コロナ禍が爆発した2020年。歴史的なレベルのパンデミックだけに、私たちの生活も変化せざるを得なかった。生活が変われば需要も変わる。日本で外出自粛から緊急事態宣言となった3月~4月、株価は急降下。日経平均株価のチャートを見ると深い谷みたいにエグれている

私(中澤)がなんとなく株取引を始めたのは9月頃。変化した生活に慣れて、何かを始めたい気持ちになったからだ。とは言え、ノー知識のため、どの株を買ったらいいのか分からない。話題になってる株はもう遅いというのは素人の私でも知っている。

でも、買ってみた。素人だから。悪いニュースでも良いニュースでもとりあえず買ってみた。すると、どうなったのか? 今年の株取引の決算をここにまとめたい。

・株を始めたら即やらかした! 24万円取引してみての “失敗” / あるいはトレーダー歴1週間の初心者の体験談

株取引には楽天証券を利用することにしたわけだが、まず、アプリの使い方を覚えるために、名前を知っていてかつそこまで高くない会社の株を売買してみた。初心者でも、一発目から大して詰まる部分がないくらいアプリでの株取引は簡単である

しかし、安いと言えども、日本株は100株単位での売買しかできないので10万円近くは必要。約10万円購入しているのに、アプリでワンタッチだから実感がないというのは結構衝撃であった。シムシティでお金を使う感覚に近い。

この段階で4社の株を購入したみたわけだが、この4社を「もういっか」という感じで売った時の最終的な収支は-8832円。まあ、授業料みたいなものである。


・【逆転】暴落NTT株を24万円買ったらさらに暴落 → 2カ月売らずに持ってたら奇跡が起きた!

で、本番開始。ドコモ口座不正出金事件でドコモが謝罪会見を行った翌日、約24万円をNTT(日本電信電話)株につぎ込んだ。普通はもう少し様子見るよなって感じだが、なにせ素人なので買う。そして、記事でもお伝えしている通り、暴落は止まらなかった。

ネットではこのムーブを馬鹿にするコメントが圧倒的に多かったことを覚えている。菅政権は携帯料金を安くすると発表していたし、株価は下がりっぱなしだし、まあ普通に考えたらこの時のNTTは無い。私も「終わった」と思って放置してた。

しかし、2カ月後、NTTが自社株買いを発表して株価が爆上がり。買値を越えてもまだ上がる。結局、1万600円プラスで売った。とは言え、菅政権が携帯料金に厳しいのは変わらずなので、私は、この時、NTTの株価はまた下がると思っていたのだが……

その後、NTTが廉価ブランド「ahamo」を発表してさらに爆上がり。2020年2月現在は暴落前の水準に戻っている。既出の情報では、未来がないという声が圧倒的だった当時のNTT。

だが、今になってみると、NTTほどのガリバー企業が株価が下がりまくって向かい風の状況で何も手を打たないと考える方が不自然だ。そういう動きも含め、株価って本当に分からないもんである。


・【やらかした】倒産する「Nuts」を再び “1万株” 買ったら売れずに上場廃止に → この株は今後どうなるのか問い合わせてみた

NTTを放置してる間、倒産による上場廃止が発表されたのが「Nuts」である。正直、ニュースを見るまでこの会社のことを知らなかったが、見れば株価が1円になっていたため1万株買ってみた。1万株買っても1万円と破格である。

これにより、初めて倒産株の動向を見たわけだが、1円と2円の小数点以下が目まぐるしく動いて、チャートがテレビのテストパターンみたいになっていた。そこで夜間取引と指値売買を駆使して、小数点以下の安いところで買って高いところで売るというのを1万株で繰り返したところ最大2570円プラスに。これ刻める!

だが、調子に乗ってはいけないものだ。上場廃止前日に買った1万株が売れず、この株の売買収支は最終的に-9530円に着地。ちなみに、Nutsは現在、アプリの保有銘柄一覧からも消えている。紙切れさえ残らず消し飛んだ。


・【衝撃】コロナワクチンのファイザー株を40万円買ってみたらマジかよッ! アメリカ承認で予想外の事態に……

新型コロナワクチンで話題のアメリカ企業ファイザーの株を約40万円購入したのは12月1日。この時点で、ファイザーの名前はテレビにも出まくっていたし、アメリカワクチン開発競争の1位はファイザーでほぼ決まっていたので普通に考えると購入には遅い

でも、爆上がりした株価が11月後半に爆下がりしていたので買ってみたわけだ。すると、2日後にイギリスがファイザーワクチンを承認、またじわじわと上がってくる株価。本丸のアメリカ承認直前には、11月前半の爆上がり期よりも高い水準に。これはアメリカ承認で跳ねるか?

と思いきや、アメリカ承認と同時にチャートは右肩下がり。ヤバイヤバイヤバイ! 買値の水準に戻っちゃった!! 明日どうなんの? これ!

結局、38.35ドルで購入したファイザー株を38.74ドルで売るハメに。ドル的には微妙に儲かっているが、購入時よりも円高になっていたのと、手数料で-4178円だった。ちなみに、各国で次々と承認され、接種も始まっている12月25日現在、ファイザー株は37.27ドルとさらに下落している。


・話題株のみの収支

経済に疎い素人の私でも知ってるくらい大きいニュースになっていたこの3社。良い悪いはスルーして、とりあえず買った結果、3社の株売買の収支合計は……


-3108円


思っていた以上に損失が少なくて逆にビビった。当時の雰囲気的には、NTTとかNutsは自殺行為だったと思うのだが。Nutsを上場廃止前日に買うという暴挙をしなければむしろプラスだったのである。

・総決算

ちなみに、ストップ安をくらったMDVは、その後、速攻で売って底値で買いなおし、コツコツ売買していたら最終的には+1990円になった。ここで2020年私の株取引の総決算をすると、購入した総額は323万1723円で、純利益-9836円だ。儲かってはいないが、まあ十分遊べたとも言える。

とは言え、現状所持している株については含み損約9万円あるんだけどね。12月23日の日経泣いた……。1日にして成らずな株価。この3カ月発信し続けて1つだけ分かったのは、誰も将来を予想できないということである。

株価は既出のデータ以外のサプライズ要素で変動しまくりなのだ。そして、NTTへのネットの声と結果の違いでも分かるように、結構誰も想像してないことが起こる。というわけで、これからも自分の判断で株取引をしていきたい。来年は儲けたいなあ。

執筆:中澤星児
Photo:Rocketnews24.