JR線の普通列車が5回分乗り放題になる「青春18きっぷ」を利用すれば、国内各地に安く遠く旅をすることが可能だが、実は……海外にも激安で行ける裏ワザがあるのはご存知だろうか。目的地は韓国・釜山(プサン)で、往復にかかる移動費は約1万円! 破格の安さである。

気になる方法をズバリ言ってしまうと……山口県下関市『関釜フェリー』の「青春18きっぷ旅 大応援キャンペーン」に申し込むだけでOK。「下関-釜山」間のフェリー2等旅客運賃が半額になるということで実際に試してみたぞ。それではさっそくご覧あれッ!

・事前予約が必須

まずこのキャンペーン、事前予約が必須である。電話で乗船予約をする際に「青春18きっぷの応援割引を利用します」と伝えよう。「名前」「生年月日」「パスポート番号」等を聞かれるから、パスポートを手元に用意して連絡するとスムーズだ。

また、割引適用期間は「青春18きっぷ利用可能期間」と同じで、当日は窓口で期間内の「青春18きっぷ」を掲示する必要がある。ちなみにスタンプの数は関係なく、未使用でも使用済みでもOKとのこと。アンケート兼割引申請書もプリントアウト & 記入して窓口に持参しよう。

・割引対象外の区間もある

割引対象となる区間は「下関-釜山(往復)」と「下関から釜山(片道)」で「釜山から下関(片道)」は対象外。割引価格となるのは、2等旅客運賃だ。いわゆる雑魚寝(ざこね)の大部屋が通常・大人片道9000円のところ、半額の4500円となる。

また、港湾施設使用料・燃料サーチャージが約1300円(2018年12月時点)かかり、2019年1月7日の下関発便より「国際観光旅客税(出国1回につき1000円)」が別途必要となった。

・下関港国際ターミナルへ

さて、前置きが長くなってしまったが、電話予約 & アンケートを記入して当日訪れたのが、JR下関駅から徒歩約10分の「下関港国際ターミナル」だ。受付手続きは18時30分までで、下関発は19時45分。釜山に到着するのは翌朝8時。つまり「船内で1泊」である。

乗船の流れは飛行機とほぼ一緒。出国審査を受けたら免税店をチラ見して船内へ。ちなみに今回お世話になる船の名前は「星希(ソンヒ)」。スタッフも乗客もほとんどが韓国人……てことで、気持ち的にはもう韓国入国である。イエーイ! サランヘヨー!


・日本船と韓国船の交互運航

聞けば、下関からは釜山までは毎日船が出ていて、日本船「はまゆう」と韓国船「ソンヒ」が交互に運航しているらしい。なるほど、この日は韓国気分を存分に味わえるソンヒ号というわけだな。最高ですね~。

・船内を探検

さあさあ、指定された102号船室のひと区画に荷物を置き、さっそく船内を探検。すると……おっ、まずは韓国大手のコンビニ『GS25』を発見ッ! こちら日本円でも韓国ウォンでも支払い可能だ。


そして自販機は日本円専用。缶ビールは免税価格で1本200円だってよ! ナイス!

それから大浴場は22時30分まで。カラオケやゲームセンターもある……っていうか、マジで快適すぎるだろ。

レストランのメニューは「韓国味噌チゲ定食(900円)」や「キムチチゲ定食(900円)」「プルコギ定食(1200円)」などなど、やはり韓国料理が豊富なもよう。夕飯はここで決まりだな。よし、入ろう。

・韓国味噌チゲ定食で完全に韓国気分

筆者が注文したのは “そこまで辛くない” とオススメされた「韓国味噌チゲ定食」。味噌チゲは豆腐、ジャガイモ、玉ねぎ、えのきなど具だくさんで食べ応えMAX。体の中から温まる一杯であった。繰り返しになるが、気持ち的にはもう完全に韓国に入国している。もう完全にだ。


さて、食後に大浴場でスッキリしてから、コンビニで韓国ビール「カスフレッシュ(215円)」を購入。味は薄いが……全然OK。とにかくアレだ、いつもと違う景色や味を楽しむのが旅なのだ。そんなこんなで船の揺れも心地良いからか、まだ22時前だが眠くなってしまった。よし、部屋に戻って寝よう。

同部屋には日本人家族が1組、すでに寝ている様子。船内は22時30分で消灯となった。横になったら船の揺れが全身に伝わるんだな~とか考えていたら、いつの間にか夢の中へ。なんというか、のんびりとした船の旅も悪くないなァ~。

・大浴場は5時30分から

目が覚めたのは、夜明け前の5時30分頃。船はすでに釜山港内に到着しているようだが、税関や入国管理業務が開始する8時までは接岸せずに待機するらしい。オッケーオッケー。「今、船を出てください」と言われても困るからナイスだ。とりあえず朝風呂入っとくか。

朝風呂 & コーヒーでスッキリしてからデッキへ行くと……おおお~最高の天気ですよー! よーし朝食は船内ではなく、釜山の繁華街・南浦洞(ナンポドン)で食べるぞ。てことで、8時ジャストに船を出て入国審査を経てからの韓国入国となった。イエーイ!

