
高級なイメージのある割烹や懐石料理。少なくとも、缶詰と立ち食いそばとペペロンチーノばかり食べている私(中澤)は、その言葉を聞くだけでハードルの高さを感じてしまう。ところが、街を歩いていたところ、そんな私でも気になる割烹を発見した。
その名も『福松』。なんと、牛丼チェーン「松屋」で知られる松屋フーズが展開している本格割烹だ。こんな高級系松屋もあったのか……。いつも利用している店の姉妹店ということもあり、心のハードルが若干下がったので入店してみたぞ。
・紅葉が綺麗だったから
この店があるのは、JR三鷹駅の北口駅前ロータリーである。ロータリーを歩いていたところ、まず、松屋とんかつ業態「松のや」を発見。昼時だし、入ろうかどうしようかと紅葉を見ながらウロウロしていたら、地下1階に「福松」があるのを見つけたのだ。
・松屋グループと思えない
店外のお品書きを見ると、ランチでも2500円以上、夜だと最高で1万1000円のコースがある。松屋グループでこんな価格帯の店があろうとは……。
入店してみると、まず料亭みたいな受付があった。そこで1名であることを伝えると、「お好きなところにどうぞ」とのこと。店内を少し歩くと、内観は完全に割烹のそれ。木の壁を照らす間接照明は言われなければ松屋グループとは思えないオシャレさだ。
店の奥にはカウンターがあり、板前さんが何人か並んでいた。カウンターで食べることもできるが、なんか緊張するので、私は受付を隔てて入り口側のスペースにある大きな窓際の机席に腰かけた。
半個室などもありゆったり広々とした席の配置からは落ち着いた雰囲気が漂っている。しかも、窓の外を見ると庭のようなものまで! ここマジで松屋の姉妹店かよ……!?
・ランチコースを注文
メニューは、基本的には寿司を中心に天ぷらやそばなどがつくコース料理。せっかくだし、高い方のランチの「特別ランチ(上)税込3600円」を注文してみた。
品数の多い豪華な御膳が目の前に並ぶ。繰り返すが、恐ろしいまでに松屋フーズ感が皆無だ。寿司ネタも肉厚でウマく、天ぷらの海老を頬張るとプリッとした弾力が食べごたえ抜群である。さすが3600円!
ただ、1つだけ私の箸が止まったものがある……
このそばどうやって食べるんだろ?
見たところ、つゆにつけて食べるもりそばスタイルだ。だが、問題はそばと一緒に皿に乗っているブツである。
・食べ方が分からん
天かす、ネギ、ほうれん草まではまだ分かる。これはどこからどう見ても薬味だ。おそらく、つゆに放り込み一緒に食べるのだろう。だが、解せないのは……
椎茸とゴボウと謎の魚!
君らデカすぎへんか!?
特に謎の魚なんて、煮物として別皿で出てきてもおかしくないサイズ感である。だが、これらはそばと同じ皿に乗っているのだ。やはり、食べる時もつゆに入れてそばと共に楽しむものなのだろうか。
試しにつゆの器に入れてみたが、明らかにムリクリねじ込んでいる感じになった。魚を縦にしないと入らないため、つゆもちょっとしかつかないし、これは違う気がする……。そこでそのまま食べてみたところ、普通に煮物の味がついてた。なんで同じ皿に乗せたんだ!?
とは言え、正しい食べ方が分からなくても美味しいので全部そのまま食べた。ちなみに、そばも風味豊かできっちり高級な味がしたことを追記しておきたい。
・割烹のアイデンティティー
それにしても、松屋グループだけど、普通の高級割烹だった。私にとっては、ウマイとは言えコスパで考えるとやっぱりハードルが高いかもなあ。一瞬はそう思ったのだが、食後のコーヒーを飲みながら窓の外をぼんやり見ていると、あることに気づいた。
前述の通り、窓の外には庭がある。池の中心に小石で作られた丸い島があり竹が植えられているものだ。音もせずに流れる水。動くものはそれだけの静寂の光景。そう言えば、ここに来てから全くイライラしていない。
大阪人でせっかちなこともあり、雨の日に傘が開くのさえ待ちきれない私。普段、せかせかと気持ちだけが先走ってしまうことも多いのだが、今日は料理が出てくるスピードなんてぼんやり庭を見てて覚えていない。それほどに、ここには静かでゆったりとした時間が流れているのである。
光の速度で情報が流れていく時代。『福松』に集う人は、単なる料理以上にこんな時間や空間を買っているのかもしれない。情報の氾濫に溺れそうな時はぜひ1度行ってみてくれ。1階降りるだけで、そこには雑踏から切り離された世界が広がっているぞ。
・今回紹介した店舗の情報
店名 福松
住所 東京都武蔵野市中町1-14-5 松屋フーズ本社ビルB1F
営業時間 月~木11:30~14:30、17:00~22:30 / 金・土 11:30~14:30、17:00~23:00 / 日・祝日 11:30~21:30
定休日 無休
参照元:福松
Report:中澤星児
Photo:Rocketnews24.
