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以前の記事で、東京・新宿駅周辺で「おいしいラーメン屋さん知りませんか?」と声をかけてくる人物がいるらしいことについてお伝えした。ただ声をかけてくるだけでなく、言葉巧みに個人情報を聞き出すことさえあるという。

当編集部のサンジュンが、その実態を解明するために、「おいしいラーメン屋さん教えます」という紙を持って、昼間の駅周辺を調査したのだが、何も結果を得ることはできなかった。そもそも個人情報を聞き出すヤツよりも、サンジュンの方が怪しいじゃないか。そして夜の遭遇情報があるのに、なぜ昼に行った? ということで、今度は私(佐藤)が夜の街に手ぶらで調査に向かったのである。必ずおいしいラーメン屋の情報を教えてやる!

・できるだけ自然に

まず最初に向かったのは、新宿駅の東口だ。声をかけてくる人物の出没時間は不明だったのだが、とりあえず平日の21時頃に現地に到着。きっと声をかけてくる人物は、暇そうな人を狙ってくるのではないか? そう予想して、いかにも暇そうにケータイゲームで遊ぶことに。すると、さっそく!

・来た!!

いきなり声をかけられた! ほら、やっぱり普通にしてる方が声かけてくるじゃないか!! 開始わずか10分で成果が出るとは!?

だが、声をかけてきた方を見ると、その人物は日本人ではない。アラブ系の人物なのだろうか? 詳しくは見ただけではわからないし、何を尋ねているのかわからない。手帳のようなものを持っており、何かを書けと言っているようだ。私(佐藤)は心のなかで呟いた。

「申し訳ない、探しているのはあなたのような人じゃない。おいしいラーメン屋を知りたがっている人物を探しているんだけど……」

どう見てもラーメン屋を知りたい雰囲気じゃないので、軽く会釈をして断ったら、どこかへ行ってしまった。それから約40分の間、駅前にとどまっていたのだが、それ以上声をかけてくる人物はいなかった。

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・南口でできるだけ自然に待機

ジッとしていても仕方ない。もしかしたら、駅周辺とは南口のことかもしれない。そう思い、南口に移動。できるだけ自然な感じで、しかし目立つように広場の真ん中に突っ立ってみた。これならきっと声をかけてくるに違いない。

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絶対暇なヤツに声をかけてくるはずだ。だって、急いで帰ろうとしている人より、はるかに簡単。声をかける人物から見れば、私の超自然体な様子は、“エサ” のようなもののはずなんだけど……。声をかけられない……。

・自然に小刻みに揺れる

これはもしや自然すぎて、逆に声をかけづらいのか? 逆に。それなら少し動きをつけよう。

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路上ライブ禁止の看板の前で、小刻みに揺れてみた。断じてライブではない。ダンスでもない。ただ揺れているだけ。これなら目立つし自然なのだが……。

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・さらに自然に移動

30分くらい小刻みに揺れてみたがダメだった。どうも同じところにとどまってはいけないようだ。そこで、また移動。三丁目方面に入りつつ、寄り道するフリをすることに。

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ゲーセンでガチャをするフリをしたり。

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ストリート系の書店で、本を物色するフリをしたり。

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・なぜ声をかけて来ない

おかしい……。なぜ、こんなに自然に行動しているのに、声をかけてこない。こんな人、どこにでもいるじゃないか……。隙だらけのはずなのに、なんで声をかけてこない。マジメにおいしいラーメン屋さんだって知ってるぞ。ブツブツ言いながら歩いていたら、歌舞伎町まで来てしまった。

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・歌舞伎町へ向かうと……

こりゃちょっと仕切り直しが必要だ、作戦を練り直すしかないなあ~。すでに調査開始から2時間が過ぎている。とりあえず、歌舞伎町に行ってみよう。

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とりあえず歩き始めたところ、これまでの流れを覆す事態が発生!

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「お兄さん、何系?」
「社長、飲みですか?」
「アニキ! アニキ!」
「○○の××はいかがっすか?」
「DVD、DVD!」

お前らじゃねえ! お呼びじゃねえんだよ!! おいしいラーメン屋のことを聞けよ! 今時売れねえのに、いつまでもDVD売ってんじゃねえ、このヤローッ!!

いずれ撲滅される羽目になるというのに、この人たちは本当に懲りないなあ~。6月1日が見ものだ。

・この日の真剣調査は終了

ということで、この日の調査は成果を得られないまま終了した。

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真剣に調査したあとの一杯は格別。いつか必ず、おいしいラーメン屋を尋ねてくる人物に遭遇し、おいしいラーメン屋の情報を叩き込むまで、私の真剣調査は終わらない……。

Report:佐藤英典
Photo:Rocketnews24