・疲れはナッシング

移動疲れはほぼほぼゼロ。船内は想像以上に快適だった。さてさて、筆者は同日21時発「下関行フェリー」で日本に帰るため、18時までに釜山港に戻ってくる必要がある。タイムリミットは約10時間だ。さっそく釜山港から15分ほど歩いて釜山駅へ。地下鉄の「1日乗り放題チケット」を5000ウォン(約500円)でゲット!

朝食は「キンパッ」の専門店『コボンミンキンパッ』で食べることに決めた。キンパッとは “韓国風のり巻き” のことである。

定番キンパッは具材がギッシリ7~8種類詰まっていて、ゴボウの甘煮が味のポイント。トッポッキのソースを付けて味の変化を楽しむのもオススメらしい。「キンパッ」と「トッポッキ」で朝食は6500ウォン(650円)。とにかくめっちゃボリューミーで、食べきれなかった分は包んでもらった。


・甘川文化村を観光

朝食の後は観光だ。目指すは “韓国のマチュピチュ” として名高い「甘川文化村(カムチョンムナマウル)」。地下鉄で「土城駅」からタクシーで坂道をグングン上った先に村の入口がある。乗車時間は7~8分で料金は約500円、なかなか良心的だ。

甘川文化村は、朝鮮戦争の際に北朝鮮から逃れてきた人々が山肌に作った集落のこと。2009年からスタートした「マチュピチュプロジェクト」によって、村全体がカラフルに生まれ変わったらしい。てか、町をまるごとカラフルにするってスゲーな。

・IKKOさん絶賛の焼肉店へ

ちなみに、今回の旅の目玉はこの「甘川文化村」と……「デジカルビ」である。で、甘川文化村も良かったが、結果的にデジカルビが最強だった。デジカルビの “デジ” は “豚” のことだが、今回狙ったのは、観光客がほぼいない地元の有名店『チャンマッ炭火王カルビ』だ。

実はここ、以前にテレビでIKKOさんが「いくらでも食べられる」と絶賛した焼肉屋。日本語も英語も伝わらなかったが「IKKOメニュー!」と言ってみたところ、スムーズにデジカルビ3人前(3人前から注文可能らしい)セットが登場。タレはもちろん、ネギサラダと一緒にカルビを食べるのが最強とのことだ。

自家製にんにく醤油ダレに漬け込んだデジカルビは、店員さんが手際よくジャジャーッと焼いた後にハサミでジョキジョキ。んで、パクッと食べてみたら……あああああ~マジで最強に美味い! 3人前じゃ足りないレベルで美味すぎる! やわらか~~。どんだけ~~。

しかもここ、めっちゃ安い。デジカルビは1人前8000ウォン(800円)で、先述の通り、3人前から注文可能。場所は、地下鉄「広安駅」から歩いて30分ほどだが、海岸沿いを歩いて行けば意外とあっという間である。マジで要チェックだぞ。

・おみやげを購入

さて、釜山の中心「西面(ソミョン)駅」に戻り、ロッテ百貨店のデパ地下で「韓国海苔」等をザクザク購入。正直そこまで買うつもりはなかったが、営業のおばちゃんの押しの強さに負けてザクザク買ってしまった。まあOK、これも旅の思い出……としておこう。

その後は、韓国コーヒーチェーン『HOLLYS COFFEE』で疲れを癒してから、ロッテリアで韓国オリジナルの「プルコギバーガー」を3800ウォン(380円)で買った。注文はタッチパネル式でカード払いもOK。ご当地バーガーはテンションが上がるが、数時間後、帰りの船内で食べたバーガーの味は……まあ普通だったな。

・帰りも韓国船

──そんなこんなで、釜山港に戻ってきたのは18時ギリギリ。「下関行フェリー」受付後に出国手続き・乗船となった。韓国に滞在した時間はたったの10時間だったが、帰りも韓国船のソンヒ号だったため、下関到着ギリギリまで韓国気分を味わえたぞ

夜の釜山港も幻想的だ。レインボーにライトアップされた釜山港大橋をくぐり抜けていざ日本へ出発。飛行機に比べて移動時間が長いのがネック……かもしれないが、移動時間も込みで楽しめるのが鉄旅・船旅である。

ちなみに、今回の「青春18きっぷ」を使った船旅は、3連休にピッタリのスケジュールだ。土曜の夜に出国月曜の朝に帰国って感じで、無理なくプチ海外旅行を楽しめるから、機会があればぜひチャレンジしてみてくれ!

参考リンク:関釜フェリー「青春18きっぷ旅 大応援キャンペーン
Report:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.