突然だが、みなさんは こんなことを考えたことはないだろうか。「イカの一夜干しって、本当に一夜だけ干した状態がベストなのだろうか?」と。もっと言うなれば、「二夜干しとか三夜干しの方が、一夜干しよりウマくなるんじゃないのか?」と。

「そんなこと考えたこともない」って人もいるかもしれないが、私にとっては長年気になって気になって仕方がないことの1つだったので、“常識を疑え” の精神で検証してみることにした。以下(※ダジャレじゃない)で結果をお伝えしよう。

・イカの気持ちをあえて無視せよ

この検証において何より必要なのは、心を鬼にすることであろう。なにせイカの立場になってみれば、干されるのは一夜限りかと思いきや、もう一夜干されることになるのだから。

イカ的には兵役の延長みたいなものであり、映画『愛と青春の旅だち』でいうなれば、士官学校の卒業式を迎えたリチャード・ギアに、「お前、もう一回やり直し」と告げるようなものである。鬼軍曹でなければできないことだ。

というわけで、私は買ってきたイカの一夜干し(2枚入り)のうちの1枚を取り出し、情け容赦なく干した。そしてそのまま無言で立ち去り、一晩放置。

翌朝になって様子を見てみると……


明らかにヤツれていた


──と分かっていたにもかかわらず、私はそのまましばらく放置プレイを続行。夜になり、お腹が空いてきた頃にようやくイカを解放した。その時点でイカを見たら、ボディが絞られまくっている

いいね〜。なんとなく、タフに見えるよ。その分、ウマ味が凝縮されてるんじゃないのか? どうなんだ?


・味を確認

実際に食べて確かめてみることにしよう。網で「二夜干し」のイカを焼き……


出来上がったところで、いざ実食。


旨味がマシマシかというと……



「そうでもない」


とはいえ、決してマズいわけではない。旨味がマシマシ……というか、凝縮されているとは言えるのかもしれないが、何より食感的にあまりよろしくないのだ。これは、干されてヤツれたイカを見たときに何となく気づいていたことであるが、カタいのである。

・一夜干しと比較

とりあえず、比較のために普通の「イカの一夜干し」も軽く炙ってみよう。すると……

見た目からして、「二夜干しのイカ」とはプリプリ感が別次元。口に入れても、やっぱりプリプリ。味自体はそれほど差がないような気もするが、食感がまるで違うのだ。

例えるならば、一夜干しのイカは出来たてのハンバーガーで、二夜干しの方は机の上に3時間ほど置いたハンバーガーである。時間を置いたハンバーガーの方が「味がしみてる」と言えなくはないものの、パティなどがパサパサになってしまうため「出来たてのハンバーガーよりも美味しい」と言うのは厳しいであろう。

早い話が、「やっぱ一夜干しの方の方がウマいわ」ってことなのだが、決して「二夜干しがマズイわけではない」ってことは、繰り返し言っておきたい。

編集部のメンバーにも食べてもらったところ、二夜干しのイカを「マズい」と言った人は1人もいなかった。それだけは、それだけは……! 二夜を耐え抜いたイカのためにも伝えておきたい……。

執筆:和才雄一郎
Photo:RocketNews24.

▼編集部内で二夜干しのイカを実食したところ割と好評で……

▼中には「普通にウマい」という意見も飛び出し……

▼誰もマズいとは言わなかった

▼二夜干しのイカ。これはアリ……かも!?