木々のつぼみもふくらみ始め、いよいよ日本列島にも春の気配がただよい始めている。これから徐々に本格的な春に近づいていくのだろう。なんともハッピーな予感にがする心地よいシーズンである。
さて、数年前から記者は春先のこの時期になると “ある違和感” に襲われていた。ズバリ言うとコンビニやスーパーなどでこぞって展開される「さくら系スイーツ」である。あの取ってつけた感は異常でなかろうか?
・季節感があるのはいいが
コンビニやスーパーに並ぶ商品が季節を感じさせてくれることはとてもいいことである。定番のシュークリームやプリンもいいが、1年中同じラインナップではつまらない。ユーザーを飽きさせない意味でも、旬を取り入れた商品開発は必須なのだろう。
だがしかし、ここ数年の「さくら推し」はいかがなものだろうか? 確かに春先のこの時期、桜のピンクはビジュアル的にとてもいい。コンビニを覗いたところ、プリンやロールケーキ、シュークリーム……などなど、さくらスイーツがズラリと並んでいた。
確かに色合いはいい、春を感じさせることも否定しない。……んが、どうしても美味しそうに見えないのは記者だけではないだろう。それもそのハズ「桜味」そのものがフワッとしすぎていて、どんな味なのか明確に想像できないのだ。
そもそもさくらスイーツとして確固たる地位を築いているのは「桜餅」だけである。その桜餅だって塩漬けの桜の葉を使用しているものの、味自体はスタンダードな和菓子の域を出ない。つまり「桜味」なんてものは存在しないのだ。
言うまでもなく最近のコンビニスイーツはクオリティが高い。そしてさくら系スイーツも決して美味しくないわけではない。ただ「結局これは何を食べてるんだ?」という得体のしれない思いに囚われてしまうのである。
開発サイドの苦労もわからないことはない。秋なら栗やサツマイモ、冬はりんごやみかん……と季節ごとの定番素材はあるが、春先はどうしても桜に頼らざるをえないのだろう。ただ、あたり前だが桜はそもそも食べ物ではないのだ──。
春が来ることは嬉しいし、コンビニやスーパーで春を感じられることも大変ありがたい。しかしこれだけさくら系スイーツをゴリ押しされるとビジネスの香りを強く感じてしまう。もう1度言うが、桜味なんてものは存在しないし桜は食べ物ではないのである。
Report:P.K.サンジュン
Photo:RocketNews24.
▼ちなみに桜餅は大好きです。