かつて中国住みだった沢井メグが中国料理を粛々と紹介するコーナー『沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』。
ちょっと間があいてしまったが、第9回は「麻辣燙(マーラータン)」を紹介したい。スパイシーなスープに好きな具を入れて食べる「お一人様鍋」的なアイツ。満足感が高く、野菜もたっぷり摂れるというのに、日本ではあまり見かけないんだよなぁ。……だったら自分で作ってしまえ!
・麻辣燙(マーラータン)とは!
パンダと麻婆豆腐でお馴染み! 四川省発祥の麻辣燙(マーラータン)。その名のとおり麻(マー:痺れる辛さ)で辣(ラー:唐辛子の辛さ)な料理だ。英語では「Spicy Hot Pot」と書かれる。
たまに「麻辣 “湯” 」と見かけることもあるが、これは誤記。正しくは「湯(スープ)」ではなく「やけどするほど熱い」の意味を持つ「燙」。「麻辣燙」なのだ。
・複雑な味を家で再現するには?
さて、現地の麻辣燙スタイルはこんな感じだ。店内に具材がバラ売りされており、客は好きなものを選んで持ってお店の人に渡す。
具材は、ラーメンの湯切り用のザルみたいな入れ物に入れられ、他人のザルと一緒に大鍋で煮られる……というものだ。たまに人の具が紛れ込んで「ラッキー♪」なんてこともある。ということは、つまり……
そう! スープは香辛料の味だけでなく、いろんな具材の旨味がしみ出しており、実に複雑で奥深い。自宅で、しかも日本で作るのは難しいかなと思っていたが、アイツが簡単に解決してくれた。魔法の中華調味料「味覇(ウェイパー)」である!
それでは、味覇で作るおうち麻辣燙、いってみよー!
【スープの材料】
・味覇:小さじ1 ※創味シャンタンでもOK!
・ニンニク:3かけ
・ショウガ:3かけ
・花椒:大さじ1+小さじ1
・唐辛子:5本
・豆板醤:大さじ1.5
・水:250~400ml ※使用される豆板醤の塩分に合わせて加減してください
・五香粉:少々 ※あれば
【作り方】
1.ニンニクは粗みじん切り、ショウガは薄切りに。唐辛子はヘタを切って種を出しておく。
2.油をしいた鍋にニンニクとショウガを入れて火にかける、香りが立ってきたら花椒 → 唐辛子 → 豆板醤の順に入れ、焦がさないように軽く炒める。
3.豆板醤の香りが立ってきたら、水で溶いた味覇を入れる(水の量は使用する豆板醤の塩分に合わせて加減してください)。五香粉を使う場合はここで軽くふっておく。
4.弱火でコトコト15分ほど煮て完成!
たったこれだけ! スープの作り方はたったこれだけ!! お店の麻辣燙は、自然発生的に様々な旨味が混じりあっているが、家で作る場合はその旨味を味覇や創味シャンタンで補うというわけだ。肉エキスや野菜エキスが入っているからね!
ちなみにスープは、火から降ろしたあとしばらく置くとより美味しくなるぞ。私は「一晩寝かせたカレー」よろしく、寝る前に仕込んでから翌朝食べるのが好きである。
・好きな具を入れて食べよう!
では、いよいよ具を入れて食べてみよう。麻辣燙は何を入れても自由だが、私のオススメは「白菜」「葉物野菜」「はるさめ」「キクラゲ」「肉団子(肉系の練り物)」「魚団子(魚系練り物)」だ。この組み合わせだと、スープの旨味がマシマシになるんだよなぁ。
今回、肉丸や魚丸が手に入らなかったので、肉シュウマイとエビ餃子で代用したところ……ハオチィィィィィィィッッッッ!!!!(好吃:おいしい) 好吃得不得了!!(際限なくウマイ!!)
家で麻辣燙ができるとは……それもこんなに簡単にできるとは……。もう謎チェーンの「ナンチャッテ麻辣燙」なんかイラネ。そう思ってしまうほど美味しい。麻辣燙好きや、辛いもの好きな人は是非試してみてくれよな!
Report:沢井メグ
Photo:Rocketnews24.
★こちらもどうぞ→『沢井メグのリアル中華 / 現地日本人にも超絶愛されているのに、なぜかイマイチ日本でメジャーでない中国料理』シリーズ
▼材料を炒めて、ぐつぐつ煮るだけ
▼そして好きな具を入れて、火を通せば……
▼できたー! お好みで刻み葱を入れたり、追いニンニクしても好(ハオ)
▼黒酢で味変させても美味しい! あああ、ビールやコーラと食べたらマジ最高だ
▼なお豆板醤は郫県豆瓣醤がオススメです