梅雨。それは湿気との戦い。6、7月の湿度の平均は75%とも言われている。そんなジメジメとしたこの季節に大活躍してくれるのが除湿機。室内の空気を吸い込み、冷やしたり乾燥剤に吸着させることで、空気中の水分を除去してくれる強い味方である。

そんな除湿機が生み出すものは快適な空気だけではない。そう、「水」である。その量は半端ではない。これを何かに有効活用できないだろうか。そこで筆者は除湿機の捨てられるだけの水を有効活用してみることにした!

事のはじまりは中銀カプセルタワービルという特殊な建築物に住み始めたことから。

当初は気にならなかったが、6月に入ると「しっとり」という言葉が部屋に浮かびあがるのではないかというくらいの湿気具合。オーナーが除湿機を貸してくれたのだが、これが溜まる溜まる。水があっという間に溜まるのだ。

しかもその水は澄んでいる。この建物の水道からはうっすら黄色い水が出てくるのだが、除湿機の水は透明度が違う。「この水を捨てるのはもったいない……」。いつしか私の心にそんな思いが芽生えた。そして、


「この水で風呂に入りたい……!」


そんな淡い思いをGO羽鳥編集長に伝えたところ、その名の通り「GO!」とのお達しが!! 除湿機水風呂作戦、開始である!


・除湿機7台分の水

世紀の除湿機水風呂作戦を決行するため、まずカプセル住民の協力を得て除湿機7台分の水を溜めることになった。

その他に用意したものは、折りたたみ浴槽、ロート、タンク。そして1番重要であろう、プール塩素消毒剤。

調べたところ、やはり除湿機の水は清潔ではないらしく、植物への水やりや洗濯物にも使わないほうがいいらしい。ということは無論、お風呂なんてもってのほかであろう。だが、塩素の力を借りてでも私は挑む。


・予想の4倍かかった

当初は3日間分の水を溜めて行うはずが、思いの外に溜まらず断念。次にスケジュールとの兼ね合いから、13日分、約2週間分の水を溜めることになった。最終的に集まった水は約140リットル! 通常の家風呂が約200リットルらしいので、そこそこの量が溜まったといえよう。

そしていよいよ……

除湿機水風呂大作戦を決行する時が来た!!


まずは設置した浴槽に ただただ水を注ぐ。


けっこうな量なので途中から住民にも協力してもらった。


ある程度まで溜まったところで、いざ足を入れてみると……


つ、冷たい……。

けれど、いける。いけるぞ! 特にヌメっとした感もなく普通の水である。ただ私が塩素を入れすぎてしまったので、多少のプール臭がするが、それ以外何の問題もない。


まだイケるな、ということで追い水。


すべての水を注ぎこんだところで、一気に入浴!


やっぱり、冷たい…!


最初は冷たさゆえに顔がこわばってしまう。


しかし、だんだんと慣れていき、


気持ちよくなってきた!!


余裕も出てきて、ポーズをかましたりできるほどに!


バスタオルを巻くと一気にお風呂気分!


ふむ、なかなか極楽である。


ふ〜! 堪能〜!!


ということで昼の入浴は終了。夜の入浴に備えることに。


日が暮れるのを待って……


ふたたび入浴タイム!

最初はまた「冷たいな」と思いながらも、そのうち慣れてきて、楽しみだった夜景を眺める。高速道路や汐留のビル群を見ながらの入浴もなかなかオツなものである。


お風呂のおともはドリンクでしょ!


冷えたビールを飲みたがったが、若干体調を崩していたのでラムネで一杯。


円窓をバックにパチリ。


いや〜お風呂っていいもんですね!


ホーム用のプラネタリウムで、満天の星空を楽しみ、


これにて水風呂タイム終了!


記念に外からもパチリ


結果、除湿機水風呂はアリ!

ただ、7台分2週間の水が必要だったので、1家族では なかなか溜めることは難しいかもしれない。

そして私が塩素をたっぷり入れてしまったので、協力してくれた住民の中にちょっと塩素酔いしてしまう人もいた。

また水風呂に合わせて部屋に冷房を入れなかったので、私以外はサウナ状態だったらしい。申し訳ない。


気になる体調であるが、水風呂に入ってから4日経つが何の問題もない。実はこの直前にウイルス性の炎症で体調を崩し寝込んでいたのだが、再発することもなく至って健康に過ごしている。

しかし水質に全く問題はないとは言い切れないのでオススメはしない。筆者としては、ひと梅雨の良い思い出となった。


執筆:千絵ノムラ
Photo:RocketNews24.


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▼新調した除湿機は、1日に6.3リットルを除湿してくれる強い味方

▼あっという間に溜まる水。本当に透き通っていて綺麗なのだ

▼溜めるために必須だった20リットルのウォータータンク5個セット

▼家庭用プール塩素消毒剤。5トンに対して1袋(10グラム)を入れる。単位がすごすぎて、よく分からず入れすぎてしまった

▼住民の協力を得て浴槽を設置!

▼けっこうな量が溜まりました。圧巻!

▼記録写真も忘れずにね!

▼はーい! 水入れていきますねー!

▼20リットルのタンクはそれなりに重いのでアシスト必須!

▼まるでダムの放流タイム

▼更に追い水〜

▼満面の笑みでいざ入浴!

▼冷たさに最初はこわばってしまった。小学校のプールを思い出す

▼余裕が出てきて振り返り美人ポーズをかます

▼ちょっとグラビア撮影気分(笑)

▼薄い規制の中、昼の入浴を終える

▼さーて夜の入浴タイムはじまりはじまり

▼夜は夜とて冷たいけれど、それも粋

▼夜はライトアップが映えますね〜

▼満点の星空の下での入浴。うーん、ロマンチック

▼何故かクランクアップ的な。お花をいただきました!

▼入浴が終わり、しばし呆然とする

▼またまた後片付けもご協力の元、少しずつ水を捨てていき……

▼残り少なくなったところで一気に排水溝へ!

▼360度カメラにて、その1

▼360度カメラにて、その2

▼360度カメラにて、その3

▼皆さまご協力ありがとうございました〜!!

▼除湿機の溜まりをよくするために、着ぐるみを干してくれたコスプレ声さん。ありがとうございました! 黒川紀章も見守ります

▼最後にガッツポーズ!

▼おまけに外からはこんなかんじに。プチ盗撮気分

▼丸窓に映えますね〜

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