大ヒットゲーム「星のカービィ」の第1作目がリリースされ、映画では不朽の名作「ボディガード」が公開された1992年。紅白歌合戦を最後にチェッカーズが解散したその年、日清食品からは『日清 ラ王』が発売開始されていた。あれから30年──。

年が明けて間もない2023年1月2日、なんと「500円のラ王」が発売されるという。ラ王が……500円だと? ほぼ店価格の『日清ラ王 濃厚トリュフ醤油』はどんなお味なのか? 一足先に食べてみたのでご報告したい。

・サラッと500円

ラ王が発売されたときのことを、中学生だった私(P.K.サンジュン)はよく覚えている。当時は「生めんタイプのカップ麺」が非常に珍しく、CMもバンバン流れていた。現在では生めんではなくなっているものの、結果的にブランド自体は生き残っているのだから大したものである。

それはさておき、発売30周年を記念した『日清ラ王 濃厚トリュフ醤油』は、税別価格で500円だというから驚くしかない。最近では「500円越えのセブンの冷凍つけ麺」もあったが、世の中は “プチ高級志向” が高まっているということなのだろうか?

発表によると日清も自信満々のご様子で「これでもか!」とばかりに高級食材を投入しているもよう。以下で日清のリリースから一部を抜粋してご覧いただきたい。


「杉樽で熟成させた湯浅醤油をベースに名古屋コーチンのエキスを加えた醤油スープは、香り高くてコク深い上品な味わいです。特製トリュフペーストと特製トリュフオイルで仕上げれば、黒トリュフの芳醇な香りと旨みが広がります」


出だしの「杉樽で熟成させた湯浅醤油」からよくわからないが、とにかく日清は「500円の価値があるラ王なのです!」と言いたいのだろう。いつもながら事務所に唐突に送られてきた『日清ラ王 濃厚トリュフ醤油』を食べてみることにした。

・そうでもないかと思いきや

作り方はシンプルに、熱湯を注いで5分経ったら「スープ」「オイル」「ペースト」を入れるタイプ。すごいのは「トリュフペースト」を入れた瞬間の超芳醇な香り! 普段は「トリュフってどんなニオイだっけ?」くらいの感覚しかない記者ですら「これこれ!」と瞬時にトリュフを思い出した。

ただし、最初の一口目は「ん? こんなもん?」といった感じ。麺をすする瞬間の香りと比較して、味自体はさほどインパクトはない。「なんか惜しいなぁ」なんて思っていたのだが……。


箸が止まらねえ!


なんならスープも飲み干してるやないか!!


そう、麺もウマい『日清ラ王 濃厚トリュフ醤油』であるが、本当にヤバいのはスープ! 小金持ちの家庭で育った関係で「ラーメンのスープは全部飲んじゃダメだよ」と教育されたにもかかわらず、このスープだけはきれいに飲み干してしまった。

・王の食べ物

言葉にするのは難しいのだが「丸い旨味のスープ」それとも「ふくよかなスープ」とでも言おうか? もしアラブの王族から「我が家のカップ麺はこれだよ」なんて言って出されたら、記者はまんまとダマされてしまうに違いない。それくらいエレガントなスープなのである。

結果的に「500円」という値段に目玉が飛び出しそうになった『日清ラ王 濃厚トリュフ醤油』は、スープも目玉が飛び出すほど美味しいカップ麺であった。500円の価値があるかは人それぞれだが「カップ麺ではあり得ないほど美味しいスープだった」とは申し上げていいハズだ。

参照元:日清食品公式サイト
執筆:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.