生きていると、切りたくても切れない「しがらみ」がいろいろと生まれるものだ。それはときに人間関係だったり、長電話だったり、字牌だったりするかもしれない。

一方で、思いきって切った方が事態が好転するケースも多々ある。ここにまたひとつ珍妙なカプセルトイが誕生した。


・「切りたい麻雀牌」(300円)

こちら、見てのとおり麻雀牌のカプセルトイ。実物より一回りくらい小さく、だいぶ軽いけれど、字体などはよく雰囲気が出ている。

さっそく封を切る。


カバンなどに提げられるようボールチェーンがついているが、外せばより本物の麻雀牌に近くなる。


めくってみると……


なるほど「火蓋」! 勝負の世界みたいでかっこいい。まぁ、筆者の人生では1度も切ったことはないが。


続いて「前髪」! ああ、切りたいねー! 切ったと思ってもすぐ伸びるよね。そして気になり始めると、1日中気になるよね。


もうおわかりだろう。麻雀でいらない牌を捨てる動作「切る」にかけた絶妙なジョークグッズである。その名も「切りたい麻雀牌」!


さらにめくってみよう。


なるほど、自腹を……


これは切りたくないネ!


アイテムはなんと全14種類! カプセルトイでは破格の多さだといえるだろう。「元カレ」「腐れ縁」「営業電話」など、切りたくてもなかなか切れないものが勢揃い。実際の麻雀でも切るべきか切らざるべきか、散々迷う場面があるだろうから現実と一緒だな。

一方で「爪を切る」「風を切る」などは、どんどん切っても害はなかろう。「一限を切る」は学生さんが朝イチの授業をあきらめることだろうか? いいのか、一瞬の快楽が一生の後悔だぞ?

ところで、これはなんだろう? 筆者は読み方すらわからないのだが……


おぉ、中国の武将・馬謖(ばしょく)だそう! 「泣いて馬謖を斬る」とは、規律を保つため、近しい間柄であっても違反者をきちんと処罰することのたとえ。こういう漢字なのか!

発売は「事務的なはんこ」などユニークなカプセルトイばかり製作している個性派「TAMA-KYU」から。すでに全国で販売中だ。

ただし、14種もあるので、欲しいものをピンポイントで引き当てるのは至難の業である。1発で引き当てたとしてもコンプには全4200円! まさに「身銭を切る」である!!

しかし、あれが切りたい、これが切りたいといっているうちが華なのかもしれない。くれぐれも自分がその対象にならないように気をつけよう。世間でもっとも切りたいものは「使えないライター」かもしれないからな……。


参考リンク:TAMA-KYU
執筆:冨樫さや
Photo:RocketNews24.