世の中はうまくできているなあと、フト感じることがある。奈良県といえば鹿が有名で、奈良公園のあちこちに鹿が棲息する。そのため雨上がりなんかには、辺り一面が動物園のような香りに包まれるが、不思議なことに公園内はいつも奇麗。鹿の糞(ふん)が散乱している……という状況はあまり見かけない。
実はコレ、鹿の糞をせっせと片づけてくれているヤツらのおかげなのだ。そのヤツらとは糞虫(ふんちゅう)、俗にいうフンコロガシだ。糞虫マニアにはたまらなくアツいスポット奈良であるが、この度『糞虫館』なる私設博物館がオープン。糞虫に対するイメージがガラリと変わる館だったことをお知らせしたい。
・糞虫に特化した博物館が奈良にオープン
近鉄奈良駅から歩いて15分程度、水本生長堂仏具店という仏具店の南側にある細い路地を入ると「ならまち糞虫館」が見えて来る。糞虫に特化した博物館だなんて、変わった人が作ったんだろうなあなどと考えながら扉を開く。迎えてくれたのは館長の中村圭一さん。
子どものころから昆虫が大好きだったという中村さんは中学生の頃に糞虫の存在を知り、以後奈良をはじめ各地の糞虫を蒐集(しゅうしゅう)。自身で集めたものをはじめ、各地の糞虫をズラリとそろえた『糞虫館』を2018年7月8日にオープンさせた。
・驚きの連続
館は二部屋に分かれており、一つ目の部屋には奈良をはじめとする日本の糞虫と、世界の糞虫が展示されている。これまでの糞虫と言えば正直、フンを転がす生きもの程度のイメージしかなかった。がしかし実際に目にすると「なんだこのカッコイイ生き物は! 角生えとる!! 色がキレイ!!」と驚きの連続。
特に記者が驚いたのはオオセンチコガネ。特に記者が驚いたのはオオセンチコガネ。こちらの虫は地域によって色に差があるらしく、奈良公園に生息するものは奇麗な瑠璃色なのだ。しかも聞いて驚け、このオオセンチコガネはフンを転がさないのだとか。むしろ転がさない系の糞虫は少なくないという。ナンテコッタイ。
・糞虫の数と種類に圧倒される
続く二つ目の部屋には標本がぎっしり。中村さんが「(館内の展示物は)何種類いるか数えたことがないからわからない」と笑うのも納得な、数と種類の豊富さ。圧倒されること間違いなしだぞ。
これまで糞虫と言えば記者は『ファーブル昆虫記』に登場するものくらいしかイメージがなかったが、そのイメージがガラッと塗りかえられる博物館。何より印象的だったのは心の底から楽しそうに、展示されている糞虫について説明をしてくれた中村さんだ。あんなに楽しそうにしている大人は久しぶりに見たぜ……。
奈良の新名所として、これからさらに人気が高まる予感がする『糞虫館』。要チェックやで!
・今回ご紹介した店舗の詳細データ
店名 ならまち糞虫館
住所 奈良県奈良市南城戸町28-13
時間 13:00〜18:00
開館日 土日のみ
Report:K.Masami
Photo:Rocketnews24.
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▼糞虫ってこんなにカッコ良いんだなあ~!
▼角がスゲー
▼奈良にオープンした「糞虫館」
▼細い路地を抜けたところにある
▼国内外の糞虫が勢ぞろい
▼館長の中村さん! お世話になりました~
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