東京都は現在(2020年6月8日)、繁華街で新型コロナウイルス感染者が増加しており「東京アラート」が出ている状況だ。緊急事態宣言が解除されて以降、経済活動再開に向けたロードマップ上では、ステップ1からステップ2に速やかに移行したものの、ステップ3に移るのはまだ少し先になる見通しである。

そんななか、新宿・歌舞伎町では「キャッチ」と呼ばれる客引きがいなくなったとの噂が流れている。私(佐藤)は、周辺の様子を確認すると共に、飲食店の人に状況を尋ねた

・歌舞伎町の現状

私が訪れたのは8日の夕方。16~18時頃、ゴジラヘッド(新宿TOHOビル)周辺を確認した。キャッチと言われるいわゆる客引きの類には、いくつか種類がある。一般的にはキャバクラや風俗店に客を呼び込む類の人物が、それに当たる。他に、居酒屋などの飲食店の客引きもいれば、DVDを売る怪しい輩もいる。


早い時間は、「お兄さん、DVDは?」と執拗に声をかけてくるDVD売りがほとんど。この日も以前と変わらず、DVD売りが決まった通りの決まった場所に立っており、とくに変わった様子もなく声をかけてくる。『今時DVD買うヤツなんかいるか』と思いながら、それらを当然のように無視した。


18時頃。以前なら外国人観光客と、仕事終わりの人々が繰り出し始めるような時間。しかし、コロナ禍以降の影響だろう。人通りはそう多くない。最近の相次ぐ感染者増加もあってか、飲食店関係者以外に客と思われる人の姿はほとんどない。歌舞伎町の入口にあたるドン・キホーテ新宿歌舞伎町店前には、行政関係者が複数立っており、拡声器で注意を呼び掛けている。

たしかにDVD売りと飲食店スタッフの呼び込み以外に、それと思しき人の姿は見えない気がする。たまたまなのだろうか? 新宿で働くとある知人に連絡を取って話を聞くと、「最近キャッチが減ったと思う。すげえ歩きやすいもん」と話す。さらに状況を把握するために、とあるお店の関係者に話を聞いてみた。


「なんか揉め事があったみたい。詳しくは知らないんだけどさ。ちょっと前に表がゴタゴタしたことがあった気がするけど、良くわかんないよ。たしかにキャッチは減ったのかもね。どうなんだろ、ぶっちゃけ、人のことを心配してる場合じゃないからさ」


とのこと。

そもそも客引き行為は違法であり、それでなくても、新型コロナウイルスの感染拡大が懸念される最中(さなか)である。これを機に悪質な客引きが減ることを願うばかりだ。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24