中澤星児













松屋系列のカフェのモーニングがお得! 「ハムタマゴサンド」を食べてみた / カフェテラスヴェルト(東京・三鷹駅前)
やよい軒にそっくりなのに200円安い定食屋『アゲルヤ』の謎 / とんかつとチキン南蛮の盛り合わせで590円ってどういうことだってばよ……!?
【激レア】松のや三鷹店限定の「黒カレー」が黒すぎて “沼” かと思った / だが、見た目を裏切る美味さ!
「松のや」が全国販売予定の「ラムかつ」を店舗限定販売している! 実際に食べてみた率直な感想
松屋の新業態『松そば』に立ち食いそばマニアが行ってみた結果 →「十割そば350円で定食のご飯・みそ汁お替わり無料は凄い。ただし……」
鳥貴族の食べ飲み放題「トリキ晩餐会(税込3900円)」が思ってたより最高だった / 忘年会に最適だと思った2つの理由
【抽選結果速報】ケンタ福袋2026の抽選に編集部20人で応募してみた → さすがに泣いた
【狙うは3億8000万円】生成AIにロト6の過去全データを学習させ「理論的な予想」をしてもらった結果…
【中国渡航自粛】今なら「一蘭」に並ばず入れるのではないか? いつも中国人で大行列の新宿中央東口店に行ってみた結果…
【立ち食いそば放浪記373】JR中央線本線に隠された秘密 / 立川名物として知られる「おでんそば」は、奥地に行くと強くなる
中国「渡航自粛要請」から2週間が経った京都市内「祇園」「清水寺」「錦市場」の様子を見に行ってみた
【本日発売】「ローソンの福袋」(2160円)があまりにパンパンに詰まってて、持って帰るのちょっと恥ずい
中国の「渡航自粛勧告」から2週間、現在の「奈良公園」で目の当たりにした意外な光景
【中国渡航自粛】ガチ中華だらけの上野・アメ横に行ってみたら → 取材拒否の連続に…
【極論】焼肉って結局ウインナーが一番うまくないか? 「ウインナーだけ焼肉」やってみた結果 …
中国「渡航自粛勧告」から1週間経った、東京・浅草を見に行ってみた
【納得】ガストの「ジョブチューンで唯一不合格だった」メニューを食べてみた → 不合格にする気持ちがわかった
【検証】10年間ほぼ毎日飲んでる「コーヒー」を1週間断ってみたらこうだった
【は?】楽天で見つけた「在庫処分セール半額おせち」を買ってみた結果 → 届いた数日後にブチギレかけた
【雑草対策】カインズで598円「撒くだけで防草できる人工砂」の効果がヤバ過ぎた / お財布にも環境にも優しい超画期的アイテム
【検証】「スタバはどのサイズを頼んでも量は一緒」という動画が出回る → 実際に試してみた
【事故】楽天で買った『訳ありB級フルーツ福袋』を開封した翌日、妻から信じられないLINEが来た「メロンが…」
スタミナ供給のために松のやの実験メニュー『うなかつ丼』を食べに行ったら、「聞いてないよ!」ってなった…
【比較】吉野家と松屋の「そば」を食べ比べたら少年マンガみたいになった / 立ち食いそば放浪記:第281回
渋谷最強のランチビュッフェはココ! もつ吉渋谷店の平日ランチ「おばんざい食べ放題」税込1300円が強すぎる!!
【松屋】店舗限定で瞬く間に売り切れた『牛ステーキ丼』が全国販売開始! デカ盛りを食べたら最高すぎた!!
“割烹が作る洋風まぜそば” がヒネり効きまくりな上にお手頃価格で実に美味しい / ただし食べられるのは週5時間だけ
すき家がタコライス開始したけど、松屋フーズにもタコライスあるの知ってた? 幻の「ロースかつタコライス」を食べてみた
【悲報】松屋の「焼きかつ丼」が釣りすぎる / キレながら食べてみた結果……
松屋フーズと松屋銀座がコラボした「神戸牛牛めし」を食べてみた! そのお値段なんと……
激ウマ「しいたけそば」で知る人ぞ知る立ち食いそば屋『三松』が駅そば初オープン! 社長に経緯を聞いてみた / 立ち食いそば放浪記:第252回 青砥
「ステーキ屋松」の1号店だった三鷹店が「松牛」に生まれ変わっていた! もしやステーキ業界でも覇権狙いか?
松屋のカレーシリーズには〇〇カレーが無い → 解決してみた結果
冷凍食品じゃないと味わえない松屋監修の「キムカル牛めし」を食べてみた