みんな大好きカレーライス! どんな街にも大体カレー専門店があることからも、その人気がうかがえる。インドカレーから欧風カレーまで何でもござれだ。そんな専門店の凝った味も良いけれど、私(中澤)がたまに猛烈に食べたくなるのが「オカンのカレー」である

夕暮れ時に漂ってきたカレーの匂い。家に帰ると同時に爆発した食欲。思い出すだけでヨダレが出そう。この度、そんな懐かしさを感じるカレーに出会った。場所は秋葉原、店の名は『みのがさ』……そう、そば屋である

・懐かしさ漂うビジュアル

ウマいそば屋を求めて色んな街を放浪する「立ち食いそば放浪記」。岩本町の『みのがさ本店』のそばについてはこれまで何度かお伝えして来た。上質な信州そばと立ち食いそばのB級的なセンスが融合したこのそば屋。値段も安価で、食べれば食べるほどまた来たくなる味なのだが……

実はこの店、カレーライス(税込490円)も相当良い。来る度にメニュー写真の銀皿に乗ったビジュアルが気になっていた私。ついに注文してみたところ……

深めの銀皿に横たわるトロトロのルー! やだ! もう見た目から懐かしい!! スプーンですくってみたところ、サラッと流れずモッタリたまる。求めてたのはこのトロみ! 一気にかき込んだ!!

・いつかのカレーライス

ひと口食べると、コク深いカレーの辛みの中から、出汁の風味が鼻に抜ける。モッタリしたルーのコクと、スッキリした後味。これぞ、「そば屋のカレー」の真髄だ! ウメェェェエエエ!!

その時、遠くでセミの合唱が始まった。水田の稲に輝く水滴、眩しすぎる太陽、洗われたような空の青。突然の夕立に降られて泣きそうな時、家の軒先から漂ってきたカレーの匂い。それは安心そのものだった。

いつの間にか忘れていたあの頃の気持ち。カレー皿はすでに空っぽだったが、私はスプーンを止めることができなかった。なぜなら、私には見えるからだ。皿いっぱいに盛られたあの時のカレーが

いつからだろう? 心のカレーが空っぽになってしまったのは。自問自答してみても答えはルーに溶ける。だがしかし、まぶたを閉じればこの胸には『みのがさ』のカレーがあった。ならば私も動かし続けよう。心のスプーンを。

・今回紹介した店舗の情報

店名 みのがさ 本店
住所 東京都千代田区岩本町3-10-5
営業時間 月~金11:30~14:00 / 17:30~23:30は立ち飲み屋として営業
定休日 土、日、祝

Report:立ち食いそば評論家・中澤星児
Photo:Rocketnews24.

▼あふれ出る懐かしさ

日本、〒101-0032 東京都千代田区岩本町3丁目10−5