ビニールを開けてみたところ……
え。
アップルウォッチじゃなくね?
とにかくフタを……
え!?
横なの? 横向きにクルリンと? まるでカブトムシの幼虫みたいに? それでいて……
たしかにアップルウォッチ風というか、アップルウォッチそのまんまのデザインだが……
説明書は中国語&英語オンリーで、専用アプリを入れよと。
んで、説明書の言う通りApp Storeに行ってみたら……
酔った勢いで買ってしまったユーザーが書いた「詐欺商品の可能性がある」とのコメントに対し、冷静沈着に話をはぐらかす鬼のようなデベロッパ……と、ぼったくりバーの隠し撮りみたいな光景を垣間見ることができる。
それゆえ、できることなら そんなアプリをスマホ内に入れたくないのだが、検証のためインストールしてみると……
「Bluetoothを使っても良いですか?」などと流暢な英語で聞いてきて、私の心もアメリカン(アップル的)な気持ちに! しかし、位置情報の許可を求めるところで……
いきなり口調が変わってビックリしたアル。
ともあれ、意を決して使ってみる。横ボタンを長押しで起動するらしいのだが……
アイヤーッ!
なんだよこのクソすぎるデザインの文字盤はよぉ! どういう考えでデフォルトのデザインが「赤バツ」なんだよ!! 正気か!? なお、本物と並べてみると……
やっぱダメだろ〜! その文字盤、絶対ダメだろ〜!!
でも裏側は、なかなか本格的で……
ホーム画面も、ギクシャクしてるけど それっぽく……
アプリを使えば、数歩計とか、カロリーとか、
カメラの遠隔操作とか、アップルウォッチっぽいことはギリギリできる。でも、どんなに設定しても、バッテリーの節約のためなのか、
時間を見ようとしても画面が真っ暗なのは本当にクソ。横ボタンを押さないと時間が見られない(画面が表示されない)設定になっているのだ。
ところが!
特に何の設定もしていないのに、なぜか時計から「ビィーッ! ビィーッ!!」と下品なビープ音が鳴り響きまくったかと思えば……
仕事で使うチャットシステム(chatwork)のお知らせ的な文字が……。
さらに!
またも「ビィーッ! ビィーッ!!」と下品なビープ音が鳴り響きまくったかと思えば……
仕事で使うタスク管理システム(backlog)のお知らせ的な文字が……! 特に何も設定していないのに。特に何も設定していないのに!!
これを人間に例えるなら、本来は時間を管理するのが役目の新人クンが、教えてもいないし、頼んでもいないのに、社内の機密情報を断り無しに閲覧しまくり報告してくれる……みたいな感じだろうか。なんなんだよ、怖すぎる!
結局、セキュリティ的に不安すぎるのでアプリは消した。これは間違いなくアップルウォッチではない。でも誰かに何かをウォッチ(見る)されている気がしてならない。なので、これは使っちゃダメな気がする。間違えて使わないよう、文字盤に書いておきたい。赤い塗料で「×」って。
<終>
執筆:迷惑メール評論家・GO羽鳥
Photo:RocketNews24.
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