
動物園・水族館で飼育されている生き物のうち、日本で最も注目されている存在はなんだろうか。それはたぶんダイオウグソクムシである。パンダよりもジンベイザメよりもグソクムシである。
逝去はもちろん、エサを食べた、いや食べない、脱皮した、「お通じ」があった……本人としては普通に暮らしているつもりだろうが、こんなに事細かく生態が報道される生き物が他にあるだろうか。
なので学研の「メタルキット」シリーズに登場してもなんらおかしくないのである。「ドラゴン」や「ティラノサウルス」のような子どもたちの人気者に並んでキット化されていてもまったく不思議ではない。「なぜコレ?」とか「売れてるの?」とか言うのは野暮というものである。この度キットを入手し、謹んで製作したのでその模様をお届けしたい。
・「メタルキットスペシャル ダイオウグソクムシ」(税抜1500円)
筆者は昆虫類が大の苦手で、あのトゲトゲの脚を想像すると背筋がゾッとする方だが、グソクムシに限ってはエビだと思えばそれほど気持ち悪くないし「腹部」も直視できる。むしろその謎に満ちた生態には興味津々である。
ただ、一般的にどちらかといえば「グロテスクな生き物」であることは否定しない。以下、部分的にではあるが実物の画像も出てくるので、苦手な方はそっとブラウザを閉じて欲しい。
開封すると、まさにグソクムシがはい出てくるようにパーツが収められている。これ狙ってやってる?
素晴らしいのが組立説明書! 前半部分はダイオウグソクムシに関する解説書になっている。さすが我らが学研である。
生息地や飼育している主な水族館、現時点でわかっている生態について、図鑑のように解説されている。
本体を作るよりも、ひとしきりこの解説書を読みふけってしまうこと必至。
・作業に戻るんだ
脱線してしまった。作業に入ろう。メタルキットの名の通り、主な材料はアルミ板である。たくさんの金属パーツが入っている。
アルミ板は手で簡単に折り曲げることができる「ソフトアルミ板」と、工具を使わないと曲がらない強固な「ハードアルミ板」に分けられる。
スパナやドライバー、サンドペーパーも入っているので特別な用意はいらない……ことになっているのだが、筆者はとても同梱の道具だけではできず、手持ちの工具に頼ることになった。後述するが、金属の加工がちょっと大変なのだ。
ソフトアルミ板は折り紙のように曲げられるので、手で形を作っていく。
脚を切り分ける。筆者はニッパーを使ったが、手で上下に折り曲げると切れるとのこと。逆に言うと、切ってはいけないところも不用意に動かしているうちに金属疲労で切れてしまうので要注意。大昔のスプーン曲げブームを思い出した。
脚は「引っかけてある」状態なので、全部が違う方向に動く! ワシャワシャしたあの気持ちの悪い脚こそ節足動物!
ミニミニサイズのボルトとナット。スパナは付属しているが、小さすぎるのでピンセットで締める必要がある。
が、「細かい作業」というのはどのクラフトでもあるもので、むしろ「望むところだ!」と燃える側面もある。このキットの鬼門はそこではなく、金属加工の難しさだ!
基本的には金属なので硬い。なので思った形に曲げたり差し込んだりするのが一苦労。
例えば時々、アルミ板を直角に折り曲げる部分が出てくる。「てこの原理」で一気に折ればいいのだが……作用点になるところもごくごく狭く、女性の力では結構難しい。
その一方で、思いきり力を入れれば曲がる程度の柔軟性はあるので、作業しているうちに予想外のところが歪んでいたりする。
そう、金属クラフトは難しいのだ。筆者は過去にデアゴスティーニ社の「週刊ムーミンハウスをつくる」というキットを総額15万円以上かけて作っていたことがあり……というか現在進行形で作っており、1番難しかったのが金属板を加工して作る「シャンデリア」だった。
自在に加工できないくらい硬いのに、ねじれたり傷がつく程度には柔らかい。何度やっても上手くいかず、同じ号を買い直した悪夢が甦ってきた。
悪い記憶を振り払い、もうひと頑張り。クライマックスの胸節、腹節の部分だ。
カーブをつけながら、重ね合わせるように外殻を作っていく。
頭部を作り……
最後に目を貼って……
完成だ!
