2021年3月、インターネット上であるアイテムが話題となった。その名は『残ったスープ固めるパウダー』──。日清食品と小林製薬が共同開発した、カップヌードルの残ったスープを固めるパウダーである。
正直に申し上げると「そこまでする必要ある?」という思いもあったが、実際にパウダーを使ってみて考えが変わった。これはイイかもしれない。スープが固まる様子と合わせて、固めるパウダーを利用するメリットについてお知らせしよう。
・正直、気にしていなかった
あなたのご家庭ではラーメンの残り汁をどのように処理されているだろうか? 私、P.K.サンジュン宅では普通にシンクに流している。当然、揚げ油は固めるテンプルで固めるし、フライパンについた油もキッチンペーパーでふき取るようにしているが、ラーメンの残り汁はシンクに直行だ。
世の中には「トイレに流す派」の方もいらっしゃるようだが、東京都下水水道局によると「どちらに流しても同じ。極力流さないで欲しい」とのこと。いずれの捨て方でも、スープに含まれる油分が環境に優しくないことは変わらないらしい。
・ネタ商品かと思いきや
ぶっちゃけ「スープに含まれる油分にまで配慮する」という意識の高さがなかった私は『カップヌードル残ったスープ固めるパウダー』の話題を耳にしても「どうせ日清のネタ商品だろ?」くらいにしか捉えていなかった。だが実際にはラーメンの残り汁にモヤモヤを抱えている人も少なくないようだ。
その1人が当サイトの亀沢である。私が事務所に送られてきた『残ったスープ固めるパウダー』を眺めながら「これ需要ある?」と口にしたところ、彼女は静かな口調でこう語りかけてきたのだ。
「道端にカップ麺の残りカスが捨てられている光景ほど、悲しいものってありますか? 私はこれまで “本当は推奨されていない行為” と知りつつトイレにこっそり流したり、仕方なく全部飲んだりしていました。本当にツラかった……。
でもこの商品が一般的になれば、外出先や職場でも堂々とカップ麺を食べることができるハズ。公園でカップ麺を食べた後、そっとポーチからパウダーを出せる女になりたい。真剣にレギュラー発売して欲しいです」
「いつ公園でカップラーメンを食うんだよ!」という言葉を飲み込み聞いていたが、なるほど、どうやら気にする人は一定数いるらしい。すまんかった、地球。今後はちょっと配慮するようにします。
・やってみた
で、『残ったスープ固めるパウダー』である。説明によると「残り汁に入れて、10秒程度かき混ぜて放置すればOK」らしいが、実際のところはどうなのか? というわけで、まずは、
カップヌードルを食べる。
スープだけ残せばスタンバイOK。特にスープの温度については触れられていないが、今回はそれなりにホカホカの状態のスープに固めるパウダーを投入した。
GO! 固めるパウダー!!
まぜまぜ
モコモコッ
早っ! もう固まった!!
この間、わずか7秒ほど。説明にあった10秒もかからずカップラーメンの汁気は消滅した。なにこれスゴイ……! 完全にイリュージョンではないか……!!
例えば、固めるテンプルで油を固める場合は「弱火で〇分」「ゆっくりとかき混ぜ」……などの手順があるうえ、固まるまでそれなりに時間がかかるが、固めるパウダーはあっという間に作業が終了する。こいつはスゴイもん見せてもらったぜ……!
・そのまま燃えるゴミへ
ちなみに固まったスープのにおいを確認したところ、ちょっと強い洗剤系のフローラル & ケミカルな香りがした。また、触り心地はオカラのような触感で、後はカップごとゴミ箱に捨てれば燃えるゴミとして処理される。
先述の通り、これまでラーメンの残り汁に無頓着だった私であるが「そのままゴミ箱に捨てられる解放感」及び「スープを捨てる手間の省略」は非常に心地よかった。イイ、とてもイイ、固めるパウダーが一般的になるならぜひ使っていきたい。
なお、『カップヌードル 残ったスープ固めるパウダー』は、日清食品のオンラインストアで対象商品を購入すると、1食ごとに1つプレゼントされる。詳細については、日清食品のキャンペーン特設ページをご確認いただきたい。
というわけで、当初はネタ系アイテムかと思いきや、かなり有能かつ大義があった固めるパウダー。反響が大きければ、いずれ商品化する……のかもしれない。
参考リンク:残ったスープ固めるパウダー特設ページ
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼動画はこちら。一瞬で固まるぞ。