私たちが日々お世話になっている「漢字」。ひらがなも良いが、漢字は見ただけで意味が想像できたりもするのでとても便利だ。とは言え、逆に何と読むのか、何を意味するのかサッパリ分からない漢字に遭遇する機会も少なくない。

特に難しいのが地名と人名で、最近の子どものキラキラネームは全く読める気がしない。しかし、名前が難しいのは人間だけではないぞ。「妖怪」の名前だって難しいのだ。以下に5つ挙げてみたので挑戦してくれよな。あなたはいくつ読めるだろうか……!?

【難読な妖怪名5連発】

・姑獲鳥
【読み】ウブメ

京極夏彦さんの小説『姑獲鳥の夏』で一躍有名になったので、読めたと言う人は多いだろう。一般的には、お産で死んだ女性がウブメになると言われている。死後、胎児を分娩せずに埋葬するとウブメになってしまうので、子どもを取り出して埋めるべしなどとも伝わる。ウブメほか、コカクチョウとも読むことができる。

・陰摩羅鬼
【読み】オンモラキ

読めなくはない……と思うが、いかがだろうか。死人の気が変じてオンモラキになると言われる。字面を見ただけでは、どういったモノか全く想像できないだろうが、『今昔画図続百鬼』という江戸時代の画集には「姿は鶴のようで、体の色が黒く、眼光は灯火のようで、羽を震わせて甲高く鳴く」とある。

・倩兮女
【読み】ケラケラオンナ

これを読めた人はなかなか漢字に強い人であると思われる。調べてみたところ「倩」は美しいといった意味があるようだ。ケラケラオンナはけらけらと笑う女性で、巨大なモノとして描かれる場合が多い。人を惑わす力もあるようで、数々の人を弄(もてあそ)んだ淫婦の霊ではないかという話もある。

・絡新婦
【読み】ジョロウグモ

こちらも京極夏彦さんの小説『絡新婦の理』を読んでいる人はサクッと読めただろう。しかし本来は女郎蜘蛛と書いたはずで、絡新婦は漢字名を当てたもの。漢字1字ずつを音訓で読まず、まとめて訓読みする熟語・熟字訓か。それ故に、知らなければ読めないのではないかと思う。読んで字のごとく、蜘蛛の妖怪だ。

・暮露暮露団
【読み】ボロボロトン

トンと読むところがミソだ。一見すると簡単な漢字の羅列なのだが、意外と読み辛いのではないか。ぼろぼろになった布団妖怪のこと。みなさんの家庭にも1枚くらい眠っているかも……。

──以上である! 

テレビアニメなどの影響で「聞いたことある~」という妖怪名もあったことだろう。とは言え、よほどのオバケ好きでない限り苦戦したのではないかと思う。このほかにも難読妖怪名漢字は存在するので、気になった人は自分でも調べてみてはいかがだろうか。

執筆:K.Masami
イラスト:稲葉翔子