2020年後半、ハンバーガー業界に激震が走った。焼肉チェーンを展開する「ダイニングイノベーション」が持ち帰り専門の『ブルースターバーガー』をオープンした。その翌月に築地銀だこを運営する「ホットランド」もバーガー業界に参戦。東銀座に『ジューザバーガー』を誕生させた。これは2021年のバーガー業界は、戦いが激化するかも!?

……と、予想したのだが、この2つのブランドの店舗展開は加速しないまま、今年も半分終わろうとしている。いつ新店舗ができるんだ? と諦めかけていたところ、ようやくジューザバーガーが2号店を原宿にオープンした。ここでしか食べられない限定メニューがあるそうなので、実際に食べてみたぞ!

・銀だこだった場所に

ブルースターとジューザの店舗展開は慎重に行われているのかもしれない。ただでさえ飲食業界はコロナ禍で厳しい状況にあるので、バンバン店を出す訳にはいかないのも容易に想像がつく。そんななかジューザは、2021年4月29日に原宿駅前に2号店をオープンしたのである。


お店に行ってみると……あれ? ここは以前、銀だこだった場所じゃないのか? そこそこ人気のあるお店だったと思うんだけどな。その店を改装してまで開店するのだから、ジューザバーガーはホットランドにとって重要なブランドと位置づけられているらしい。


・ジャンクのイメージゼロ

メニュー構成は東銀座の1号店とほぼ同じだ。ここの商品は「ジャンクなファストフード」のイメージがまったくない。オシャレでヘルシーな印象が強く、女性客を取り込む狙いがあるようだ。

原宿店では、さらに若者も取り込むつもりらしい。というのも、ここには店舗限定「ストロベリーミルクシェイク」(単品税別540)がある。メニューに載っている写真を見ると、とてもインスタ映えしそうだ。暑くなれば人気商品になるのかも。


今回は店舗限定の「スウィートチェリーバーガー」(単品税別680円)に、ドリンクとサイドメニューの付いた「Aセット」(税別440円)を注文した。ドリンクは+税別120円でシェイクに変更可能だったので、ストロベリーミルクシェイクをお願いした。


・あえて言うなら「おとなしいバーガー」

店舗の2階がイートインになっているので、商品を受け取ってそちらへ移動。原宿の街を見下ろしながら、ハンバーガーを食えるなんて良いね。


まずは原宿限定のストロベリーミルクシェイク。カップの底には果肉入りのストロベリーソースが沈殿している。その上にはたっぷりのミルクシェイク、さらにトップにはクリームがてんこ盛りだ。


見るからに甘そうなんだけど、実はそれほど甘くない。バニラとミルクのコクが強く、ストロベリーの甘酸っぱさが口に広がる。ハンバーガーと合わせても、味の邪魔にならない大人向けのシェイクだ。


ハンバーガーは盛り付けが丁寧で、見た目に品がある。雰囲気的にはサンドイッチに近いかも。サイズ感はモスバーガーの商品に似ている。バーガーキングのワッパーよりもひとまわり小さいサイズかな。


パティの上にはクリームチーズと自家製のチェリーコンポートが乗っている。チーズの白とチェリーの黒、この2色の対比が美しい。


食べてみると、非常に繊細な味だ。他のバーガーチェーンとは一線を画し、味のインパクトは柔らかい。それでいて肉感はちゃんとある。押しつけがましくない味で、全体的に優しさを感じる。「おとなしいハンバーガー」といっても良いかも。


・これからに期待

しかし「惜しいな……」と思うのは、銀だこ運営会社の強みがどこにも生かされていないことだ。その気になれば「たこ焼きバーガー」なんてメニューを提供しても良いはず。それをやらないのは、ジューザバーガーをブランドとしてしっかりと自立させる意図があるのかも知れない。

いずれにしても、まだ2号店目だ。これが5店舗、10店舗と増えていけば、新しいモノが生まれるのかも。ブランドのこれからに期待しよう。


・今回訪問した店舗の情報

店名 ジューザバーガー(Ju the burger)原宿店
住所 東京都渋谷区神宮前1-14-24
時間 11:00~22:00(20~22時はテイクアウトのみ)

参考リンク:PRTIMES
執筆:佐藤英典
Photo:Rocketnews24