千葉県銚子市といえば、1年中さまざまな魚が獲れる「日本一の水揚げ拠点」として知られている。しかし……江戸時代のはじめに “長九郎” という名の漁師が、そんな銚子の海にほれ込み「子孫繁栄」や「大漁」を願ってお稲荷様を建てたのはあまり知られていない。

さらに地元で「ちょぼくり稲荷」と呼ばれ親しまれているこの場所は、離島や山頂を除いて日本で最も早く「初日の出」が拝める穴場スポットだという。めちゃくちゃ縁起の良さそうなスポットじゃねえか……てことで、実際に行ってみたらヤバ過ぎたので報告しておきたい。

・長九郎稲荷神社

銚子電鉄の終着駅「外川駅」から歩いて約10分の場所にある長九郎稲荷神社は、太平洋を見渡せる小高い丘の上に建っているという。しかし、ナビの案内に従って住宅街をぬけていくと……何やら怪しい森の入口に着いた。入口手前には鳥居がある。


ええっと、私以外に参拝者はいないのだろうか。おそるおそる鳥居をくぐって木々のトンネルをぬけると……


衝撃の光景が目に飛び込んできた。

…………


マジかよおい。


誰もいない境内には、ただならぬ空気が漂っていた。待ち構えていたのは、タイの鳥居である。「めでたい(タイ)」ということなのか……「曇り空」と「鯛」の組み合わせがあまりにも独特な世界観を演出している。怖ぇぇ。


そして正面へと回ると、サンマとイワシもいた。


全長は約6メートル。なんでも東日本大震災で崩れた神社を修復すると同時に、町おこしになればと「サンマとイワシの鳥居」を建設したらしい。んで、SNS等で話題になったから巨大なタイも追加したそうだ。いや攻め過ぎだろ。


そして足元にはアナゴ。ってか、潮風をもろに受けて全体的に激しく傷んでいる


主役のタイもロープで縛り付けてギリギリ耐えていた。おそらく大型の台風が直撃したらタイは大空に飛び立つだろう。海に帰るかもしれない。


そんな心配をよそに、社殿には「心の大当たり」なる文字とバスケのゴール。意味不明すぎてビビるんですけど……日本一早く初日の出が拝める穴場スポットは、完全に「珍スポット」と化していた。


また海に向かって鳥居が立っていたが、こちら公式サイトには「金の鳥居」と紹介されている。同じく潮風によって塗装がはげてしまったのだろう。さすが銚子、潮風強し……!


境内の片隅には「心の貧乏出ていけ」「もういやだ」と書かれた箱。先ほどの「心の大当たり」と何か関係があるのかもしれない……が、答えは分からない。

──というわけで、銚子に行く機会があれば大迫力の「ちょぼくり稲荷」にも足を運んでみてほしい。五穀豊穣・大漁満足・商売繁盛・家内安全・学業成就などなど……めちゃめちゃたくさんのご利益が得られるそうなので絶対に覚えておいてくれよな!


・今回ご紹介したスポットの詳細データ

名称 長九郎稲荷神社
住所 千葉県銚子市長崎町10744付近

執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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