9月14日(火)より伝説レイドにユクシー、エムリット、アグノムが登場している。エムリットはヨーロッパ地域、アグノムはアメリカ地域、日本に出現するのはユクシーのみだ。今回から色違いが実装されたとあって、海外フレンド探しに奔走したトレーナーも多いだろう。

さて旅ポケ神のいたずらか、私は現在たまたまヨーロッパに滞在している。日本にいる多くのフレンドから「エムリットのレイドに招待してほしい」と頼まれた私は、この1週間でのべ2000回以上(フレンド50人×各平均50回)ものレイド招待を繰り返した。

その結果……「招待したいフレンド」「したくないフレンド」の差がクッキリと浮き彫りになっていったのであった。イベントは残り5日間。焦り始めたトレーナーもいるだろうが、本記事を読んで自分を見つめ直してほしい。招待する側の気持ち、想像したことありますか……?

・①東京の基準で考えてはいけない

先にお断りしておくが、私はフレンドたちに対して「招待してやっている」などとは決して思っていない。幸運は共有することがポケGOイズムであるし、私自身もなかなか楽しんでやっている。

……とはいえ、多くのフレンドをレイドに招待するのはかなりの労力と時間を要することも事実。招待する側がエライわけではないが、招待される側もある程度の敬意を払って然るべきだと思う。


まず日本人トレーナーが誤解しがちなポイントとして、 “海外のレイドは基本的に人が集まらない” という点が挙げられる。少し待てば野良トレーナーがわんさと集まる東京とはワケが違うので、ユクシーに招待するノリと同等に考えてはいけない。

ってことは、これすなわち「招待トレーナーだけでレイドに勝利する必要がある」ということになる。1人が招待できる上限は5人。アグノム or エムリット討伐には強者揃いなら3人、そうでなければ4〜5人のトレーナーが必要だ。つまり……

招待された5人のうち、少なくとも3人が確実に参加しなければレイドが成立しないのである。よって招待する側は各フレンドと連絡を取るなどし、確実に参加できるメンツを必死になって集めているのだ。水面下で。

皆さんの中に、軽い気持ちで「招待だけしてくれればいいから、バトル待機画面はすぐ抜けていいから」などと海外フレンドに依頼している人はいないだろうか? それは直訳すると「確実に参加できるあなたのフレンドを何人か集めたうえで、そこに自分を加えてくれ」という意味になるのだが……。


・②オンライン放置マジよくない

まぁ、必死にフレンドをかき集める労力は全然構わない。ホスト役を務める以上、それは必要不可欠なことだから。

ただ「いつでも招待して!」と言いながら “オンライン放置状態” のフレンドには今回、非常に参ってしまった。チャンスを逃したくない気持ちは分かるが、こちとら貴重な招待枠を使っているのだ。参加率が5割を下回るトレーナーは、自然と敬遠するようになってしまう。

逆にオンライン状態が少なくても、招待すればほぼ確実に参加してくれるフレンドさんは非常にありがたい。したがって招待枠が余った場合、必然的にそういったトレーナーばかりを招待するようになるのだ。もちろん接続状況を “オフライン” にしているトレーナーは論外だぞ。


・③最低限の準備を怠ってはいけない

以上のことから、招待する側と密に連絡が取れる関係ならばいざ知らず、そうでないなら「スマホから目を離す時はこまめにオンライン状態を解除」が招待を待つ側のマナーと言えるのではないだろうか。オンラインにしたまま寝たらダメ、絶対。

また参加したはいいが、「なぜそれを?」というポケモンを繰り出してくるフレンドにも弱った。フル強化でとは言わない。だがせめて何タイプのポケモンを使えば有利かくらいは、調べればすぐに分かるだろう。先に述べたようにギリギリの戦力で戦っているのだ。ただでさえ世話になっている招待主の、そのフレンドの火力にまでお世話になろうというのか。

私は何も「レベルが低い」「戦術に疎い」など、どうにもならないことに文句を言っているワケではない。ただ招待主に対して “テキトーにやってませんよ” という姿勢くらいは、見せるのがマナーじゃないかと思うのだ。メガ進化しておいてくれるフレンド、マジで神。


