一部の店舗でテストメニューを販売する飲食チェーンは珍しくない。我らが松屋もその一つである。企業によっては告知をせずに実施していることもあるが、松屋の場合、SNS等で積極的に情報を発信してくれるのでありがたい。

さて、そんな松屋が先日、新たなテストメニューの販売をスタートした。全国66店舗でしかお目にかかれないという希少で貴重な限定商品、その名も『ラタトゥイユカレー』だ!

・松屋のテストメニュー

『ラタトゥイユカレー』のテスト販売については公式サイトの方には特に記載はなく、松屋の公式Twitterアカウントが2月11日にツイートしている。同時に販売店舗のリストも公開されているので参考にされたし。

ちなみに、松屋のTwitter画像では税込580円になっているが、私(あひるねこ)が訪れた都内のお店では税込500円だった。どうやら店舗によって多少の違いがあるようだ。ただ、それ以上に気になったのがポスターに書かれた一文である。


「1日の摂取必要量の1/2の野菜が摂れる!」

むぅ、これは……。松屋に来ておきながら野菜もなるべく摂取したいという、我々のような食の堕落者の心を絶妙にくすぐるではないか。重ねて「ライス大盛無料」という魔性の言葉もセットときた。さすが松屋、客の心理をよく分かっている。

・実食編

さっそく到着した『ラタトゥイユカレー』は、トマトカレーをベースにズッキーニやパプリカなどラタトゥイユらしい野菜が加わった一品。実は松屋は昨年4月に『ごろごろチキンのトマトカレー』というメニューをテスト販売しているのだが、そのチキン抜き版といった雰囲気だ。

『ごろごろチキンのトマトカレー』の野菜が文字通りごろっとしていたのに対し、『ラタトゥイユカレー』は野菜がトロトロになるまで煮込まれているのが特徴。個人的にカレーの具は原型を失うくらいルーに溶け込んでいてほしい派なので、これはアリアリのアリである。

で、味の方はというと、基本的には『ごろごろチキンのトマトカレー』とほとんど同じ系統だ。一口食べた瞬間、トマトの酸味を押しのけるかのようにガツンとしたニンニクの暴風が吹き荒れる。この輪郭がハッキリした強い味付け。いやぁ~、分かりやすくウマい!

ただそのぶんカレー感は希薄で、もはやラタトゥイユ丼と言った方がいいのではないか? という気すらしてくるのだが、ルーと野菜がほぼ一体化しているからか、そんなことがどうでもよくなる程度には没入感の強い仕上がりとなっている。こいつぁ永遠に食べ続けられそうだぞ……


が!


この『ラタトゥイユカレー』というネーミングに関して、実は松屋に一つ言っておきたいことがあるのだ。先述したように、私は去年発売された『ごろごろチキンのトマトカレー』も実際に食べて記事にしている。そしてその記事の中で、『ごろトマ』について以下のように書いた。


「これ、カレーっていうより……めっちゃご飯に合うラタトゥイユじゃね?


……おや?


・疑惑

もしかして、もしかしてだけど松屋さん。あなた……去年のロケットニュースの記事を参考に「ラタトゥイユ」ってワードを採用したんじゃないのかい? トマトカレーという超強力な名前を捨てて『ラタトゥイユカレー』と命名したのは、我々にインスパイアされたからでは?


だとするなら、こんな光栄な話はない。松屋のトマトカレーと言えば、いまだにコアなファンも多い伝説のメニュー。松屋が誇る一大ブランドである。当然、新商品の名前には「トマトカレー」というワードが入っていた方がいいに決まっている。

それをお前、言うに事を欠いて『ラタトゥイユカレー』てお前……めちゃめちゃロケニューのこと好きやないか! 好きすぎるやないか松屋コノヤロー!! でも私も好きだ! 愛しとるぞォォォォオオオオ!! よし、ケッコンすっか!

・販売期間はわずか

興奮のあまり、思わずチチと結婚を決めた時の悟空みたいな口調になったが、『ラタトゥイユカレー』はマジで結婚してもいいくらいウマい。松屋のTwitterによれば今週末あたりから順次販売終了とのことなので、お近くにお住まいの方はぜひ一度食べてみてほしい。


※上記の『ラタトゥイユカレー』命名に関する記述はすべて私の憶測であり、松屋に問い合わたところで「は?」と言われる可能性が濃厚なのでご注意願いたい。ただ、少なくとも私はそう信じている。

参考リンク:Twitter @matsuya_foods松屋(ラタトゥイユカレー販売店舗)
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.