春だなあ~。記者くらいの年齢になると、春と言っても、取り立ててなにか変化がある訳ではない。明日はきょうの続きでしかないのだ。それどころか、春が来たことにさえ気付かずに終える可能性さえある。まあ、歳を重ねるとそんなもんだ。たぶん。

しかし若い諸君の中には、新しい生活を前にヤル気をみなぎらせている人もいるだろう。中でも学校を卒業して、就職するソコのあなた。まずは、おめでとう。そして水を差すようで非常に申し訳ないが、アレには十分気を付けるように。そう……ブラック企業だ。

・働いている最中は気付かない “ブラック” さ

就職したものの、実際に働いてみると「思ってたんとちゃう……」ということはよくある。世の中そうそう、思い通りにはいかないものだ。そこで踏ん張り頑張るのも良いが、個人的にはいさぎよくスパっと辞めるのもアリだと思っている。

特に、明らかなブラック企業に勤めてしまった場合は、一刻も早くその場を離れるべきだろう。「今辞めたら、次の就職に悪影響を及ぼすのでは」「急に辞めたら会社に迷惑がかかる」などと考えてしまうだろう。その気持ちはわかる。

しかし、同じ時間は二度とは戻ってこない。自分を大事にしても罰はあたらないはずだ。とは言え、ブラック企業というのは働いている最中は案外、気が付かない。そこでブラック企業に勤めた記者の体験をもとに、その見分け方を以下に示してみた。あくまでも個人的意見ではあるが、参考になれば幸いだ。


・しょっちゅう求人広告が出ている

「ブラック企業あるある」にも書いたが、まず頻繁(ひんぱん)に求人広告を出している会社は怪しい。それだけ辞めていく人が多いのだ。

また、たいした採用試験や面接もなく比較的簡単に入社できてしまう場合も気を付けてほしい。なぜなら、会社側が一刻も早く働き手を欲しがっている証拠だからだ。これも求人広告同様、辞める人が多いと考えらえるだろう。


・有給、休日手当てが無い

そして当然のごとく、ブラック企業に有給なんてものは無い。まだ “有給の存在感” が、わずかでもある場合は良い。有給の “ゆ” の字も話題に上がらず、会社側が「は? 有給ナニソレ?」という顔をしている場合はアウトだ。ブラック企業どころか、漆黒企業である可能性は否めない。

そんな会社は、当然のように休日出勤も強要されることだろう。休日手当なんて1銭も出ないのに──。ここまでくると働く意欲がなくなり、何のために生きているかさえわからなくなる。好きなことを仕事にしていたとしても、しんどくなることは間違いない。


・精神論を聞かされる会議や朝礼

そのほか、会議や朝礼などで上司が脈絡なく精神論を語り始めたら終わりだ。「やればできる!」「売り上げが伸びないのは気合が足りないからだ。気合いだ!!」などなど。明確な理由のない、精神論だけを語る宇宙人には聞き耳を持たなくてよい。その場では心を無にすることをオススメする。


読者の中には「コレくらい言われなくてもわかるし(笑)」と思う人もいるかもしれない。しかし、その場に身を置いてみると意外と見えなくなるものなのだ。このほかにも色いろとブラック企業の特徴はあるが、まずは冷静に周りを見ることができる心の余裕を持つよう意識してほしい。

ちなみに風のうわさで、以前記者が勤めていた新聞社はこの春で休刊(事実上の廃刊か)になると聞いた。いやはや、あのまま働き続けてたら、会社と共倒れになっていた可能性があると思うとゾッとする。新社会人のみんなも、くれぐれも気を付けてくれよな! 

Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.