
突然だが、皆さんは「鮭児(けいじ)」という鮭をご存じだろうか。鮭の子共? いやいや、ただの子供ではない。人呼んで「幻の鮭」である。
漁獲量は1万匹に1匹程度。その正体はロシアのアムール川で生まれて日本に迷い込んだ若い鮭……とwikipediaに書いてあった。これがメチャクチャウマく超高級魚として取引されているらしい。一度で良いから食べてみたいと探したこともあったが、どこで食べられるのかすら分からないレベルで諦めた。
普通には売られていない。なにせ1万匹に1匹だしな……。と思いきや、たまたま入った街の寿司屋のメニューに「鮭児」があるではないか! ホゲェェェエエエ!! ノーマークすぎるだろ!
・コスパは良さげ
その店とは北海道小樽の『すし田』。以前の記事で、地元のタクシー運転手・日塔さんに「海鮮のウマイ店までお願いします」とオーダーした際、一発目に向かったのがこのお店である。先日は雪により早仕舞いしていたため、日を改めて行ってみたわけだ。
メニューを見てみると、価格帯としては街のお寿司屋さんという感じ。小樽と言えば、うにを食べたくなるのが人情かと思うので言及するが、うに丼は税別3500円。ちなみに、駅前の三角市場でチラッと見たうに丼は7500円くらいしたのでコスパは良いように思う。
・小樽を実感
とは言え、この時点で魚卵系を結構食べていたため、うにだけではなく8品の海鮮から3品が選べるお好み丼(税別2900円)を注文してみた。すると……
はみ出しまくりなのが来ました。
良い。凄く良い。小樽にいることを改めて実感する見た目だ。
うにを食べてみると、苦味がなくコク深い甘みを感じる。っていうか、ほたてにも甘みがあるし、サーモンも甘みを感じる。そのコク深さが醤油とマッチしてナチュラルな旨みへと変換される。メニューの中では安い方なのに、海鮮丼の戦闘力でスカウターが爆発しそうだ。海のフリーザ様や。
・見逃すところだった
こうなってくると、壁に貼られているオススメメニューも気になってくる。主に一品料理なのだが、注文してみても良いかもしれない。ふむふむ、知床方面の素材もあるのか。こだわりが伝わってくるようだ。って……
鮭児あるやん……!
思わず2度見してしまった。まさかこんなところで出会うとは……! にぎりで1個税別1500円と、さすがの価格ではあるが、そもそもパンピーの私(中澤)にとって出会う機会自体がレアな食材である。そこで注文してみたところ……
見た目は普通の鮭と変わらない。
若干肩透かし気味に感じたが、食べてみるとそのトロける旨みは、先ほど食べたお好み丼の鮭の比ではない。さっきの鮭でもスカウターが爆発したというのに、今や10分前の旨みが可愛く感じた。フリーザ様が第四形態になっておられる……!
・社長に話を聞いてみた
この鮭児は2021年度の羅臼産だが、社長の町田さんに話を伺ったところ、羅臼産の証明書を見せてくれた。市場に偽物が出回ることもあるという鮭児。その中でも羅臼産は最高級品で、かつ近頃は鮭が不漁なので価格が跳ね上がっているそうだ。
2021年度は3kgのもので30万円くらいしたというからまさしく北海道の至宝と言える。しかし、そう考えると寿司1貫1500円は安すぎないですか?
町田さん「ウチは鮭児がこんなに高くなる前からずっと出してまして。さすがに近頃の鮭児は高すぎて手が出ないんですが、羅臼漁業協同組合にツテがあるので、少し小さいものやちょっとした傷やスレのあるものを安く譲ってもらっています」
──なるほど。楽天やAmazonで言うところの訳あり商品的な感じなんですね。
町田さん「そうです。味は変わりませんからね」
──入手の苦労が伝わってくるんですけど、これからも『すし田』では鮭児を提供し続けるんでしょうか?
町田さん「そのつもりです」
──鮭児を買い続けることには何か理由があるんでしょうか?
町田さん「お客さんに美味しい素材を食べさせてあげたいというのが1つです。もう1つは、長年鮭児を提供しているので、全国からはるばる、鮭児を目当てに毎年来てくれる方がいます。そういった常連さんの『うちに来れば1年中鮭児がある』という期待には応えたいですね」
──とのこと。私は全く知らずに入ったのだが、どうやら『すし田』は知る人ぞ知るお店だったようだ。なお、鮭児以外に、「厚岸(あっけし)の牡蠣」も注文してみたのだが、食べた瞬間海の香りが広がって、今まで食べた生牡蠣の中で一番ウマかった。
小樽には海鮮の店が死ぬほどある上、この店のある寿司屋通りも寿司屋だらけなので、正直、ネットで適当に検索して決めてたらスルーしてたと思う。教えてくれたタクシー運転手の日塔さんに、今一度お礼を言いたい。ありがとうございました! 小樽サイコー!!
・今回紹介した店舗の情報
店名 すし田
住所 北海道小樽市堺町2-3
営業時間 11:00~21:30
定休日 不定休
執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
中澤星児
















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