大分と宮崎の県境に、鉄道ファンの間では有名な秘境駅が存在するらしい。駅の名前は「宗太郎」で、停車する普通列車は1日3本。とくに延岡方面へ向かう下り列車は、朝6時54分発の1本のみ。すなわち “始発が終電” になってしまうのだとか。

そんなことを聞いたら、ぜひとも「日本一早い終電」に乗ってみたかった……が、今回はで宗太郎駅に行ってきた。ってか、たまたま車で近所を通りかかったので、ウワサの秘境駅にも立ち寄ってみた次第。で、どうだったのかと言うと、マジで想像以上に秘境でした!

・宗太郎駅

JR九州・日豊本線の宗太郎駅は、大分県佐伯市の山深い場所にある。1923年(大正12年)に開設された信号場が、1947年(昭和22年)に旅客扱いを開始して駅に昇格。当時は木造の駅舎があったようだが、現在は解体されてコンクリートの基礎のみが残っていた。

また、改札ラッチやレトロ過ぎる便所もあって、便所の外壁に取り付けられているのが時刻表だ。さっそくチェックしてみると……

見事に1日3本だな。

つまり、隣の市棚駅を6時31分に出発して6時39分に宗太郎駅に到着し、折り返し6時54分発の延岡行に乗車をすれば、15分程度ではあるものの、秘境駅を楽しむことは可能……ということか。キビシー!

なお、駅周辺には宿泊施設はおろか、コンビニも自販機も何も無いので、長時間の滞在はオススメしない。宗太郎駅は早朝の攻略、もしくは邪道かもしれないが、車やバイクでの訪問がベターだろう。

ちなみに、だいたい1時間に1本、特急列車が通過する。

突然やって来て、あっという間に山の奥へと消えて行くのだ。

・待合所にて駅ノートを発見

さて、下り線ホームには小さな待合所がある。ベンチに置かれた「駅ノート」には、長年にわたりたくさんの書き込みがあり、宗太郎駅の印象や旅の思い出などが思い思いにつづられていた。無人駅で読む「来訪者ノート」は心が温まるなぁ。

そして、ベンチの上にズラッと並ぶ石ころも宗太郎駅の名物。ユニークなメッセージやイラストが描いてあるぞ。また、待合所と駅名標の間には池があってイモリが生息している……らしい。けっこう見所が多いな、宗太郎。

・1日の利用者数は1人以下

というわけで、山深い秘境の地にある宗太郎駅は、多くの方が駅ノートや石ころに書いていたとおり「また来たい」と思わせる魅力的な駅であった。1日の利用者数は1人以下だと言われているが、ぜひこれからも多くのファンに愛される駅であってほしい。次は早朝の始発・終電狙いで行ってきます!

・今回ご紹介した場所の詳細データ

名称 宗太郎駅
住所 大分県佐伯市宇目大字重岡

Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.

▼運賃箱

▼隣駅の重岡駅と合わせると「重岡宗太郎」という人名になることでも有名

▼見学者も多い

▼駅ノートと筆記用具がベンチ内にあります

▼次は早朝を狙います

日本、〒879-3204 大分県佐伯市宇目大字重岡 宗太郎駅