あなたには持病があるでしょうか? 持病にも様々な種類がありますが、私、P.K.サンジュンの父(75歳)は昔から「高血圧」に悩まされています。今のところ平気ですが、おそらく私にもその遺伝子が引き継がれているのでしょう。

それはさておき、つい先日、父から衝撃的な話を聞きました。なんでも13年以上飲み続けていた「高血圧を抑える薬をやめた」というのですが……。果たして父はどうなってしまったのでしょうか?

・とにかく頑固者

まずはざっくり父の性格をご紹介しておくと、父は “大” の字がいくつ付いても足りないほど頑固な性格の持ち主です。基本的には人の意見に耳を貸さず、それでいて「俺はまあまあ柔軟な思考の持ち主」と勘違いしているから恐ろしいとしか言いようがありません。

父の頑固は歳を重ねるにつれ勢いを増し、11年前に母が亡くなってからは “世界レベルの頑固” に到達したと言ってもいいでしょう。近年ではたまに顔を合わす私ともケンカが絶えず、一時期は「どう付き合っていいのかわからない」という状況にまで陥りました。


幼い頃は尊敬の対象でしかなかった父だけに、私や妹たちもショックが大きいというか何というか。ここまで無事に育ててくれたことにはもちろん感謝していますが、それでも「四六時中一緒にいるのは無理だろうな」と思ってしまいます。

・勝手に薬をやめたらしい

さて、そんな父は高血圧で、13年前から1日1回薬を飲んでいます。変な言い方になるかもしれませんが、薬さえ飲んでいればどうということは無く、血圧も安定していました。年齢が年齢だけに「ここが痛い、あそこが痛い」とは言うものの、大病を患ったことはありません。

ところがつい先日、父と顔を合わせると妙にションボリしているではありませんか。そう、これこそ「血圧を抑える薬を飲まなくなった結果」なのですが、まずは父の言い分をお伝えすることにしましょう。


「いや、参ったよ。13年も飲んだんだし “もういいか” と思ってさ。そしたら数日後に1回クラッと来てさ。その時はそれだけで収まったんだけど、また後日電車の中で頭の中がフラフラしちゃって。

吊革に掴まっても立ってられないんだもの。そのまま降りた駅の目の前にかかりつけの病院があったから駆け込んでさ。たまたま担当の先生もいて診てもらったら血圧が180もあったんだよ。

薬を飲んでないって言ったら先生に “なに考えてるんですか! 普通なら死んじゃいますよ!!”って怒られてさ……。今回ばかりは俺も反省してる。本当に俺は馬鹿だ。もうどうしようもないくらい馬鹿野郎だ……」


うむ、その通りである──。


何度聞いても薬を飲まなくなった理由がよくわかりませんが、父はそういう人なので仕方がありません。とはいえ私は特に怒りませんでした。なにも呆れたからではなく、本当に父が弱って見えたからです。

・急激に衰えた?

薬を飲まなくなって一騒動あってからの父は、以前より格段に弱っているように見えました。その1カ月くらい前に会ったときと比較しても、歩き方や話し方が数年分一気に衰えた印象です。というか、本当に大丈夫かよ父ちゃん……。

科学的にどうだとか、具体的にどんなことが起きたという説明は出来ませんが、とにかく父の生気や覇気が目に見えて減少している気がしてなりません。今はここから徐々に回復していくことを願うしかありませんが、怒りよりも心配が上回るほど薬をやめたツケは大きかったようです。

この件から私が言えることはただ1つ「薬を勝手にやめるのは絶対にダメ」ということ。死ななかっただけ儲けもん、いつか本当の笑い話になればいいのですが、とにかく長年飲み続けている薬をお医者さんの許可もなく勝手にやめてはダメ、絶対にダメです。

人間が歳を重ねるほど頑固になっていくことは、ある意味で自然なことなのでしょう。読者の方の親御さんが同じことをしないとも限りませんので、どうか注意深く見守ってくださいね。私も父になるべく優しく接しようと思う今日この頃です。

執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.