東京・葛西に中国ハルピン出身の店主が営む中華料理店があるらしい。なんでもそこは1993年に創業と歴史は長く、本場の手作り餃子がウリ──ということを餃子のセレクトショップ「餃子図書館」から餃子が送られてきたことで知った。

お店の名前は独一処(とくいっしょ)餃子。調べたところ2019年・2021年と食べログ百名店に選出されているし、きっと知る人ぞ知る餃子なのだろう。よ〜し、これは食べてみるしかないっしょ〜!

・小さく美しい餃子

独一処餃子の価格は公式サイトだと冷凍ニラ餃子2袋(1袋15個入)が1300円だった。つまりは1個あたり40円ちょいだから平均的といったところか。とりあえず開封して餃子と対面ならぬ “対餃” をしてみると……ほぉ!

まるでハルピンの雪景色のような美しさをした餃子である(現地に行ったことないけど)。大きさとしては一口サイズと言おうか、なんだか鍋とかに入ってそうな形でもあり、どことなく北国らしさが感じられる。


・作り方

さて、作る手順としてはこれと言って特別なことはしなくていい。油を引いて餃子を並べ、お湯を入れてフタして蒸す。そして最後に焼き目がついたらOKというオーソドックスなスタイルだ。

あとはひっくり返せば……


出来上がり〜! 餃子のサイズがかなり小さいため、フライパンのスペースを考えて作らないとヤケドするかも。作る際には十分気をつけてほしい。


・実食

それでは食べていくとしよう。このところ、当編集部は大きい餃子ばかりを食べていたこともあって、小ささがとても新鮮に写るが果たして──。まずは編集長のGO羽鳥から実食。一口でパクリと食べると、こう口を開いた。

羽鳥「うん、うん、うん」


羽鳥「味が濃いなぁ〜!! 目を閉じたらハルピンだね。とりあえず皮がウマい。そして餡はニラと生姜がアクセントになっているね。食べた瞬間にホームランとまで思わなかったけど美味しいよ。これ、ハルピンなんじゃないの?


……ていうかあなた、ハルピンに行ったことないでしょうよ。そう心の中でツッコみつつ、続いて私も食べてみる。ポイッと口に入れて噛み締めたら……なるほど、なるほど!

羽鳥の言う通り、ハルピンだ……!!


なぜそう思ったのか分からないが、不思議と異国感がしたのだから仕方ない。とにかくこれ、ハルピンの味と言われたら妙に納得してしまう自分がいたのだ。不思議!


・異国感はどこから?

一体、ハルピンっぽさを出しているのは何なのか。皮、それともニラ、あるいは舌の上でピリッとする生姜の感覚か──。味わいつつ考えていると、ふとハルピンに旅行で行った友達の話を思い出した。そういえば「何でも秒で凍る」と言ってたなァ……。

となれば、ハルピンっぽさをもたらしたのはおそらく生姜と言っていい。きっとこのあたりの分量というか、体が温まるような工夫が我々に寒い土地を連想させた……と推測するがどうだろう。

味に関しては爆発的に加速するウマさはなかったが、先に述べたように異国感があって面白い餃子ではある。ニラが独特な味を演出していてモチッとした皮のウマさもあるため、餃子ファンは一度くらい経験しておくべし。

中国の風というかハルピンの風がなぜか吹く独一処餃子。気になる人はぜひお試しあれ。ニラ好きならきっと刺さるはず。それにしても餃子は餃子でも、いろんなものがあるのだなァ。これだから餃子はやめられない。

参考リンク:独一処餃子、Instagram @tokuissyo_gyoza_kasai餃子図書館
執筆:原田たかし
Photo:RocketNews24.