その詐欺SMSは何かが違った。文面や手口はありきたりと言えばありきたりなのだが、よくよく見ると1番大事なところがズレている。詐欺グループは、絶対に間違えてはいけないところで致命的なミスを犯しているのだ。
だからこそ、私は震えた。ボケたSMSのせいで、ある光景を連想してしまったから。おそらく、私と同様の想像してしまった人は、似たような気持ちになるはずだ。
まず最初に、詐欺SMSの内容から紹介していこう。文面はいたってシンプルで、
「プライム会員の支払い方法に問題があります。詳細はこちら:http://〜〜」
これはよくあるタイプの詐欺SMS。以前に当サイトの記事でも紹介しているから、詳細はそちらをチェックして欲しい。簡単に説明しておくと、リンクを踏んだらAmazonにそっくりのサイトが出現。
そこに自分のメールアドレスやパスワードを打ち込むと、アカウントを乗っ取られてしまうという流れ。だから絶対に入力してはいけない。というか、URLをクリックすること自体が危険。このようなSMSが届いたときにやるべきことは無視、あるいは削除である。
ちなみに、Amazon(本物)が「Amazon.co.jpからの電話かどうかを見分ける」とのページにて、「フィッシングまたはなりすましメールの種類」を紹介しており、「未納料金の請求」はトップに記載されている。
詳細はそちらをチェックしてもらうとして、ざっくりと言えば「Amazonが支払いや登録情報のことをSMSで連絡してきたら疑え!」ってことだから、みなさんお気をつけていただきたい。
とはいえ、だ。
どれだけ気をつけていても、いざ自分に詐欺SMSが来たら焦ってしまう人だって多いに違いない。そのときの “焦り” を最小にするためには、詐欺SMSについて事前に知っておくことが大事。
できれば、「軽く知っている」程度ではなく、心に刻みつけておくことが重要だと思われるが、その点で私が受け取ったSMSは役に立つような気がする。なぜなら、詐欺グループがやらかしているからだ。忘れたくても忘れられないミスを。
・よく見ると……!!
ここで、今回の詐欺SMSをもう1度振り返ってみよう。リンクを踏んだ先のサイトを見ると、ニセAmazon自体は実によく出来ている。見た目は本物そっくりだから、騙される人も多そうである。
そして何より怖いのが、飛ぶ際にiPhoneの警告画面が出ないこと。通常、ヤバいサイトにアクセスしようとすると真っ赤な警告画面が出てくるが、この詐欺SMSでは表示されなかった。つまり、ガードをすり抜けてくるのだ。
これらの点では、巧妙な詐欺と言っていいだろう……が! 何度も言うように、信じられないようなミスもしている。まず1つがURL。よくよく見ると、
amaoun?
……
……
アマオウン?
……
……
あまおう〜ん?
……
……
あるいは……
……
……
甘王〜ん?
まるで、福岡の高級イチゴか、ホストの源氏名みたいになっているのだ。しかもしかも、それだけではない。もう1つの方が、個人的にはインパクトが大きかったと言える。何かというと……
うん!?
……
……
!!!!
……
……
アマ……ソン?
……
……
アマゾンじゃなくて、アマ「ソン」
……
……
ソン?
……
……
孫?
……
……
……
……
……
……
孫!?
……
……
しかも……
……
……
アマソン?
……
……
アマ……孫?
……
……
……
……
海女孫?
……
……
……
……
……
……
……
……
[完]
参考リンク:Amazon「amazon.co.jpからの電話かどうかを見分ける」
執筆:和才雄一郎
イラスト:稲葉翔子
ScreenShot:メッセージ (iOS)