本日2020年4月7日、ついに安倍晋三首相から「緊急事態宣言」が7都府県に出される見込みだ。新型コロナウイルスのパンデミックは止まらず、連日のように感染者が増え続けるばかり。いまだ収束する気配はゼロで、すでに各方面へ大ダメージを与えている。

通称・コロナショック──中でも深刻な状態となっている1つにブライダル業界がある。先月、歌手のケイティ・ペリーと婚約者で俳優のオーランド・ブルームが日本での挙式を延期したことも記憶に新しいように、延期もしくは中止の決断をする新郎新婦は少なくないのだ。

・ブライダル業界への影響

もしせっかくのお祝いの場で感染拡大したら……不安が尽きない上に重大な決断を迫られている新郎新婦。はたして今、結婚式場はどうなっているのだろうか。今回、都内の式場で働く関係者のAさんが答えてくれた。

──まずは単刀直入にお聞きします。現在、結婚式はどれくらい挙げられているのでしょうか?


Aさん「まったくないということはなく、挙げる方もいらっしゃいますね。とはいえ、やはり自粛の影響で延期する方もいます。あとは中止の方も……」


──挙げる方の割合は通常に比べてどれくらい減少していますか?


Aさん「およそ1 / 5といったところでしょうか。多くの方が今の時期を避けているのが現状です」


──1 / 5ですか……かなり減っていますね……。


Aさん「相当な痛手ですね……。というのも、結婚式を挙げる人気シーズンは春と秋だからです。寒くもなく、暑くもない。本来であれば今の時期は式を挙げるのに最適だけにコロナウイルスの影響は大きいです」


──なるほど……。ここまで悪かったことは過去に例がないですか?


Aさん「う〜ん、こんなにも悪いのはなかなか……。個人的な体感だと東日本大震災以来の状況ではないでしょうか。ただ、コロナウイルスは今のところ先が見えず、さらに悪くなる可能性もあるので死活問題です」


・収入はどうなる?

──少し聞きづらい話ではあるんですが、収入の方はいかがでしょう?


Aさん「やはり影響はあります。もっとも不安を抱えているのはフリーランスの人たちですね。結婚式には司会者をはじめカメラマン、花屋、ケーキ職人などさまざまな人が携わります。他に仕事を掛け持ちしていなければ、収入がなくなる人も出てくるかと……」


──そうですか……。結婚式はかなり前から準備するものですし、スケジュールがほぼ白紙となれば収入に直結する人がたくさんいるのも自然な流れですよね。


Aさん「他には式場として場所を提供するホテルも影響は少なくないかと。ブライダル業界に限らず、テレワークのできない接客業は今までにないくらい厳しい状況です」


・政府について

──収入面でも非常に厳しい状況にありますね。所得減少に伴い現金30万円を給付するなど、政策を打ち出している政府の対応についてどう思われますか?


Aさん「フリーランスであれば収支が変動するため、基準が分からない人も多くいるかと思います。また、あまりに条件が限定されている上、申請に時間がかかりそうなのも不安が募ります」


──いろんな案が検討されていますが、不透明なところが多いですよね。


Aさん「諸外国のように不平不満を少なくスムーズにいかないものでしょうか……。アベノマスクも海外メディアから嘲笑されていましたし」


──いや、ほんとにエイプリルフールかと思いました。お肉券やお魚券などの案もありましたが、ズレがだいぶ……(苦笑)


Aさん「すべて後手にまわっているような気もしますよね。長いトンネルの出口が見えない今、少しだけでも不安を取り除いて欲しいものです。影響のない人はいないでしょうし……。先が見えず、とにかく不安が尽きません。当たり前だった日常が早く戻ってくれることを祈ります」


・早い収束願う

オリンピックイヤーの2020年に世界がかつてないような危機に瀕するなど、誰が予想しただろう。これから緊急事態宣言が出されると、各方面にさらなるダメージが広がると思われる。すべては命あってのこと。今はただ、各自が感染予防につとめるしかない。コロナウイルスの早い収束を願うばかりだ。

Report:原田たかし
Photo:RocketNews24.