いつものようにダイソーを巡回していると『キャンピングトースター(税込550円)』なるものを発見した。パッケージの写真によると、スタンドにパンを並べてコンロで加熱するだけで、簡単にトーストが焼けるらしい。

まさかトーストを焼くためだけのギアが並ぶとは、ダイソーのキャンプ用品もニッチになってきたなぁ……なんて思いつつ、さっそく使ってみたので感想をお伝えしよう!

・100均のキャンプ用品はどんどんマニアック化

開封すると、出てきたのはフリスビーのような円盤型の装置。スタンド部を折りたたんだ状態での厚さは1.5cmほどとコンパクトだ。

中心部には熱が伝わりやすくするためだろうか、たくさんの小さな穴があけられている。


さっそく使ってみよう。4本あるスタンドを手で持ち上げて、


凹凸になっている部分を組み合わせると、固定できる。


たったこれだけで組み立て完了だ!

通常の食パンであれば2枚、小さい食パンであれば4枚まで同時に焼くことができるのだそう。

筆者が気になるのはホットサンドメーカーとの違いだ。ホットサンドメーカーがあればトーストを焼ける上、フライパンとしても使うことができる。わざわざトーストしか焼けない本商品を使う必要があるのかどうかが気になるのだ。


・菓子パンを焼いてみた

今回は実際にキャンプしながら検証したため、ズボラな筆者はバターやジャムを持ってきていない。

ということで、今回はそのままでも食べられる菓子パンを焼き、より美味しくできるかどうかを検証してみることにした。

用意したのはセブンイレブンのふんわりチーズブレッドと、ランチパックの苺ジャム&マーガリン。


まずはトースターの上にパンを並べる。

小さめサイズのパンだったため、3つとも同時に乗せるができた。


続いてはコンロを点火する。


3秒ほどの間にトースターの真ん中が熱されて真っ赤になり、割れたり破裂したりしないか心配になってしまった。

……が、通常の使い方をしている限りは壊れないので、安心してほしい。


5分ほどでこんがりとキツネ色に焼けた。

ひっくり返して両面焼けば完成だ!


・ホットサンドメーカーよりフワッとしてる

さっそく焼けたランチパックを食べてみると、表面はカリッと、中身はフワッといい感じに焼けているではないか。マーガリンが溶けてパンに染み込んでいて最高に旨いな!

以前ホットサンドメーカーで食パンを焼いた時の記憶と比較すると、パンがまったく潰れることなく、かなりフンワリと焼けているのではないだろうか。上から押さえつけずスタンドに立てかけるだけ、という仕組みのおかげだろうか。

またパンの焼け具合がひと目でわかるため、焦がしにくいのも利点だろう。


対してチーズブレッドの方は、残念ながら中まで温まらなかった。表面にかけてあるチーズがスタンド部分に溶けてくっついてしまい、焦げの原因になったのもマイナスポイントだ。

キャンピングトースターはあくまで食パンのように平たいパン向け。分厚いパンや、表面にソースやジャム、チーズなどが露出しているパンを焼くのには向いていないのだろう。


・キャンピングトースターを使う際の注意点

使っている際、トースターの下に手をかざしてみるとかなり熱かった。ここで心配になったのが、輻射熱(ふくしゃねつ。放射熱ともいう)による事故だ。

輻射熱とは熱を持った物質が赤外線を出し、それによって近くにある物が温められること。


今回の場合にあてはめると、温まったトースターからの輻射熱がガス缶を加熱してしまい、爆発してしまうおそれがある。

そういった事故を防ぐためコンロに遮熱板(しゃねつばん)がついているが、サイズが小さいからなんだかハラハラしてしまった。外付けの遮熱板を用意するか、より大きいサイズのコンロを使うと安心して使えることだろう。


また手軽で使いやすいアイテムである固形燃料が使用不可であることも注意してほしい。

固形燃料の原料はメタノールなどの毒性のある物質。キャンピングトースターは炎から上昇してきた空気が直接パンに触れるため、固形燃料を使うと健康被害のおそれがある。


・キャンプは無駄を楽しむもの

正直に申し上げると、使う前はパン、しかも食パンだけを焼くための道具であるキャンピングトースターは、用途が少なすぎて邪魔ではないかと思っていた。

しかしよく考えてみれば、キャンプっていうのは無駄を楽しむもの。だって家やホテルなど 快適に寝泊まりできる場所はいくらでもあるのに、わざわざテントを建てて屋外で過ごすアクティビティなのだから。

そう思って見てみると「用途がひとつだけ」っていうのは実にキャンプらしい、良い意味で無駄なアイテムなのではないだろうか。なによりカリッフワッなパンはかなり美味しかったしな。

ということで筆者的にはキャンピングトースター、かなりアリだと思う。しかも550円って価格が安過ぎるんだよな……!

執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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