どういうことだってばよ……?

最初にそのキャッチコピーを見たとき、頭の中に浮かんだのは大量の「?」マーク。だって、「芯まで金属でできている鉛筆」なんて言われて誰が一発で理解できるだろうか。

金属なのに鉛筆? そもそも金属で文字が書けるのか??? 試しに購入して使ってみたところ……この鉛筆、強すぎる!!


・金属製鉛筆

噂の鉛筆「metacil(メタシル)」は、電子機器でも入っているのかと思うくらいスタイリッシュなパッケージに包まれてやってきた。

メーカーであるサンスター文具の公式ページによると、価格は税込990円~。様々な店舗で販売されているようだが、筆者はAmazonで購入した。

パッケージには、「芯まで金属なのに書ける消せる」となんだか声に出したくなる文で推しポイントが紹介されている。おお、すごい自信じゃないか。さっそくお手並み拝見といってみよう。


メタシル本体はこんな感じ。見た目は一般的な鉛筆と大差ないけれど、手に取ってみると金属らしく少しひんやりしていて重みを感じる。


黒鉛を含んだ特殊合金でできているという芯を紙の上に置いて、適当にさーっと線を引いてみると……


うわっ、ほんとに書けた!! やはり金属がメインだからなのか色はちょっと薄いけれど、しっかりと筆跡が残っている。


消しゴムで消してみるとこんな感じ。おそらく筆者の筆圧が強すぎるせいで紙のへこみがくっきりと残ってしまったが、黒い色自体は綺麗に消すことができた。


・いっぱい描いてみた

ところでこのメタシル、金属でできているだけあって芯の摩耗が半端なく少ないらしい。パッケージによると、なんと削らずに16kmもの距離分書き続けることができるんだとか。

……本当に摩耗しないのかな?

試しにA4のコピー用紙を絵で埋めて削れ具合を見てみることにした。通常この大きさの紙を鉛筆のみで埋めようと思ったら、どんなに少なくても2~3回は鉛筆削りを使用しなければならない。


手始めにリーフィーシードラゴンというタツノオトシゴの仲間を描いてみた。濃い色を使った部分も多く、普通の鉛筆なら確実に多少なりとも摩耗しているところだけど……


メタシルはほぼ無傷!! 削れやすい先端部分もそのままの形をキープしている。何だこれ固っ!!


その後も次々に生き物を追加していき……


最終的に完成した絵が……こちら!!


頑張った~!! 我ながら結構密度の高い絵を描けたと思う。

製作中は特に違和感を感じることもなく、普通の鉛筆と同じように快適に描き続けることができた。色は全体的に薄めとはいえ濃淡もしっかり表現することができるので、筆記用だけでなく画材としても十分使うことができそうだ。

これだけ線を引いたり色を塗ったりしたんだから、さすがのメタシルでも多少は摩耗してしまっているんじゃないだろうか。ドキドキしながら芯に目を向けると……


さっきと変わらん!!


なんてこった、リーフィーシードラゴンを描き終えた時からほぼ形が変わっていない。強いて言うなら先端がちょっと金属光沢っぽく光るようになった……かな? メタシルの強靭さを確信した瞬間だった。


・危なかった

あ、危なかった……「メタシルを最後まで使い切ってみた!」みたいな企画にしなくて本当に良かった。数年後まで記事が上がらなくなるところだった。

でも逆に考えれば、この鉛筆で絵の練習をすれば使い切る頃にはかなり上達できるんじゃないだろうか。今日からそれを目標に練習を始めてみようかな。

鉛筆は摩耗するものという常識を覆す新世代の文房具、メタシル。一般的な鉛筆と比べて少しお値段は張るけれど、値段相応かそれ以上に描き続けられるとってもユニークな商品だった。

参考リンク:metacil(メタシル)
執筆:うどん粉
Photo:RocketNews24.

▼本文中にある全体図の写真は見たままの濃度に近づけたけれど、やぱりちょっと薄いな……と思ったので色を濃くして見やすくしてみました

▼色を濃く塗った部分は金属光沢がすごい!

▼ちなみに鉛筆削りは使えないので注意