タイのバンコクからバスに揺られること2時間強。常夏のパタヤへ行ってきた。

パタヤビーチへようこそ!」というコントでおなじみ! で通じるかと思ったら、あれはもう20年前のことのようだ。月日は流れたり……。

20年越しに見る本物のパタヤビーチは人もまばらである。しかし私がここへ来た理由はビーチじゃないので全く問題ない。あまり白くない砂浜と青くない海をチラ見だけして、来るべき夜のためにバッチリ仮眠をとる。

・タイ随一の夜遊びタウン

バンコクやプーケットもスゴイが、パタヤの夜の繁華街はマジでスゴイ。タイ随一の夜遊びタウンとも言われるほどと言えば、何となく想像がつく人もいるのではないか。個人的には、1人や女性だけの旅だと踏み込む勇気が持てない通りもあり、ストリップやゴーゴーバーの横をトゥクトゥクで爆走するのが関の山である。

だから結局のところバンコクのほうが遊びやすい気もして、異国の夜遊びはムズイのだ。願わくば屈強な男性といつか訪れたい。

・ニューハーフの聖地

今回パタヤを訪れたのは他でもない、本場のニューハーフショーを観るためである。2009年にタレントのはるな愛さんがグランプリを獲ったことで有名になった、ニューハーフの世界一を決めるコンテスト「ミス・インターナショナルクイーン」は毎年ここパタヤで開催されている。まさにニューハーフの聖地なのだ。

今回はパタヤで1、2を争う人気店『ALCAZAR』(アルカザール)へ行ってきた。

ここは1000人収容の大劇場で、1日に数ステージのショーが開催される。


・事前のネット予約で割引

タイという国にはなぜだか女性っぽい男性が多く、お綺麗な方が街中のコンビニなどで普通に働いていらっしゃる。そんな激戦区においてトップを張るニューハーフの方々とは、一体どれくらい綺麗なのだろう?

なお、こちらの店では1番高いVIPシートが600バーツ(約2100円)と、日本の物価からすると安めだったのでVIPを購入。前から3列目の好位置をゲットだ。本当は1000バーツらしいが、事前にネット予約すると割引が適用される。日本のサイトから購入可能なので、行く人は覚えておこう。


・ショー開演!

ショーは音楽に合わせた10分くらいの演目のあと、暗転をはさんでまた次の演目……と続く。まず短髪にズボンをはいた若い男の子のダンサーが踊り、そのあとに女性の格好をしたニューハーフの方が登場、という流れが多かった。

短髪の男の子とはいってもピタピタの衣装からはヘソやお尻がのぞいており、時おり客席の男性に向かって投げキッスなどを飛ばすさまは、女装こそしていないものの恐らく俗にいう「オネエ」の方なのでは……? という思いが強まる。しかしどこかに書いているわけではないので、定かではない。

また、ニューハーフの方々の中にも明確にセンター、センターの横、その後ろ……というふうにランクが存在していてAKB状態だった。

こんな当たり前のことを言いたくないけれど、皆さん本当に綺麗でスタイルがよく、思わず「桃源郷か」と呟かずにはいられなかった。しかし、あくまでも個人的な好みではあるが、必ずしも1番の美人がセンターを務めているというわけではないような気がする。

例えば、この日私が目を奪われたセンターの方は背が低く、顔は女性というより「化粧をした男性」であったけれど、彼女はステージ上の誰よりもゴージャスだった。うまく言えないけれど、センターともなると「風格が違う」のだ。


・いろんな国をイメージした演目

オープニングのショーが終わると、「ボヨヨヨ〜ン」という音響とともにヒンディー語らしき歌が流れ始めた。

そしてインドっぽいセットに光が照らされ、インドっぽい衣装に身を包んだダンサーたちがインドっぽい踊りを踊り出す!

なぜタイでインド? と思っていたらお次は中国っぽいショーが始まった。

どうやら世界のいろんな国をテーマにした演目が続くようなのだ。自国をテーマにしたショーを異国のおネエさんが踊ってくれたなら、誰だって嬉しくなっちゃうに決まっている。観光地ならではの粋なはからいである。この流れだと恐らく我が国も……! いやが上にも期待が高まる……。

その次は韓国っぽい感じ……。

次は中東あたりのどこかの国風。くるか……? 次あたりそろそろ……?

……アメリカ風でした。

さすがおネエの皆さん、じらす作戦ということだろう。さあ、いいかげん来てくれ! そろそろ日本風……!


と、思ってたら終わっちゃったーーーー!!!!


窓口の人に聞いたところ、数年前までは日本風の演目もあったのだが日本人観光客が減少したため取りやめになったのだという。

そう言われて会場を見渡すと、この日は客の半数以上がインド系の風貌だ。2割が西洋人。残りがアジア系なので日本人もいるかと思ったら、ほとんど中国人と韓国人らしい。

……日本人が少なくて寂しい気分になるとともに、世界の景気動向が垣間見えた気がした。


・写真を撮ってもらえるよ!

会場を出ると、外にはセンタークラスのおネエさんたちが集結し大撮影会が始まっている。

チップを100バーツ渡すと一緒に写真を撮ってもらえるので、さっそく推しの方に近寄ってお願いしてみた。正確には70か80バーツでよかったはずだが、小銭を渡すのも気が引けたので潔く100バーツ紙幣を手渡す。日本人はケチじゃないというところをアピールできたなら幸いである。

私は身長168センチなので女としては低くないほうだが、おネエさんと並んでみて自分の背の低さと顔のデカさを思い知った。

男性の体からスタートしてここまでの美貌とプロポーションを手に入れるまでに、おネエさんたちのしてきた努力は並大抵じゃなかったはずである。輝く彼女たちを見て「帰国したらジムに通おう」と心から思った。

「せっかくなのでもう1枚」と別のおネエさんに声をかけたら「友達も一緒に撮りましょう」と言うので、喜んで一緒にポーズをとる。すると「ハイハイハイハイハイ100バーツ!」……とはもちろん言われなかったが、チップを2人分請求されたのでハッとした。

考えてみれば当たり前なのだけれど、商魂たくましいおネエさんたちは「私も私も」とやってくるのでほどほどで退散しよう!

いつの日かここで日本風のショーを観てみたい……。日本の皆さん、行こうよパタヤへ!

Report:亀沢郁奈
Photo:RocketNews24.

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