戦をしながら「明日(11月23日)日本はドイツ戦だな」「モロッコとクロアチアの試合も明日だぞ」と話しかけてきた。そして、その間も刈り上げられる両サイド……!


バリカンの次はハサミ、そしてカミソリを使ってヘアスタイルを仕上げていく。ちなみに「日本人(私)の髪の毛はストレートだから難しい」らしい。モロッコでは “クセ毛を活かしたショートヘア” が人気とのことだ。ただの坊ちゃん刈りになっていないことを祈る。


そんなこんなで約30分で完成した。


うむ、とても爽やかな髪型である。アクセル全開で刈り上げまくってからの細かやかなカット技術も見事。これがモロッコの実力……サッカー同様、エキサイティング過ぎるカットだった。てか、気持ちよく仕上げてもらって1000円以下というのは安過ぎるぞ。

チップを手渡し「日本を応援するよ!」「モロッコも応援する!」と、お互いの健闘を祈り店を出た。モロッコで最もイケてる髪型になった以上、日本もモロッコも応援すべきだろう。そんなわけで、頑張れモロッコ、頑張れ日本。現地の皆さんありがとうございました!


執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼モロッコの佐藤さんに「センベロ」ならぬ「1000円カット」してもらいました