数カ月前にアマゾンで購入した目覚まし時計は「何を言っているのかわからない」という致命的な欠点があった。もうちょいマシな時計はないものか。と探していたわけではないのだが……「あなたへのおすすめ」的なページでちょうど良さそうな商品を発見。

その名も『気合い一発! 目覚まし朝ゴング』だ。商品ページには「朝のゴングで今日1日の試合開始を!」と書いてある。おそらく「カンカンカンカーンッ!」と乾いた音が響き渡るのだろう。めっちゃ気合が入るかも……ってことで買ってみた。

・目覚めろ!

2380円で購入した「目覚まし朝ゴング」は翌日に届いた。さっそく開封すると……

ハイ出てきました!


目覚まし朝ゴングは「ボクシングのゴング」というよりも「カンフーの銅鑼(どら)」のようなビジュアル。ブルース・リーの名作『燃えよドラゴン』のイメージだろうか。そうであれば、ゴングが鳴った後に「ホォォァアチャァァアア!」の叫び声もセットで入れてほしい。

中身は目覚まし時計本体とゴング(銅鑼)を打ち鳴らす “バチ” のみ。説明書は無いようだ。そして、本品の主役となるカンフーマスターの顔が、ブルース・リーというよりも……エスパー伊東さんだった。ちょっとだけ内股のように見える。とにかく頼むぞ。


さっそく、エスパー伊東さんにバチを持たせてから「単三電池を3本」セットする。


時間設定の方法は、パッケージ側面の中国語をグーグル翻訳して確認した。どうやら「T」のボタンを押しながら「h(時間)」と「m(分)」を押すと調整できるらしい。

ちなみにカスタマーレビューの内容は「操作方法がさっぱりわからないため、いまだに時刻を合わせられず」「説明書がないから全く使えない」という不満が約半分。もう半分はというと、目覚まし時計の命とも言える「目覚まし音」についてだった。


実際に鳴らしてみると……

グワァァアアアアアアアアンン!


グワァァアアアアアアアアンン!



やはり完全に中国の銅鑼だった。「プロレスのゴングを想像していたら中国の鐘の音でした」「カンカンカンという音を期待したけどドシャーンだったよ」といった声が多数。また「ゴング野郎の気合いが入ってない」という謎のクレームもあり……総合評価は2.4(40人)だった。


・目覚まし音よりも厄介なこと

しかし同商品の1番の問題点は、実は「目覚まし音」でもない。アラームの設定時間になると、ゴング野郎が鐘を3回鳴らして、その後「ピーッ、ピーッ、ピーッ」とアラーム音が鳴り続けるのだが……このアラームの止め方が非常にムズイのだ。


おそらく何も知らなければ(ほとんどの購入者は)、銅鑼の下にある “いかにもなボタン” を押してしまうだろう。仕方ない。普通に考えたら明らかにコレが停止ボタンだからだ。


ただ、こいつを何回押してもアラームは止まらない。ユーザーからも「どうやっても音が鳴り止まず、電池を抜きました」「音を止める方法は電池を抜くしかない」など悲痛な声ばかり。さすがに寝起きで電池を抜くのはめんどくさいぞ。絶対に目は覚めるけど。

ではどうやってアラームを止めるのかというと、こちらもパッケージ側面の中国語に答えが隠されていた。


答えはなんと……

「銅鑼のド真ん中を押す」である!


・銅鑼を押して音を止めるという発想

「さすがにウソだろ……」と思いながら押したらピタッとアラームが止まった。なぜここなんだ。なんならそこは1番押したらダメなとこだろ。ちなみに、いかにもなボタンは「ただのテストボタン」だったらしい。って、ざけんな。

なお、アラームは自動的に止まらないそうで「朝、鳴る前に外出したところ、夜帰ってきた時まで鳴っていました」というレビューもあった。闇の中で鳴り響くエスパー伊東のアラーム……不気味過ぎる。ただの地獄じゃねえか。


・使い方がわかれば良い商品

それでも、使い方がわかれば良い商品だと思う。個人的な評価は3.5。商品名からイメージする目覚まし音ではなかったこと、商品ページにブルース・リーを載せておきながら、ゴング野郎がエスパー伊東さんだったことが減点の理由だろうか。機能的にはOK……としておこう。

──ただし、グーグル翻訳の助けがなければ評価は1(最低)だった。日本国内で販売するなら日本語の説明書があった方が丁寧だろう。ないなら、商品ページで使い方を説明すべきだ。せめて「時間設定」と「銅鑼の中央でアラームを止めること」くらいは教えてあげてほしい。

当記事が「アラームを止めるために電池を抜いている方」の助けになることを願っている。そして、いつもありがとうグーグル翻訳。


参考リンク:【目覚めろ!!】 ゴング型デジタル目覚まし時計 おもしろ 電池 アラーム クロック お祝い プレゼント プロレス ボクシング 銅鑼 【I.T outlet】 MI-ASAGON
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼動画はこちらです