2017年の新語・流行語大賞は「インスタ映え」、「忖度(そんたく)」だった。2018年はどんな言葉が大賞に選ばれることになるだろうか。昨年の言葉から考察すると、あるひとつの言葉が浮かび上がってくるのだ。それは今年もっとも注目されている1人の芸人の口癖。

その人物は……安田大サーカスのクロちゃんだ。今や何をやっても炎上してしまう彼がネットに及ぼす影響は計り知れず、Twitterのフォロワーはもちろん、フォローしていない人にまで届いてしまうようだ。彼の口癖が、新語・流行語大賞の候補にあがるのではないだろうか。

・SNSの影響

昨年大賞に選ばれた「インスタ映え」は、割と日常的に使われている言葉のひとつだった。アクティブにSNSを利用する人にとっては、すっかり定着した言葉だと言えるだろう。つまり、「一般に浸透しているかどうか」が、大賞に選ばれた理由の1つであることは間違いない。

では、クロちゃんはどうなのかと言うと……ある言葉が今まさに、静かに広まっているようだ。その言葉とは、語尾につく「しんよ」「だしん」。本人の投稿から使用例を見てみよう。たとえば桜の花の画像を添えたツイートでは……


「咲いたしんよー。 桜綺麗だしん!


・クロちゃんらしさの象徴

「しんよ」「だしん」に深い意味はなさそうだ。むしろ、「咲いたよー。桜綺麗だ」の方がシンプルなのに、わざわざ「しんよ」「だしん」を付けている。付ける理由は分からないが、クロちゃんらしさの象徴と言えるだろう。確かに、「しんよ」「だしん」がつくことで、クロちゃんが発言しているような雰囲気が出ている。

・語尾がないと、らしさゼロ

では、「しんよ」「だしん」がない投稿はどうなっているのだろうか。上と同じく、本人のツイートから引用すると……


「工夫して何とか1万5千歩、歩けた。 有効に時間を使って、出来ることを最大限にやる」


iPhoneのアクティビティで1日の歩数を確認し、その成果を伝えているのだが、誰が投稿しているのかさっぱりわからない。“らしさ” ゼロ! なんなら、クロちゃんではない人が投稿している可能性も考えてしまう。それほど、らしくない。クロちゃんらしさとは、つまり……


「ブログアクセス数が凄いしん!
「だってクロちゃん、ちゃぷちゃぷ王子だしんからー!
「ただいま、向き合ってますしん
「さっぱりしたしんよー!
「よく寝たしんよー」(以上、クロちゃんTwitterより)


「しんよ」「だしん」に尽きるのである。

これだけ強く印象を与える語尾だから、クロちゃんではない人が使っても、クロちゃん風な発言に早変わりしてしまう。そのためか、一部の敏感なSNSユーザーの間では、すでに「クロちゃんごっこ」として活用されているようだ。


・この言葉を使うとコミュニケーションが活発に

私(佐藤)も試しに、SNSでステーキの画像と共に「お肉食べるしんよ~」と投稿してみたところ、間髪入れずに「米隠してんじゃねえー!!」というツッコミが入った。「しんよ」と付けただけで、新しいコミュニケーションが芽生えたのである。

これは今後、「クロちゃんごっこ」と称して、「しんよ・だしん」を頻繁に投稿する人が増えることも否めない。という訳で、今年の上半期を象徴する言葉として、クロちゃんの言葉が定着することになるのではないだろうか。ひいては、2018年の新語・流行語大賞のひとつになることも十分に考えられるのだ。

皆さんも試しに「しんよ」「だしん」を付けて投稿してみてほしい。すかさず誰かがソリッドのツッコミを入れてくれるはずだ。

参照元:Twitter @kurochan96wawa
執筆:佐藤英典
イラスト:Rocketnews24

▼森脇健児さんの言葉を紹介する時でも、「しん」を付けることによって軽々しく受け止めている印象を与えるのがクロちゃんらしさ