2019年3月に開幕し、日本各地で熱戦が繰り広げられるプロ野球ペナントレース。セ・リーグは王者、広島カープがスタートダッシュに失敗し、パ・リーグでは昨年最下位だった楽天が快調な滑り出しを見せている。まさに筋書きのないドラマ、これぞプロ野球の醍醐味であろう。

各チームとも15試合以上を消化しているが、4月18日に開催された「オリックス – 日ハム戦」では、もしかしたら歴史に刻まれるかもしれない珍プレー(好プレー?)が飛び出した。それは「1-2塁間真っ二つのサードゴロ」……。繰り返す「1-2塁間真っ二つのサードゴロ」である。

・特殊な守備シフト

ただ打って、ただ投げる。プロ野球の世界はそれだけで成功できるほど甘っちょろくはない。対戦選手のクセや傾向を分析し、データを駆使して相手に勝つ。データ分析だけの専門チームを編成することも、現代のプロ野球界では珍しいことではない。

分析の結果、はじき出されたデータは、配給やバッティングに活かされる。そして “シフト” もそのうちの1つだ。シフトとは特殊な守備体形のことで、バントシフトやゲッツーシフトがその代表例だが「オリックス – 日ハム戦」で飛び出したシフトはかなり特殊だった。

バッターはオリックスの若き大砲、吉田正。左打ちで引っ張る傾向が強い吉田正に対し、日ハムは三塁手の横尾が1-2塁間のやや後方へ。つまり、サードを空っぽにして1-2塁間に3人の内野手を配置したのだ。

そしてこれがズバリ的中! 本来なら1-2塁間真っ二つのクリーンヒットになるハズの打球は横尾のミットへ。記録はサードゴロとなった。ここまで極端な守備シフトは滅多になく、またハマる例も少ないので今回のプレーは歴史的な珍プレー、日ハム側からすると好プレーになるかもしれない。

とにもかくにも、今回のプレーで身体能力だけがプロ野球の見所ではないということはおわかりいただけたのではなかろうか? すべては勝利のために。熱戦が繰り広げられるプロ野球ペナントレースから目が離せない。

参照元:Twitter @PacificleagueTV
執筆:P.K.サンジュン

▼動画はこちらをどうぞ。

▼サード側がこんなにがら空きなのだ。