先日の記事でもお伝えしたとおり、中国のQRコード決済 Alipay が「クレジットカードからチャージ&利用可能」となった。これまで必須条件だった中国の口座は無くてOK、チャージは日本からでもOK、支払い機能が使えるのは中国大陸内のみと限定的ではあるものの、事実上締め出されていた外国人にとってはメチャクチャ朗報である。

そんななか、ライバルのWechat Payも「クレカからも利用可にする」と発表!! Wechatさん、決断早い! 中国、訪中外国人にとって優しい時代が到来か!

・Wechat Payとは!

中国QRコード決済のひとつ「WechatPay(ウィーチャットペイ / 微信支付)」。Alipayとシェアを二分しているが、Alipayと違う点は、WechatPayが独立したアプリではないということ。中国版LINEと呼ばれる「Wechat(ウィーチャット / 微信)」の機能の1つなのだ。まさしくLINEにおけるLINE Pay のようなものである。

・Wechat Payも現地口座なしで利用可へ

さて、Alipay が現地口座を持たない外国人も利用できるようになったことで、Twitter上では「Alipayへの乗り換え」を宣言する声も少なくなかった。

というのも、以前は外国人が使いやすい中国のQRコード決済といえばWechat Payだったところ、2019年3月頃から現地口座を持たないユーザーから「チャージができない」などの声が。そしてとうとう、口座なしだと凍結されるという報告が続出したのである。

……と、どんどん規制がキツくなってきたなかで、Alipay の外国人への開放はマジで朗報だったというわけだ。そしてそれを受けてだろうか、2019年11月5日、Wechat Pay もクレジットカード対応を発表した。

中国報道によると具体的には「VISA、Mastercard、American Express、Discover Global Network、JCBの5大ブランドとの提携を検討」。まずは列車チケット購入の12306、DiDiなど一部サービスを試験的に開放していくそうだ。そして同日、いちはやくVISAの大中華地区総裁・于雪莉(う・せつり)氏が提携を認めたとのことである。

・待ちきれないのでカードを登録してみた

朗報朗報! 中国旅、現金も使えないことはないけどやはり不便だもの……。Wechat Payがいつから外国人に開放されるかは不明だが、待ちきれなかったので登録してみることにした。

Wechatアプリを開き、トーク画面右上の「 + マーク」→「マネー」を選んでWechat Payを開く。

私が過去に登録していたカード情報はキレイさっぱり解除されていた。そこで新しくVISAのカードを登録してみたところ……


できたー!


最近はクレジットカードの登録さえ不可となったと聞いていたので、小さくガッツポーズ。もしかしてもうチャージ可能になった? ほら中国のサービスって予告なく仕様変更してくるし! と、期待しつつチャージ機能を開くと……

「Wechat Payを引き続き使用するには、現地法律にのっとり、中国大陸で発行されたType-I 銀行カードを登録し、本人確認情報を入力する必要があります」

というメッセージが出たのだった。ダメですかーッ、まだダメですかーーーッ!!

ということで、Wechat Payの外国人への開放はまだ発表段階であり、実装はされていないことが確認された。だが中国はこの手の仕事が早いものだ。そう待つことなくWechat Payも使えるようになるのではないだろうか。期待したい。

参照元:Wechat(iOS)IT之家新浪科技(中国語)
執筆:沢井メグ
Screenshot:Wechat(iOS)
Photo:Rocketnews24.