ホームセンターや100円ショップではもはやお馴染み「レンジで○○ができる」系の調理器具。パスタをゆでられる長方形のボックスも定番だろう。

メーカーによって形に多少の違いはあれど、水(湯)とパスタを入れてレンジでチンするのは同じ。ダイソー製品の場合、もとの麺が6分タイプなら、6分+○○分というように取扱説明書に記された時間で加熱する。

ところが先日、このレンジ調理器で大失敗してしまった……!


・失敗の理由

このときに使ったのは日清製粉「マ・マー 早ゆでスパゲティ1.6mm」と、ダイソー「200円レンジ調理器」。筆者の最寄りのダイソーには100円タイプと200円タイプがあったが、後者は4人前までゆでられる大容量タイプだ。

容器の線を目安に水を入れ、時間をセットして……加熱が終わったものを見たら、目玉が飛び出た。

あふれんばかりに膨張した麺!


仕上がりを確かめようにも、持ち上げるそばからプツプツとちぎれてしまう。


麺がヌルヌルになっていると言ってもよい状態で、もはやパスタとは呼べない!


「なんでこうなった!?」と思ったら、調理器の説明書に「早ゆでタイプ、細いタイプ(1.4mm未満)のパスタは使用できません」と書いてあるー!!!!


そうなのかぁ……。早ゆでタイプはきっと、素早く水を吸収したり火が通ったりするように特別な製法で作られているんだろう。

大量に作りたいときは鍋、ちょこっと作りたいときはレンジ調理器、と同じ麺を使い分けたかったんだけど。普通タイプの麺を買っておくべきか?


・数日後、気になる記載を発見

……と残念に思っていたところ、マ・マーのパッケージに気になる記載を見つけた。


なんと裏面にかなりの面積をとって、「レンジ調理の仕方」が記載されているのだ。パスタのゆで方なんていちいち調べないから、いままで気づかなかった!

使うのは「電子レンジ専用プラスチック容器」という表現になっていて、とくにメーカーの指定はない。同じ用途のものなら、なんでもOKな書きっぷりだ。

試しにレシピ通りに作ってみる。「必ず400mlの水を入れてください」とあるが、これは本来のパスタ調理器の指示よりも少ない水量。

そして投入するパスタは100g限定。一度にたくさん作ってはいけないらしい。


600Wの場合、7分加熱。実はもとの作り方でも「本来のゆで時間3分+規定の追加時間4分=7分」になる計算だったので、加熱時間は同じということになる。出来上がったものを確認すると……

えっすごい! ちゃんとアルデンテになっているー!!!!


普段の自分の好みと比べると「ほんのちょっと軟らかい」感じがしたけれど、これは10秒なり20秒なり加熱時間を減らせばよさそう。

マ・マーのパッケージにはダメ押しのように「早ゆでタイプですが、スパゲティ用の電子レンジ専用プラスチック容器で調理いただけます」と書いてある。これは完っっっ全に「早ゆで不可」の製品を意識している……!

できますよ~~~できるんですよ~~~誰だ、早ゆで不可とか言ってるヤツは~~~


ちなみにダイソーの100円タイプの「レンジ調理器A4」はどうか。こちらは「早ゆで不可」の表記は見当たらないのだが、水量が1パターンしか記載されていないので、そもそも早ゆでを眼中に入れていないのかもしれない。

マ・マー主張の水量400mlを入れると、やはり本来の作り方よりも水が少なめになる。加熱時間は同じで7分間。

こちらもアルデンテにできたー!!!!


・レンジ調理器でも早ゆでができる

もし試してみたい方は、レンジ調理器に書いてある水量は無視して、マ・マーのパッケージ通りに調理すれば、レンジで早ゆでができるぞー!

今回検証したのは「マ・マー 早ゆでスパゲティ FineFast1.6mm(3分)」。メーカーやパスタの太さによっても可否が異なると思われるので、その点だけ留意していただきたい。


レンジ調理のメリットは、時間さえセットすればあとは時計を見なくてもよいところ。パスタのコツだとされる「たっぷりのお湯」や「麺を泳がせる大きな鍋」も不要だ。おまけに、ほとんどの調理器には手軽な湯切りフタがセットになっていることと思う。

これは使わない理由がない。100gずつの調理になるから大家族にはお勧めできないが、ひとり暮らしならかなり便利だと思う。ぜひお試しあれ!


執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.