NHK Eテレの幼児向け番組『おかあさんといっしょ』内で放送される着ぐるみ人形劇『ガラピコぷ〜』が2022年3月30日、約6年の歴史に幕を閉じた。私(あひるねこ)も最後の放送を1歳半の娘と一緒に見ていたのだが、正直泣いたね。なんという喪失感だろうか。
チョロミー、ムームー、そしてガラピコ。毎日のように見ていた『ガラピコぷ〜』のみんなに、もう会えないなんて……。悲しい、あまりにも悲しすぎる。そこで私は、会社の先輩をガラピコに改造することにしたのである。
・人気コーナーが終了
ウサギの女の子チョロミーと、オオカミの男の子ムームー。そしておしゃべり探査ロボットのガラピコが繰り広げる友情の物語『ガラピコぷ〜』。登場キャラの中で特にガラピコがお気に入りだった私は、早くもガラピコロス、略してガラピコスに陥ってしまっている。
さて、せっかくガラピコに改造するなら、対象はガラピコのことをよく知っている人間の方が好ましいだろう。そこで白羽の矢を立てたのが、5歳の娘を持つ先輩パパ・サンジュンだった。サンジュンさん、ついに『ガラピコぷ〜』が終わっちゃいましたよ。
サンジュン「ああ、そうらしいね。ウチは最近あまり見なくなっちゃってたんだけど、曲はよく聞いたしコンサートにも連れて行ったし、最終回って聞くとやっぱり寂しくなるよね」
──もう一度ガラピコに会わせてあげたいと思いますか?
サンジュン「娘をガラピコに? まあ……思うかな」
よしきた!
・改造開始
まず用意するのは、大きめの白い段ボール。これを頭からスポッと被って、横から腕を出せるように加工していく。
胴体に割れたハートを描き……
軍手の一部を赤く着色。
同様にサンジュンも白く塗装し……
段ボールを被せたら……完成だ!
さあ、全国4000万のパパさんママさん、そしてちびっ子たち! 大変長らくお待たせいたしました。出番を終えたばかりのガラピコが、みんなのために早くも帰ってきてくれましたよ!! それでは曲に合わせて呼んでみましょう。
チョロミ~!
ム~ム~!
ガラピコ!
むすんで ひらいて おおさわ~ぎ~
ガラピコ~ぷ~!
・成功
ガラピコである。繰り返す、完全にガラピコである。この精密メカをサンジュンだとは誰も思わないだろう。どこからどう見ても惑星探査用ロボットそのものではないか。
ガラピコ「グガガッ! あひるねこちゃま」
なんと! すでに私の名前を学習しているぞ。よしガラピコ、ちょっと近くを散歩しに行こうか。
「イイネ!」
そして……
「グガ~!」
「ピピッ! キレイですねー」
「これは何というお花なんでしょう?」
途中、通りすがりの男性から「もしかしてガラピコですか? 写真を撮ってもいいですか?」と話しかけられたガラピコ。聞けばお子さんに見せたいとのこと。まさか地球で本物のガラピコに出会えるとは夢にも思わなかっただろう。お互い良い記念になったのではないか。
・いつもそばにいてくれた
そう、『ガラピコぷ〜』とは子供たちだけでなく、我々パパママにとっても大切な友人であり続けた。生まれて初めての育児。不安や戸惑いだらけの毎日の中、『ガラピコぷ〜』にどれだけ助けられたことか。
オープニングテーマが流れた途端、テレビの前に駆け寄って嬉しそうにぴょんぴょん飛び跳ねるジュニアの姿を、私は一生忘れないだろう。ジュニアの成長を共に見守ってくれて本当にありがとう。ジュニアをたくさん笑顔にしてくれて、本当に本当にありがとう。
放送は終わってしまったけど、この広い宇宙のどこかに「しずく星」はきっとあって、そこではチョロミーやムームー、ガラピコたちが今この瞬間も仲良く楽しく暮らしているはず。だからお別れは言わないよ。いつかまた必ず会おうね! 『ガラピコぷ〜』!!
ところが。
佐藤パイセン「何だこのバカみたいなガラクタは。きたねぇな、誰か片付けろよ」
「グ、グガガビバァァァァァ!!!!!」
– 完 –
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.