ロケットニュース24では「リクエストボックス」を設置しているのだが……先日、なんと現役航空自衛官の方から「3年ぶりに開催される入間航空祭に来てください」と連絡が来た。入間基地の航空祭といえば、例年10万人以上の観客が集まる大人気イベントである。

2022年は事前申込制(抽選)で人数を限定して開催するそうだ。そんなわけで今回は、行けなかった方の分まで航空祭を味わい尽くすべく、生まれてはじめて入間基地(埼玉県狭山市)に行ってみることに。果たして、知識ゼロのおっさんでも楽しめるのだろうか

・入間航空祭2022

気合いを入れて6時過ぎに入間基地に到着。開門時間(8時)まで地上展示されている航空機を見学させてもらったぞ。今年は地上展示が26機、展示飛行(いわゆる航空ショー)が13機とのこと。まず目に留まったのは、とにかくデカい国産輸送機「C-1」と「C-130H」だ。


地上展示されているC-1は30号機で、ラストフライトをする29号機も奥の方でスタンバイしていた。1979年(昭和54年)7月24日に製造され、阪神淡路大震災に伴う被災地支援や、各国の要人空輸などの任務のほか映画やドラマにも登場した機体なのだとか。


つづいてタンデムローター式の大型輸送ヘリコプターCH-47J「チヌーク」。展示飛行では機外懸吊(機体外に貨物を吊り下げて運搬するヘリコプター独自の空輸方法)等を披露するらしい。また、地上展示で機内公開をするそうで、隊員の皆さんが準備を進めていた。


つづいて戦闘機「F-15」と「F-2」。こいつが噂のイーグル(F-15)である。


さらに飛行点検機「U-680A」や「T-4」「T-7」「T-400」といった練習機も朝日を浴びて輝いていた。T-4練習機(通称シルバーインパルス)4機は、中部航空方面隊司令部支援飛行隊が編隊飛行を披露する予定。


そしてどうやら本日、フライトリーダーを務める渡辺信行2等空佐(55歳)がラストフライトを迎えるという。パイロット人生約35年、飛行時間は約5000時間とのこと。ぜひ見届けたいぞ。

──そんなこんなで予習は終了。入門時間になり、3年ぶりとなる入間航空祭がスタートした。


・約2万7000人が来場

先に述べたように、今年は人数を限定したため来場者数は約2万7000人。「これでもかなり空いています」と関係者。いや本当にすごい賑わいである。


朝1番の展示飛行はチヌークだった。いきなり明るいヒットソングが流れたと思ったら、今度は隊員による元気なマイクパフォーマンスが始まり、気づけば観客とチヌークが一体となっている。まるで花火大会のような盛り上がりだ。めっちゃ楽しい。みんなで声を合わせて……

「チヌーク!」


先に述べたように、チヌークは地上展示で機内を公開している。興味を持った方々がチヌークの周りに集まりだした。なるほど面白いな。


休む間もなく、展示飛行は続く。今度は新型飛行点検機「U-680」が「U-125」と共に機動飛行を披露。スゲエエ! 多くの観客が大きなカメラで撮影をする一方で「PRESS」のビブスを着用した私はiPhoneを空に向ける。カシャと音が鳴るたびに恥ずかしい気持ちになった。


それはさておき、T-4練習機4機もいよいよ飛び立つようだ。やはり多くの方が事情を知っているもよう。渡辺2佐のラストフライトが始まる……


……すごかった。


ラストフライトにふさわしい最高の秋晴れ。青空を切り裂くように飛んでいく4機。美しい。そしてハンパない迫力……うおおお〜〜最高オオオオ! iPhoneカシャカシャカシャーッ!


着陸後はラストフライトの恒例だという消防車からの放水アーチで渡辺2佐が迎えられた。


コックピットから降りると、そのままラストフライトの記念撮影。大きな拍手が送られる。涙を流す人も……とても感動的なシーンだった。


さあ、ラストは輸送機による大迫力の展示飛行。C-1とC-2の編隊飛行のあとに……


C-1輸送機からの空挺降下(落下傘降下)なども披露された。次々と降下する隊員たち……スゴイというか、怖いんですけど。


生まれてはじめての航空祭は、想像の100倍くらい迫力のある祭りだった。今年はブルーインパルスや戦闘機の展示飛行がなかったが、今日はもう本当にお腹いっぱい。来年以降またチャンスがあれば、あらためて見学したいと思いました。

ちなみに今年は、この後も「築城基地(福岡県)」や「百里基地(茨城県)」で航空祭が開催されるらしい。どちらも事前申込は不要とのことなので、興味のある方はチェックしてみてはどうだろうか。はじめての航空祭、大興奮でした。マジのマジで最高でした!


参考リンク:入間基地
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

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