なんて立派な王蟲……森へお帰り!
じゃなかった、手のりダイオウグソクムシ!
脚はそれぞれ動くし、身体も節の部分が伸縮する。金属の質感と、鎧のような腹節がメカっぽい。イイね〜!
自分で作って身体の隅々まで知り尽くしているからか、可愛く思えてくる。ようこそ我が家へ〜!
ちょっと難しいが、完成形のカッコよさは金属ならでは。ガシャガシャ動かして遊んでしまう。節足動物の硬さや、鎧のような構造とアルミとの相性がばっちりだ。グソクムシの「具足」は甲冑のことだというし。
キモいのになぜか注目してしまう罪な存在、ダイオウグソクムシ。2015年に作成された本キットの説明書では「脱皮のしかたは謎」と書かれているが、今では「半分ずつ皮を脱ぐダンゴムシ方式」であることが判明。生態の研究も進んできている。これからもヤツらから目が離せない!
冨樫さや
























オオグソクムシ入り「超グソクムシ煎餅」はマジでお土産に最適かもしれない
史上最大級な新種のオオグソクムシがみつかる
【深海生物】「マグメル深海水族館」がくらげバンチにて11月5日まで無料で公開中! 神秘の世界に触れられる素敵な作品だぞ~!!
【困惑】100円スクラッチアートでリフレッシュしようとしたら逆に寒気が止まらなくなった話
パラパラ漫画を映写できる「アニメーションプロジェクター組立キット」を作ってみたら…思っていたのと違った
約10年ぶりにケーキの食べ放題『スイーツパラダイス』へ行ってみた → 何で今まで来なかったのかと本気で後悔した
【事故】公式のオススメ通り「二郎系カップヌードル」を盛り付けたらヤバいことになった
【4コマ】魔王軍はホワイト企業 1853話目「忘年会⑲」
【福袋2026】すき家恒例「SMILE BOX 2026」はクーポンで半年間おトクが続く! リピーターなら買って損なし!
【2026年福袋】HARIOの「コーヒーセット福袋」が神! 届いた瞬間、誰でも美味しいコーヒーが淹れられる
【裏側】テレビで自分の曲が流れたのに使用料が支払われてないから、JASRACに逆凸してみた一部始終
2023年に炎上した「高島屋のクリスマスケーキ」を今年も買ってみた結果 → 意外な変化が…
モバイルバッテリーを「Anker (アンカー) 」から『CIO』に乗り換えて1カ月使ってみたらこうだった
ボンボンドロップシールって本当に子どもに人気なの? 姪っ子にプレゼントしてみた結果…
【アウト】偽ボンボンドロップシールの福袋がガチで地獄だった
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
【そうだったのか】街で見かける鳩「ドバト」の知られざる生体が話題
悶絶するウルトラ難度! 超リアルな「手のり武者」を作ってみた
正気の沙汰じゃない……! 模型製作の最強クラス「ボトルシップ」に初心者が翻弄される一部始終をここに公開
アルカスイス対応、金属製、ねじ式、コンパクトに折りたためて、しかも安いスマホホルダー見つけた!
【大人の科学工作】気分は錬金術師! きらめく結晶を自宅の台所で作ってみた
スチームパンクな木製キット「マーブルコースター」を作ってみた! ピタゴラスイッチな動きから貴方はもう目を離せない
江戸時代のからくりロボ「茶運び人形」を作ってみた! 可愛いのか怖いのか『大人の科学マガジン BEST SELECTION 04』
鉄の味と香りがする「燕三条鉄アイス」を金属好きが食べてみた
大人の科学「小さな活字版印刷機」で作るメッセージカードがエモすぎる! レトロなプリントが誰でも簡単にできるぞ!!
金属でできた鉛筆「メタシル」を使ってA4の紙いっぱいに絵を描いてみたら…強靭すぎて震えた
Sony から新しいフルサイズミラーレス「α7C」が登場! コンセプトは小型軽量 / 良さそうな点と物足りなく感じた点を正直にまとめてみた
かつての子どもたちのバイブル『学研の科学』復刊! 走馬灯のように思い出される記憶の数々