
「生きている化石──」なんと胸の踊るフレーズであることか。ヘルメットのようなごっつい頭に、トゲだらけの体。スラリと伸びた丈夫なしっぽ。数億年前から姿が変わっていないことを受け、ヤツ…… “カブトガニ” はそう呼ばれている。
“カニ” と名付けられているものの、その実クモやサソリなどと同じ鋏角(きょうかく)類という謎っぷり。海外では食べることもあるそうだが、日本では天然記念物のため口にすること能(あた)わず……と思いきや、岡山県笠岡市にて食用カブトガニを発見した。しかも餡子入りときたもんだ。
・食べるところがない?
カブトガニについて、江戸時代中期の『大和本草』という本草学の書物では「形大なれども肉少なし。人食せず」といったことが記されている。古くよりカブトガニは、食べるために不向きとされていたことが伺える例だ。確かにパっと見、食べるところは少なさそうだな。
日本有数のカブトガニ繁殖地として知られる、岡山県笠岡市。世界で唯一カブトガニをテーマとした、カブトガニ博物館もある。記者も訪れようと、最寄駅から博物館に向かおうとしたその時、休館であることに気が付いた。2019年11月から12月にかけて空調工事のため、閉まっているとのことなので気を付けてほしい。
・ヤツはいた
話を戻そう。JR笠岡駅周辺のモニュメントやマンホール蓋などには、いずれもカブトガニがあしらわれている。至るところにカブトガニ、カブトガニ、カブトガニぃぃぃぃぃぃ!! まるで奈良における鹿のごとき扱いだ。
とある筋から駅周辺の「玉利軒」にて、カブトガニを購入できると聞いていた記者。グーグルマップを開き、店へと向かう。しかし、こんなにも街をあげて推している存在を喰らってしまって良いのか……一抹の不安がよぎる。
店に足を踏み入れ、ショーケースを眺めたところ、どうやら和洋菓子を売っている模様。本当に、ここにカブトガニがいるのだろうか。ぐるりと見渡すと、ヤツはいた。じっと息をひそめるようにして、ショーケースの隅から記者を眺めていたのである。
・食べてみた
冒頭に書いたように、このカブトガニには餡子がギッシリ入っており、まあ要するに饅頭だ。和洋菓子店に置いてあるのだから、当然の帰結だろう。 “かぶとがにまんじゅう中(4個入り税別1320円)” と “かぶとがにまんじゅう特大(1800円)” があったので、迷わず特大を購入。
ずしりと重い饅頭を持ち帰り、開封だ。記者は生きているカブトガニを見たことがないが、 “かぶとがにまんじゅう” は思わず動き出しそうなビジュアル。とてもソレっぽくて、思わずニヤリとしてしまうこと請け合いである。しかし、驚くにはまだ早い。食べてみるとさらにビックリなのだ。
カブトガニの血液は白く空気に触れると青くなるそうだが、その青い血の色を抹茶餡をつかうことで再現しているのである。なんという、こだわりだろうか! こんなにもカブトガニに対する愛情を感じられる饅頭が、この世に存在するなんて。なお、食感はあんぱんに近く、食べ応え十分。
そこそこ、しっかり甘く、お茶うけに出すと喜ばれること必至だ。なにはともあれ、玉利軒の “かぶとがにまんじゅう” はより深くカブトガニについて知りたい、そんな気分にさせられる逸品だった。もう少しカブトガニについて勉強し、いつの日かまた買いに行きたいと思う。
・今回ご紹介した商品を販売する店舗の詳細データ
店名 和洋菓子 玉利軒
住所 岡山県笠岡市中央町19の4
時間 08:10〜19:00
定休日 第3日曜
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
▼日本有数のカブトガニの繁殖地である岡山県笠岡市
▼JR笠岡駅にはカブトガニ関する簡単な展示コーナーも
▼玉利軒で購入した「かぶとがにまんじゅう」
▼特大は記者の顔と同じくらいの大きさ
▼デカい。そしてカブトガニらしさが良く表れている
▼美味しくいただきました
K.Masami














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