右も左もコンプライアンス、何かにつけて「不適切だ!」と目を付けられてしまうこのご時世、福袋もその例外ではない。かつてのように「売れ残りしか入ってない福袋」はほぼ消滅し、中身がわかる福袋が今やスタンダードだと言っていいだろう。

そんな時代の流れに逆行し続ける超ワクワク系福袋が、我らがヴィレッジヴァンガードの「ヴィレヴァン福袋」である。さあ「ヴィレヴァン福袋 ブラック(5500円)」よ──、言いたいことも言えないこんな世の中に鉄槌を喰らわせてくれ!

・今年は全7種類

ゴールドからグリーンまで、今年は全7種類が販売されているヴィレヴァン福袋。そのうち最高額が5500円の「ゴールド(家族になろうよ。な福袋)」と、今回ご紹介する『ブラック(QOL向上委員会からのお知らせな福袋)」の2種類である。

実はこの福袋、どこで聞きつけたかヴィレヴァンが当編集部まで送ってくれたもの。とはいえ、我々に一切の忖度はない──。ゴミならゴミと率直に書かせていただく所存だ。それでは参る!

・ヴィレヴァン福袋 ブラック(5500円)の中身

・ プレスサンドメーカー
・ あんこバタートーストのクッション
・ やきそばパンのスリッパ
・ ランドリーハンガー
・ フェイスタオル
・ スポンジ(寅)

(福袋なので中身が違う場合があります)

・嬉しいゴミ

昨年は世間様に気を遣ったのか、やや勢いが感じられなかったヴィレヴァン福袋だが、今年は牙を取り戻したと言っていいだろう。まず目につくのはやはり「あんこバタートーストのクッション」と「やきそばパンスリッパ」の、炭水化物ペアである。

クッションそのものの手触りは非常によく、ムチムチとした弾力も好印象。だが、普通に気持ち悪わりぃ! 本物のあんこバタートーストは大好きだが、クッションだとここまで気色悪いのは何故なのか? デザインだけでゴミである。

また、足元を主張しまくる「やきそばパンのスリッパ」も普通にいらねえ! もしかしたらドン小西くらいのオシャレさんなら華麗に履きこなせるのかもしれないが、一般ピーポーでそこまでのセンスを持ち合わせている人はそう多くないハズだ。

一方で「プレスサンドメーカー」「ランドリーハンガー」「フェイスタオル」など、シレッと当たりを織り交ぜているのが、昨年からのヴィレヴァンスタイル。ぶっちゃけワクワク感は薄まるが「とりあえず損はしていない」と思える内容と言えるだろう。

・ゴミと当たりの融合

要するに今年のヴィレヴァン福袋は「ゴミのワクワク感」と「実際に使えるもの」のバランスを考慮した “ハイブリッドゴミ福袋” を目指しているものと推測される。個人的にはオールゴミでも大歓迎だが、ヴィレヴァンなりに時代に合わせる姿勢は素直に評価したい。

なお、福袋の名前にもなっている「QOL」とは “クオリティ・オブ・ライフ” のこと。炭水化物のクッションとスリッパでどのように生活の質が上がるかは謎だが、少しだけ心は豊かになる……かもしれない。

参考リンク:ヴィレヴァン福袋2022
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.