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ドラフトと言えば、一般的に野球などのスポーツで、新人選手の入団交渉権を決める会議のことだ。だが、ドラフトで指名したいほど有能な人材は、何もスポーツの分野だけにいるワケではない。例えばギャンブルの世界にだって、もちろん凄い人はいる。

そこで今回は、阿佐田哲也さんの名著『麻雀放浪記』の登場人物の中で、企業からドラフト1位指名されるほど仕事が出来そうなキャラクターを、私の独断と偏見で選びたいと思う。なぜ、『麻雀放浪記』なのかって? ただの小説じゃないかって? 

理由は、私が大好きだからだ。そんな細かいことより、ランキングは以下の通り!

【ドラフトがあったら1位指名したい「仕事が出来そうな」賭博師ベスト5(麻雀放浪記篇)】
5位:おりん

「イカサマをしまくってでも、騙しやすい “おいしい客” と付き合いたい」と考えているブラックな会社の経営者には、ピッタリの人材。

おまけに、イカサマがバレバレな状況になっても、証拠だけは絶対に出さない強情さもある。隠蔽すべき資料がたくさんある会社でおりんが働けば、「警察のガサ入れ時にも役立つ」と、経営陣の評価を得そうだ。

4位:ドサ健

どれだけ負けても絶対に諦めない粘り強さは、仕事で大成する重要な要素。ドサ健はそれを十分すぎる程に持っていると言えるだろう。しかも、素人だけを狙って騙す狡猾な手法によって、莫大な営業利益を会社にもたらす可能性も。単純に数字だけを求めるならば、ドサ健は比較的安牌だ。

ただし、コンプライアンス的に大問題が起きるのは避けられない上に、仕事に入れ込みすぎると自分の家族をも売り飛ばす恐れがある。また、死人から身ぐるみ剥いで、死体をドブに捨てるほど血も涙もないので、「ドサ健だけは絶対に上司にしたくない」との評判は避けられないか?

3位:女衒の達(ぜげんのたつ)

もし女衒の達のような人が会社に入れば、女性社員から「トークが上手くて面白い!」と人気者になるか、最低人間扱いされて徹底的に嫌われるか、2つに1つだろう。どちらにせよ、周囲の評判を全く気にしない飄々とした空気感で、全体のムードメーカーになりそうだ。

それだけではなく、女衒の達には「大四喜十枚爆弾」を考案するような企画力があるほか、青天井ルールで打ち合う度胸もある。ただのムードメーカーでは終わらないはず。

だが、女衒の達を自由にしすぎると、会社の女性社員が次々と失踪する恐れもあるので、上司は常に目を光らせている必要がある。管理職からすれば、マネージメントが難しい人間であることは間違いない。

2位:出目徳

実戦経験豊富で、「ニのニの天和」や「大四喜爆弾」を考え出すアイディアマン。また、坊や哲の才能を見い出したことからも分かるように、人を見抜く目があり、人材育成能力が高い。仕事が出来て、人を育てるのがウマけりゃ、どんな企業だって欲しがるに違いない。

ただ惜しいのは、ヒロポン中毒であることか。「さすがにクスリはヤバい」と考える人事担当者は少なくないだろう。加えて、大仕事を成し遂げた瞬間に、死んでしまいそうなのもマイナスポイント。

1位:ドテ子

もし会社で「今度新しく入って来た女性社員は、堤防の土手で男とよく寝ていたから、ドテ子っていうあだ名らしい」という噂が広まれば、それだけで男性社員の仕事に対するモチベーションは、上がりまくること間違いなし! 

その上、ドテ子は勘がいいため仕事を覚えるのも早そうだ。彼女のような社員が1人いれば、全体の業務は円滑に回るに違いない。賭博師と言えるかどうかが微妙なところだが、1位はドテ子しかいない!

参考リンク:Amazon
執筆:和才雄一郎
イラスト:RocketNews24.