新型コロナウイルス感染症の流行が落ち着くまで、とあるラーメン屋さんが出来立てラーメンの持ち帰り提供「鍋ラー」を始めた。その名が示す通り、出来立てホヤホヤのラーメンを持ち帰るための条件は「鍋を持参する」ことだ。

鍋でラーメンを持ち帰るスタイルは、『ラーメン二郎』の鍋二郎以外であまり見かけたことがない。果たして鍋で持ち帰って、美味しくいただくことが出来るのだろうか。生まれて初めて「鍋ラー」してみた。

・早さが命

「鍋ラー」を始めたのは、東京・十条にある『煮干そば 流。』だ。容器代がかからず、丼で持ち運ぶよりも火傷やこぼす心配がないため「鍋ラー」スタイルにしたらしい。さっそく鍋持参で行ってみたが、人通りが少ないせいか鍋持参で歩いていても人の視線は気にならなかったよ。

店内に入り、通常店内でラーメンをいただくときと同じ価格を支払う。今回は人気ナンバーワンの「煮干そば」大サイズ(麺250g・税込880円)を注文した。

「鍋ラー」を注文した後はお店の外、入り口横で待機する。しかし今回は特別に、「鍋ラー」が出来上がるまでを見させていただいた。持参した鍋をお店の方に託すと、さっそうと厨房へと運ばれていく。我が家の平凡な鍋が、ラーメン屋さんの厨房で活躍するのだろうか。熱湯消毒の後、さっそく鍋にタレなどが入れられていく。

いよいよ我が家の鍋で麺が茹でられるのだろうか……とワクワクしながら眺めていたが、麺茹ではお店本来の設備により行われた。どうやら鍋は器として使われるのみで、持参した鍋を火にかけることは一切ないようだ。

完全に器と化した我が家の鍋にスープや麺が投入されていく。

具材の盛り付けも終わった後、消毒用エタノールをつけたペーパーで持ち手などが丁寧に拭われて完成。鍋を託してからわずか5分ほどで、出来立ての「鍋ラー」が誕生した。

「鍋ラー」を美味しく持ち帰るコツを伺ってみたところ、「とにかく一刻でも早く持ち帰る以外にコツはないです」「出来れば5分以内に食べてください……!」とのこと。出来ることはただ一つ、こぼさず早く持ち帰るのみだ。とはいえ「鍋ラー」、重い……! 片手鍋を持参したことを後悔した。両手鍋にするか、タオルなどを持参して底を支えるのがオススメだ……。

なんとか早歩きをして4分ほどで持ち帰り、フタを開けて「鍋ラー」とご対面。「鍋に入っている」こと以外、お店でいただくラーメンと一切変わりない。フタを開けただけでブワッと煮干しの香りが立ちこめ、美味しそうだ〜!

器に移している時間の余裕がないため、行儀は悪いが鍋に入ったまま食べてみる。鍋から食べることに抵抗はあったが、すぐに食べたおかげか麺が伸びることもなく、プリッとしていて美味しい。少しちぢれた太めの麺が、煮干しの旨味がたっぷりと染み出したスープとよく絡まっていて最高だ。

しかも、チャーシューも程よい弾力があり、味がよく染み込んでいて美味しい。麺や具材を夢中になって食べていると、器が陶器か鍋かなんてどうでも良くなってくる。持ち帰っているのに、完全にお店で食べるクオリティだ。「鍋ラー」、美味しかった……。


・持ち帰りの特権

持ち帰ったからこそ味わえるお店の方オススメグルメが、ラーメン以外にもあった。残ったスープを用いて「煮干玉子がゆ」が作れるのだ。作り方は簡単、スープにご飯ととき卵を入れて加熱するだけ。煮干しの旨味たっぷりのスープで作るお粥、美味しいに決まってる……!

残ったスープを利用して調理出来るのは、持ち帰りならでは。遠方の方向けテイクアウト用に調理が必要な「おみやげ煮干そば(税込900円)」もあるようだが、ご近所の方など「5分以内に食べ始められる」方はぜひ、お店クオリティを楽しめる「鍋ラー」をお持ち帰りしてみては。

・今回訪問した店舗の情報

店名 煮干そば 流。(Twitter @nibo_suke
住所 東京都北区上十条1-13-2
営業時間 当面の間11:00~20:00の通し営業 / 【通常】平日 11:00~15:00、18:00~23:00 土日祝 11:00~21:00
定休日 火曜日(※ただし、火曜日はセカンドブランド「逆流」として営業)

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.

▼都からの要請により、当面の間は11:00~20:00の通し営業になるとのこと。

▼生まれて初めて、お鍋を持って外を歩きました。

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