・④しつこくねだられるとドッと疲れる

さて……ここまで招待する側の苦悩を、言葉を選んでお伝えしたつもりだが、偉そうな物言いに聞こえていたら申し訳ない。また、これを読む私のフレンドさんに「自分が何か失礼なことをしたのでは」と思わせることも大変心苦しく思う。

今回の私の体感として、9割以上のフレンドたちは皆、礼儀をわきまえた立派なトレーナーたちであった。しかし残りの1割弱に関しては……正直、フレンド解除を真剣に考えている。本人たちに悪気はないのだろうが、彼らの言動にはそれほど心を削られるものがあった。

「海外フレンドからの招待がなかなか来ない!」と思っている方、ひょっとして知らず知らずのうちに、招待主を困らせる立ち回りをしているのかもしれないよ? 招待する側として「こういう人が招待しやすい」というポイントを下記にまとめたので参考にしてみてくれ。


・「私は◯時〜◯時なら参加できます」とあらかじめ伝えておく
・その時間帯はスマホから目をそらさない

・万全の備えをしておく
・しつこく「招待して」と言いすぎない
・しくこくお礼を言いすぎない(返事をするのも大変)
・でも感謝の気持ちは忘れずに


・海外フレンドさんにも聞いてみた

私1人の意見では心もとないため、アメリカ在住のフレンドMさんにも話を聞いてみた。Mさんは日本人であり、多くの日本人プレイヤーをアグノムのレイドに招待している。私も大変お世話になりました……ときにMさん、今回のイベントで困ったフレンドはいましたか?


Mさん「特に居なかった…というか、私は普段アメリカ人フレンドの自己中さ・ずうずうしさに慣れてしまっているので、逆に日本人フレンドの細やかなお気遣いや寛容さに感動しましたね」

──えっ!? アメリカ人ってそんなにヤベェんですか?

Mさん「ええ……(遠い目)例えばコレ、私のアメリカ人のフレンドなんですが、彼の相棒欄(コメント)を見てくださいな」

Mさん「 “Invite To Uxie(ユクシーに招待しろ)” って……我々からすると信じられないですよね。普通は “Please(お願いします)” を付けるじゃないですか? こういったずうずうしい態度に、私は耐性が付きすぎてしまって(笑)」

──これはオンラインだけの関係なら引きますね。

Mさん「アメリカ人でよくあるのが、『これの色違いちょうだい』とか言っておきながら、差し出すポケモンはギリギリ同じライン or それ以下の価値しかないポケモンを提示してくることです。日本人的な感覚だと、自分から欲しいと言う場合は、それ以上の価値のあるポケモンを提示するべきじゃないか、と思うのですが……。けっこう多いので驚きますね」

──なんだかその話を聞いて、自分の懐の狭さを感じました……。

Mさん「アラヤダ。アメリカ人の話はこれくらいにして……。私は今回のイベントは、事前にオンライン時間帯が確認できたフレンドさんのみご招待しているので、特に『うわぁ』という方は今のところいませんね」

──逆にどういう人が招待しやすかったですか?

Mさん「こちらもそれなりに時間と労力を割いているので、それ相応の敬意を払って頂けたら嬉しいです。連絡がつく方なら『何時から何回くらいやりたい』とか、つかなければコメント欄で何とか意思疎通を図るなどして、こちらの負担を少なくしてくれる方は神!

幸いにも私の日本人フレンドさんは皆さんとても丁寧で良い方ばかりで、私も楽しいひと時を過ごしています。期間終了日の最終レイドまで、ご希望がある限り全力でご招待したいと思っている所存です」

──なるほど、ありがとうございました。


……と、いうように招待する側にも様々なタイプが存在しているようだ。ただひとつ言えるのは、招待する側・される側、どちらにも相手を思いやる心が必要ということ。煩悩を捨て、清い心で待つのだ。さすれば招待は来ようぞ……たぶん。

本イベント終了時刻は10月1日(金)10時。海外レイドなら日本時間の翌2日までだ。「海外フレンドさんの気持ち、分かってなかったかも……」というトレーナー諸君、今からでも遅くはないぞ。心を込めて、やれることを全力でやるべし! 最後は祈るべし!

執筆:亀沢郁奈
ScreenShot:ポケモンGO (iOS)