「インスタで人気の食べ物」と聞くと、見た目だけかと思う方も多いかもしれない。筆者もそうだった。しかし、愛知県・岡崎の小さなスーパーから生まれたフルーツサンドは、インスタで大人気かつ味も実力派だったのだ。

2020年3月30日にテイクアウト専門店で東京初進出をキメた、「見た目だけ」では終わらないフルーツサンド。さっそくご紹介したい!

・フルーツと熱い想いが込もるサンド

東京・中目黒にオープンしたフルーツサンドの持ち帰り専門店『ダイワ 中目黒店』。10時オープンだが、お昼12時ごろでも行列していた。

『ダイワ 中目黒店』の原点は愛知県・岡崎にある『ダイワスーパー 』。小さなスーパーながらインスタグラムでフルーツサンドなどが人気となり、今ではハッシュタグ「#ダイワスーパー」の投稿数は1.6万件を超えている。(2020年4月現在)

店内には、そんな人気のフルーツサンドがズラリと並んでいた。中には聞いたことのないフルーツもあったが、店員さんに質問すると丁寧に教えてもらえたよ。

今回購入したのはイチゴの「あまおう」を使った「あまおうサンド(730円・税抜)」と、同じくイチゴの「紅ほっぺ」を使った「苺大福サンド(600円・税抜)」、甘味が強いオレンジを使っているという「タロッコオレンジサンド(700円・税抜)」、そして店員さんオススメだった「プレミアムバナナサンド(380円・税抜)」の4つだ。

インスタで人気なだけあり、見た目は美しい。色とりどりな果物の断面が「映え」るのだろう。しかし、果たして味はどうなのだろうか。そんなことを思いながら、「あまおうサンド」から食べてみると……めちゃくちゃ美味しい! あまおうの甘さが、濃厚な生クリームの甘さを完全に上回っている。しかもめちゃくちゃジューシーだ。

あまおうの美味しさにテンションMAXになったまま、同じイチゴでも酸味の強い品種「紅ほっぺ」を使った「苺大福サンド」を食べてみると……なるほど、まごうことなき苺大福。「あまおうサンド」と違って、今度は生クリームや餡子の甘さに酸味を添えて、スッキリとした味わいにしている。同じイチゴでも、品種によって適材適所があるのか。

お次は、聞いたことのない「タロッコオレンジ」という赤みが少し入ったオレンジのサンドを食べてみる。店員さんいわく「甘味が強くて人気」とのことだが……超絶甘い! あまおうと同じく、生クリームをはるかに上回る甘さだ。おまけにプリップリで果汁が半端ない。ほんのり感じる酸味もあいまって、何個でも食べられそうな爽やかさもある。

最後は店員さんオススメの「プレミアムバナナサンド」。実は筆者、バナナは青臭さがあってあまり好きではないのだが、果物に詳しい店員さんのイチオシだったので購入してみた。「プレミアムなだけあって、他のバナナと全然違いますよ」とのことだったが……恐る恐る食べてみると、コクのある甘さが凄まじい!

口当たりもトロッと濃厚で、青臭さが全然感じられない。噛んでいると濃厚な生クリームに溶け込んでいき、まるで元々クリームの一部だったかのよう。伊達に「プレミアム」を名乗っているわけではないということか。バナナなのに美味しい……!

サンドイッチのパンも生クリームも美味しいものを使っていると思うのだが、フルーツの美味しさが半端なく「美味しいサンドイッチを食べた」という満足感をも上回る「美味しいフルーツを食べた」満足感が残る。「インスタで人気」ながら、見た目だけではなかった。

・八百屋の本気

『ダイワスーパー 』のフルーツサンドは、コンビニなどで売られているものより少々お高い。その分、美味しかったのはもちろんだが、巷のスーパーではなかなか見かけないような品種のフルーツなども使われていた。しかし、なぜ珍しいフルーツなどをホイホイと使えるのか。

実は、『ダイワスーパー』の元は八百屋さんだったそう。そのため、フルーツサンドも「八百屋の作る本気のフルーツサンド」なんてキャッチコピーがつけられていた。八百屋さん発のスーパーだからこそ、バリエーション豊かなフルーツを仕入れられるというわけか。

ちなみに、なぜフルーツサンドを作ろうと思ったのか『ダイワ 中目黒店』の店長さんに直接伺ってみたところ、「果物離れが進んでいる中でも、美味しく果物を食べて欲しかっただけなんです!」とのこと。大人気のフルーツサンドはあくまで「果物を美味しく食べてもらう」ための策の1つとして生まれたそう。

少々お高いが味は抜群──コンビニなどと大手フルーツ専門店の間、いわば「お手頃な高級フルーツサンド」だろうか。愛知県・岡崎の小さなスーパーから誕生したフルーツサンド。果たして果物離れを打破する存在となるのか。今後が楽しみだ。

・売り切れ必至、増産開始

そんなフルーツサンド、夕方の16時に伺ったときにはすでに完売してしまっていた。実は、早ければお昼の14時ごろに売り切れてしまうとか。

しかし、近々店内の増産体制が整い、早々に売り切れることはなくなるだろうとのこと。とはいえ、毎日売り切れ次第閉店なので、食べたい方はぜひお早めの時間に。

・今回訪問した店舗の情報

店名 ダイワ 中目黒店
住所 東京都目黒区上目黒1-13-6
営業時間 10:00〜完売次第閉店
定休日 なし

Report:伊達彩香
Photo:RocketNews24.
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▼「映え」ざるをえない名コンビ、フルーツサンドと桜。

▼お店は目黒川のお隣さんでした。

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