『夏目友人帳』の映画「石起こしと怪しき来訪者」が、2021年1月16日よりスタートしている。久しぶりの新作アニメだ。これは是が非でも観なければと、初日に映画館へと足を運んだ次第。

このようなご時世でもあるからか、館内にはおひとりさまの姿がそこそこ見受けられる。老若男女いるようなのだが、個人的に意外だったのが男性の姿も割と多かったこと。あらゆる層の人気を獲得するなんて、さすがだなあ。

・相変わらずの優しい世界

念のため『夏目友人帳』について、ザックリ説明しておこう。緑川ゆきさんによる漫画で、月刊少女漫画雑誌『LaLa』にて連載中だ。主人公は、妖怪が見えてしまう力を持つ夏目貴志。

その体質が原因で幼いころより周りの大人に疎まれてきたが、心優しい夫妻に引き取られ、今では穏やかに過ごしている。とは言え妖怪との関わりが途切れるわけではなく、むしろ増していく一方。

貴志の祖母が妖怪から奪った彼らの名前を、用心棒(というか、もはやペット)の斑、通称・ニャンコ先生とともに、妖怪に返す日々を送っている。

このニャンコ先生がなかなかのクセモノで、本来は妖怪の中でも上級クラスであるようだが、今や見る影なし。どこをどう切り取っても、酒好きのオッサンでしかなくて個人的にツボである。

さて。映画「石起こしと怪しき来訪者」は単行本に所収されている話で、アニメ化は初。妖怪たちと人との優しく、ちょっぴり物悲しい世界観はもちろん健在だ。この掴みどころのない雰囲気が、らしくて好きだ。

今回の話に至ってはもはや名を返していないし、ニャンコ先生が本来の姿(斑)に戻ることもしなかったが、その緩やかな感じがとても良い。映画館で見られて満足だ。

・男性人気もなるほど納得

そんなこんなで冒頭の話に戻るのだが、ぱっと見『夏目友人帳』は男性からの支持もそこそこアツそうであることに驚いた。記者の友人に2人ほど『夏目友人帳』好きな男性がいるが、自分の周辺だけかと思っていたのだ。

作品にはウケる層というのが、一定あると思っている。『夏目友人帳』は掲載誌が少女漫画だ。ちょいちょい、ふんわりしたBL要素も入れてくるので、比較的女子に人気なのではと予想をしていた。

しかしどうやら、そうでもないもよう。よくよく考えるまでもなく、何度もアニメ化されているのだ。世代や性別を問わず、目に触れる機会は少なくなかった。となれば、当然の結果とも言える。

試しに、記者の周囲にいる『夏目友人帳』好きの男性(30代)にその魅力を聞いてみることにした。作品のどんなところが気に入ってるのだろうか。

(魅力はいろいろあるけど)なによりニャンコ先生が可愛いよね。

なるほどなるほど……やはりニャンコ、お前か!! 外身は可愛いのに中身は全く可愛くないがカッコいいところもあったりする、その絶妙なギャップにやられる人は世代や性別を問わないということだろう。

ニャンコ先生、恐ろしい子。何を言っているのかわからない人は、是非とも単行本を読んだりアニメを見るなどして確認してほしい。一話をチラッと見るだけでも、その意味が分かることだろう。

そんなこんなで映画「石起こしと怪しき来訪者」は絶賛公開中だ。なかなか出かけにくいご時世かと思うが、チャンスがあれば映画館で楽しんでいただきたい。じんわり体中に幸せが染みわたるぞ。

参考リンク: 夏目友人帳 「石起こしと怪しき来訪者」
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.

▼『夏目友人帳』の映画「石起こしと怪しき来訪者」公開中だよ

▼映画の内容は、単行本にも収録されている話だよ

▼各施設でコラボイベントなども開催中。こちらはカラオケパセラ