今月も皆大好き、満月の日がやってまいりました。2020年4月7日深夜から8日未明にかけて、「ピンクムーン」と呼ばれる4月の満月が夜空を照らします。6月のストロベリームーンと並んで人気な満月です。
まあピンクって、なんだかスペシャルな感じがしますからね。でもぶっちゃけ名前だけで、見た目は普通の満月……いや、今回に限っては見た目もスペシャルかもしれません。なぜなら、今年のピンクムーンはスーパームーンでもあるから。
・スーパーピンクムーン
ということで、勝手にスーパーピンクムーンなんて書いていますが、オフィシャルな呼称でも何でもないのでその辺はご了承ください。でも2019年1月には、1月の満月であるところのウルフムーンがスーパームーンで、さらにブラッドムーンだったことがありました。
その時には全部繋げて「スーパーブラッドウルフムーン」と、世界中の色んなメディアが呼んでいましたし、問題ないでしょう。それに、スーパーピンクムーンの方が強そうじゃないですか。
ということでまずはそのピンク色について。その名に反して、ピンクムーンの色は黄色です。あるいは白とか銀色とか……何にせよ、いつも通りの満月の色です。ピンクムーンとはネイティブアメリカンによる呼び名ですが、由来は月の色とは無関係。
「The Old Farmer’s Almanac」によると、ピンクムーンと呼ばれる理由は、芝桜やキキョウナデシコなど、ピンク色の花を咲かせるフロックス属の植物にあるもよう。これらの植物が4月から5月にかけて開花期を迎え、地面をピンクで染めあげます。ちょうどその時期の満月ということで、ピンクムーンとなったそうです。
新型コロナウィルスの問題があるため花見は推奨しかねますが、芝桜であれば埼玉県の羊山公園や、千葉のドイツ村、または山梨県の本栖湖など、他にも割と全国各地に名所とされる場所があります。ご覧になったことがある方も多いのでは。
なお、ネイティブアメリカンによる4月の満月の呼び名はピンクムーンだけでなく、他にもEgg Moon(卵ムーン)や、Fish Moon(魚ムーン)など。今年はスーパームーンと重なるので、やはりスーパー卵ムーン、あるいはスーパー魚ムーンと呼んでも良いと思います。
・最接近
次はスーパームーンについて。これは基本的に、満月や新月と、月が地球に接近するタイミングが重なった時に、メディアが好んで使う呼称です。国立天文台では定義がはっきりしないことからスーパームーンとは呼ばず、「地球に最も近い満月」という呼び方を使用しています。
その国立天文台によると、月が地球に最も近づくのは午前3時9分。完全に満月になるのは午前11時35分とのこと。ということで、厳密な満月の瞬間こそ日本では見ることができません。ですが、ぱっと見た感じでは7日の深夜から8日の未明にかけておおむね満月に見えることでしょう。最も近づいた瞬間をご覧になりたい方は、午前3時9分に月を見上げてみてください。
・各地の天気
さて、月を見るにあたって気になるのが空模様です。気象庁によると、7日から8日にかけて晴れそうなのは大阪や四国、九州など。東京を含む関東もチャンスはありそうですが、8日は曇りマークが出ているため何とも言えません。関西以北の日本海側は、8日に天気が崩れるとされる場所が多いもよう。
まあ満月なので、多少曇っていても雲の隙間から見えたりします。予報がどうであれ、とりあえず夜空を見上げて判断するのもアリかと。昼間の花見は憚(はばか)られますが、黙って静かにお月見するくらいなら大丈夫ではないでしょうか。
参照元:国立天文台、気象庁、The Old Farmer’s Almanac(英語)
執筆:江川資具
Photo:RocketNews24.