地方への移住が注目され、いろんなところで「移住生活ってこんなにいいですよ!」という情報が飛び交っている。実際に東京から地方へ移住した私(沢井メグ)に言わせると、「まぁ間違いではないけど事実を100%述べているわけではない」というのが正直な感想だ。そもそも100点満点だったら、人口流出とかしないやろ(笑)
と、ちょっと斜めからものを言ってはいるものの、私は移住後の生活に概ね満足している。周りの人は優しいし、ご飯は美味しいし、保育園の待機児童はないし。だがこれだけはどうしても東京にかなわないということがある。ということで、今回はちょっとマイナスな話もしてみようと思う。
・これだけは都会じゃないとなぁ…と思ったこと
私が「これだけは東京にかなわないなぁ」「このタイミングで東京にいたかったなぁ」と感じたこと、それはズバリ……タピオカの行列に並べなかったことである!
ネットやテレビのニュースが「タピオカがブーム!」と報じ、新店がオープンするたびに3時間並んだ5時間並んだという情報は東京にいた頃と同じように入ってくる。だがしかし! 我が家の周りはブームどころかタピオカの気配なし! 海を越えた台湾でも「日本のタピオカ熱がヤバイ」と騒いでいるのに、同じ日本にいるのに全く実感がなかったのだ。
そして近場にタピオカ店ができた頃、ブームはだいぶ落ち着いていた。人気は人気だが普通に買える。あの報道のような熱気にはついぞ触れることはなかった。
・温度差がスゴイ
別にタピオカブームを茶化しているわけではない。何が言いたいのかというと、ガチ地方にいるとこういった類のブームの最先端には触れられないということだ。
流行は若い消費者が多い場所に集中するものだ。そこで利益を上げ、体力をつけた企業が時間をかけて地方の消費者にアプローチを始める。当然のことであるが、ああこうも温度差があるものなのかと驚いた次第である。
・でも生活には影響なし
個人的に、私は中国や台湾によく行っていたため、現地のタピオカが日本でどう受け入れられるのかを間近で見たかったなという思いはある。でも言ってしまえばそれだけだ。生活には全く影響なし。
最先端の流行をのぞけば、生活に必要+αの物質的な話は東京とそこまで格差があるとは感じられない。2019年現在、コンビニやチェーン店が広く全国展開しているし、地方の中核都市には必ずと言っていいほどイオンのようなモールが存在する。
そして何よりネットだ。ネット通販で買えないものはほとんどない。本気を出せば家から一歩も出ずに生活だってできるだろう。
・最先端がないだけ
私は東京以上に発展している都市・上海にも住んでいたが、いまの地方での生活は物質面でメチャメチャ困ったということはない。ただ、最先端がないだけだ。
最先端の空気に触れられないことが地方生活のデメリットといえばデメリットである。私の知人で、常に流行を追っていたい人は「とても暮らせない……」と漏らしていた。でも私は少し良い面もあると思う。手に届く前に都会でのブームの様子を見ることができるので、本当に自分にとって必要なものかを客観的な視点で考えることができるのだ。
私も考えた結果、タピオカブームは……行列に5時間並ぶくらいならちょっと台湾に行って飲んでくるわ。地方空港からの国際便ってね、意外と便利なのよ。
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.